2003年の秋にラスベガスで、コインマジックだけのコンベンション、その名も「コインベンション」が催されました。参加メンバーには新進気鋭の若手から超大御所まで、コインマジックの凄腕がずらりと並びました。夢の共演とはこの事を言うのでしょう。コインマジックで思い浮かぶマジシャンはほぼ参加しているのでは無いでしょうか。歴史的イベントです。
そんな中で見せ合うマジックですから、中途半端な物は許されません。それぞれが本気でとっておきの手順をぶつけてきます。つまりべらぼうにハイレベルな訳です。相当のマニアでも、いくつかはまともに引っかかるでしょう。そんなトップマジシャンによる名人芸が36手順もあり、そのうち20手順に解説があります。
それに加え、「グリップ・フォーラム」、「スリーフライ・フォーラム」と言うその名前だけで興奮する様な企画もあります。歴史に始まり最先端の技術に至るまで、実演を交えて情報交換しています。今回の目玉でもあります。
DVD2枚にぎっしりと詰まったこの貴重な情報は、コインマジックファンには感涙押さえがたい物でしょう。この内容にして、この値段は絶対に安いです。お見逃しの無いように!
ディスクのラベルが1巻と2巻で逆にプリントされていることがあります。その場合は収録内容のDisc1とDisc2を逆にしてお読みください。DVDのご視聴には問題はございません。ご迷惑をお掛け致しますが、宜しくお願い致します。
集合写真 (DVD出演者と厳密に同じではありません)
- デビッド・ロスWild Coin
- 4枚の銀貨を1枚ずつ銅貨に変えてはカップに入れていきます。4枚入れたらカップを揺すり、中のコインをテーブルに出します。すると全てのコインが銅貨に戻っています。
- デビッド・ロス (演技のみ)The Planet
- 4枚のハーフダラーとミニチュアの地球儀を使います。ハーフダラーを地球儀にかざし、おまじないをかけると別の国のコインに変わります。もう2枚のコインでも同様にし、それぞれ別の国のコインに変えます。最後の1枚にはサインをしてもらい、先ほど変えた3枚のコインと一緒に握ります。それを地球儀にかざし、手を広げるとコインは4枚とも消えています。地球儀を開けると中に消えた4枚が入っています。もちろんサインも。デビッド・ロスの流れる様なハンドリング。王者の貫禄を感じる演技です。
- デビッド・ロス (演技のみ)Big Finish
- スーツの袖の部分だけ切り取った物を使ったコインマジック。手順の大半がカットされていて、演技がよくわからない。
- ジェフ・ラタ (演技のみ)
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- コインズアクロス
- 再度コインズアクロス(カードマジックのオープントラベラーの様な感じ)
- 3枚のコインの消失、出現。
- 銀貨と銅貨が3枚ずつあり、銀貨3枚をパースに入れます。銅貨を1枚ずつパースの中の銀貨と入れ替えていきます。
- マイケル・ルービンシュタインUltra Reverse Matrix
- 移動していく過程がとてもクリーンなマトリクス。最後のリバースはとても追い切れない。ギミック、エキストラ一切無しの素晴らしい一品。
- カーティス・カム (演技のみ)
- 観客に見えないコインを1枚握ってもらいます。見えないパースを取り出し、見えない3種類のコインを取り出します(そう言うジェスチャー)。別の観客に1枚のコインを選んでもらい、残りをパースにしまいます。選ばれたコインを観客に手渡し、コイントスをしてもらい、裏か表かのどちらが出たかを聞きます(ずっとジェスチャー)。ここで、マジシャンが見えなかったパースを見える様にします。パースの中には選ばれなかったコインが入っており、最初の観客の手には選ばれたコインが入っていて、向きまで一致しています。
- デビッド・ネイバース (演技のみ)
- 空中から3枚のコインが一度に現れます。そのコインうち2枚を消し、1枚をグラスに入れます。また、空中から3枚取り出し、同じ様な事を何度か繰り返します。はっきり言って何がしたいのか分かりません。
- デビッド・ネイバースPurse Frame Pro
- パースフレームからコインを1枚取り出します。そのコインが分裂して2枚になり、さらに4枚になります。
- ジョン・ボーン (演技のみ)
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- 4枚の銅貨を一列に並べます。それを左手でカバーしてからどけると3枚になっていて、1枚のコインは右手の下に移っています。同じようにして、1枚ずつ全部のコインを右手の下に移動させてます。
- パースを取り出しテーブルに置きます。テーブル上の4枚の銅貨が次々と銀貨に変わっていきます。パースの中から4枚の銅貨が現れます。
- テーブル上の4枚の銅貨を取り上げ、おまじないをかけると4枚いっぺんに完全に消えてしまいます。
- デックを出し、フラリッシュ的に4枚のAを取り出し、テーブルに置いて行きます。全て出たところで、テーブル上の4枚のカードを取り除くと、下からコインが現れます。
- チンカチンクのバリエーション。一瞬で集まり、一瞬で戻り、また一瞬にして集まる。すごい。
- ダグ・ブルーアーThe Magic Cauldron
- ろうそくに綿をかざすと燃えて、コインに変わります。同様に3枚のコインを出します。それらのコインがまた1枚ずつ火の中に消えていき。火を消すと、またコインが現れます。
- ボブ・フィッチ (演技のみ)
- 1枚のコインを紙で包みます。何人かの観客に、コインを紙越しに触ってもらい、その存在を確認してもらいます。次の瞬間マジシャンは紙を粉々に破りますが、中のコインは完全に消えています。
- ショーン・グリーアThe Miser's Dream
- オーソドックスなスタイルのマイザーズドリーム。素晴らしいマニピュレーションが織り込まれた良い手順。
- ジェフ・ハース (演技のみ)
- 4枚のコインが腹を貫通。
- カイノア・ハーボトル (演技のみ)
- 銀貨でコインロールを行っている最中にチャイニーズコインに変わります。その後、スペルバウンド現象が続きます。ところが途中でコインがぶつかり合う音が鳴ります。そこで2枚持っていた事を見せますが、なんとどちらも銀貨です。「実は、もう1枚」と言い、さらに1枚出ますが、これも銀貨です。この銀貨3枚がいっぺんにチャイニーズコインに変わってしまいます。これはたまげます。
- リード・マックリントック (演技のみ)
- 手から次々とコインが現れ、最終的に6枚の銀貨と1枚の銅貨が出ます。その7枚のコインを握ると銅貨だけ反対の手に移ります。その銅貨でおまじないをかけると、6枚の銀貨が全て銅貨に変わります。
- マーク・ストライビングスPredic-a-date
- 観客に1枚のコインを取り出してもらい、それを封筒に入れてもらいます。封筒の中には年号が書かれた紙が入っており、それが観客が入れたコインの年号とズバリ一致します。
- ダン・ワトキンスThree Way Crossing
- 3枚のコインで行うコインズアクロス。手のひらを見せた状態で行う。ビジュアルな飛行現象。
- ジェフ・ウィリアムスMiracle Coin Vanish
- コインが太股の上で完全消失。
- アポロ・ロビンスInterchange
- ワンハンドでのコインバニッシュと改め方。
- クリス・コーンThe Tooth Fairy
- 1枚のコインをこすると歯に変わります。口からはコインが。そして、笑うと歯が1本欠けています。ディスク2に解説があります。
- THE HISTORY : スリーフライの考案者クリス・ケナーがその歴史を振り返る。
- デビッド・ロスのインタビュー
- デビッド・ネイバースとリード・マックリントックによるスリーフライの演技
- デビッド・ネイバースとリード・マックリントックによるインターナショナル3フライ(3種類のコイン行うスリーフライ)の演技
- クリス・ケナー質疑応答
- ロジャー・クラウスThe Sun & Moon
- あのサン&ムーンですが、本当にきれいに行います。お手本にしたいですね。
- ディーン・ディルTornado
- 鮮やかなチンカチンクをこれでもかと言うほどに見せつけ、最後は溢れかえる程にコインを分裂させます。
- ボブ・フィッチ (演技のみ)
- 観客に銀貨と銅貨を握らせ、一方を抜き取ってもらいます。そのコインをテーブル上で回し、回転中にたたきつけると別のコインに変わります。手を開けてもらい、入れ替わった事を示します。
- クリス・コーン (演技のみ)
- ちょっと変わった3枚のコインの取り出しの後、また消していきます。
- ダニー・アーチャーThe Sub-Atomic Coins
- 3枚のコインを1枚ずつ出し、また消します。
- カーティス・カムThe Coin Trick That Cannot be Explained
- 4枚全て種類の違うコインでコインズアクロス。最後の一枚は、残りの3枚と次々と入れ替わります。かなりイカツイ手順。
- マーク・デ・スーザSix Coins Thru & Flew
- 6枚のコインを使ったコイン・スルー・ザ・テーブルをした後に、再度繰り返しますが今度はコインがテーブルの下から上へ貫通します。続けて、左右の手に3枚ずつ握り、手を開くと6枚とも左手に集まっています。再度繰り返すと右手に集まります。手の接触が無い、きれいな移動。よく考えられた構成です。
- ギャレット・トーマスHangin' Clean
- 空中からコインを1枚ずつ取り出し。4枚取り出したら、今度は1枚ずつ消して行きます。全部消えたら、また取り出しテーブルに置いて行きます。4枚目は取り出してから、手元で消してしまいます。テーブルを見ると4枚のコインが出ています。これには絶対にひっかかります。
- カイノア・ハーボトルSlapping for Compliments
- 4枚のコインを1枚ずつ消して行きます。そして、また現します。この4枚消しは見事です。
- ミッキー・シルバー (演技のみ)
- コインが右耳から左耳へ、耳から口へ貫通しまくります。最後は目鼻口からコインが出まくります。めちゃくちゃおもしろい。
- ジョン・ボーンTranslocational Backfire
- テーブルの右側に2枚、左側に2枚のコインがあります。ぞれぞれを左右の手で覆ってからどけると全部左手の方に集まっています。
- 緒川 集人Coin & String
- 糸をチャイニーズコインに結びつけて、ヒンズーヤーンを行います。
- 緒川 集人 (演技のみ)Double Coin Matrix
- ワンハンドでのコインマトリックスを左右の手で2カ所同時に行います。同じように進みますが、左手側は最後まで普通に集まっていき、右手側のクライマックスはリバース現象。よくやるもんです。
- リード・マックリントックon an AL KORAN idea
- コイン取り出しの小ネタですが、ひっかかります。グリップ・フォーラムの後に収録されています。
これまであまり詳しく解説されて来なかった、最先端のパームテクニックがここで明らかになります。
- エッジ・グリップ
- 手の平を空に見せるサトルティ。パームポジションまで自然に移せるので、手順に入れやすいです。かなりの量の使用例が、実演を交えて熱く話し合われます。カイノア・ハーボトルの3フライへの応用は良い。なぜ3フライフォーラムでしないのでしょうか。
- ウェブ・グリップ
- ダウンズパームのバリエーション。本当に何も隠し持っていないとしか思えない動きが可能となっています。
- ムトベ・パーム
- 日本で生まれた伝説のテクニック。五指を完全にまっすぐ開けるので、バニッシュに説得力のあるアクセントを持たせる事ができます。
- JWグリップ
- 手の平を空に見せるテクニック。手の平には何もないと言う強い錯覚を与えます。ギャレット・トーマスによる他のパームとのコンビネーションは必見。
- アングル・パーム
- 自然な手つきで持てて、指の自由度も高いです。複数枚も保持でき、応用範囲が広い。