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ジャンル | : | 書籍 / オムニバス |
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シチュエーション | : | パーラー |
メーカー名 | : | Script Maneuver |
マジシャン名 | : |
ハンサム・ジャック |
価格 | : | ¥ 4,620 |
メモ | : | ![]() |
紹介ツール | : |
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全プロマジシャンが読むべき飛び切りの名著が日本語になりました。
様々なシーンで引用される孫氏の言葉ですが、マジシャンにとってもまさしく至言です。
「彼を知る」。マジックは観客の脳を欺くものですから、観客心理の理解が欠かせません。この重要性に関しては、マジシャンにもよく知られ、その意識は近年さらに高まっています。それに比べ「己を知る」はと言うと、十分に研究されているとは言いにくい状況です。両輪がそろって初めてマジックは芸術として成功します。
己を知ることは、ジョン・ロビックの言葉で言うとペルソナの理解ということになります。演者のペルソナと演目の間に矛盾があると、全体として良いものにはなりません。演目はペルソナに合うものを選ぶ必要があります。そして、それをさらに自分用にパーソナライズしなければなりません。既製品をそのままやるのなら、演者が自分である必要はないのです。マジシャンとしてキャリアを築きたいのであれば、誰でもよい誰かになるのは避けなければなりません。
ハンサム・ジャックは、10代からファッション・モデルとして第一線で活躍し、世界的な名声を得ました。有名雑誌の表紙を飾り、セレブたちと交流する生活を続けていたものの、途中で自分にマジックの素質があることに気づいてマジシャンに転身します。マジシャンとしても才能を開花させた彼はペン&テラーのTV番組「フール・アス」で勝利し、ハリウッドのマジック・キャッスルでもパーラー・マジシャン・オブ・ザ・イヤーに13回もノミネートされ、多くのコンベンションに引っ張りだこになりました。ファッション業界のみならずエンターティメントの世界でも頂点に立たんとしているのが、ジョン・ロビック演じるハンサム・ジャックのペルソナです。
そうハンサム・ジャックとは、ジョン・ロビックが演じるキャラクターなのです(マジシャンとしての経歴は事実です)。この本は、ナルシストのハンサム・ジャックが、自分の演じてきたマジックを公開するという設定で書かれたもので、ブレインとして作品を考案してきたジョン・ロヴィックが欄外に注釈をつける形で構成されています。自己陶酔気味のハンサム・ジャックの本文と、それにあきれながら正確に注釈していくジョン・ロビック。そのやり取りも本書の見どころとなっています。
もちろんこの設定はジョン・ロビックのジョークなのですが、ハンサム・ジャックという演者としてのペルソナが確立されているからこそ、この遊びが可能であり、またユニークな作品作りが可能だというわけです。
ジョン・ロビックによる2つのエッセイ「パフォーマンスというパズルにおけるペルソナとその他の要素」と「台本作りとそれに関わる大切なこと」で、演劇の世界で培った演技論が展開されます。プロマジシャンやプロになりたい方には極めて重要な内容です。
20のパーラー作品が解説されており、各作品とも部分最適・全体最適・個人最適が極まっています。個人最適の部分は、もちろんハンサム・ジャックのためのものなので、そのまま使えるわけではありません。しかし、他人の物をそのままやることを否定するのが本書であり、それに従うなら、結局は自分用のルーティンを作らなければならないのです。その際に、ここに載っている輝かしいサンプルが最高の手本となります。
良いマジックとは何なのかを知りたい方、そして良いマジックを演じたい方はお読みください。
マジシャンが一流エンターテイナーになるための方法論
誰も教えてくれなかったマジシャンとしての疑問への答えがここに!
騙すこと以上に重要な舞台表現を築き上げるための1冊。
観客と一緒にショーを盛り上げるための実践的演技論
サロン系(とクロースアップも少し)のマジック解説はボリュームあります。マジックに関する考え方と台本作成に興味を惹かれて購入しました。この部分だけでも、好きな人には価値があると思います。マジックは個性的な人向けかな。構成上、注釈でフォローするのですが、ちょっと字が小さいです。注釈に面白いネタも書いてあり読みたいのですが、途中で疲れます。ここが星4つの評価です。量があるので、活字が好きな人向け。