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フレンチドロップ店主、庄野勝吉がおすすめする名著です。
60年以上前の本ですが、今見ても新鮮な驚きと発見があります。ポール・カリーやアネマンの作品が多数収録されています。マニアはお楽しみいただけることでしょう。
海外では1958年発刊。これを日本では1年遅れの1959年に荒地出版社より発行されました。古い本のためか日本語訳が独特な箇所があります。イラストも少ないので、理解するにはある程度の基礎知識が必要となります。そういった意味で中・上級者向けです。
若いマジシャンにとっては温故知新となる1冊。キャリアのあるマジシャンにとっては、再び手に取りたくなる1冊かと思います。ぜひご覧ください。
1942~1954年(昭和17-29年)に隔週発刊にて続いたマジック雑誌「ザ・フェニックス」 アメリカのマジック界に大きな影響を与えたといっても過言ではありません。この「ザ・フェニックス」の編集をしていたのが、ブルース・エリオットとウォルター・B・ギブソンの2人です。ブルース・エリオットはマジシャンとしても活躍しました。
収録作品:変化するスプーン、チリンチリン、四次元の裁縫、占い棒、ウイントリイ、ハンキンスの魔法、動く穴、ホール・イン・ワン、おばけ鏡 等々。
収録作品:手のなかで、ウサギの頭、両替してください!、ザックの早業
収録作品:四枚貨幣の軌跡
ここでは、クレイトン・ローソンやアル・ベイカー、ドクター・ダレー、セオドール・アンネマンの作品がお楽しみいただけます。ブルース・エリオットとアンネマンの2人で考案したカードマジック「そんなはずはない」は今も絶大な効果のあるものだといえます。
収録作品:三枚のカードの飛行、行方不明、モンテ、アル・ベイカーの奇術、ハニーカッター、リポップ、のぞいてごらん
ポール・カリーの7作品を解説。そのうち「超妙技」というタイトルのマジックは、ルイス・タネンで当時売っていた「おばけトランプ」という人気商品を普通のトランプでできるように考えたものです。ポール・カリーが発表する前に、アル・ベイカーが彼の最初の著書に発表したことがショックだったというようなことが前説に書いてあり、読み物としても面白いと思います。
収録作品:お目見え、まねしてごらん、完全な奇跡、おしゃべりジョーカー、思うだけ。二枚いっしょに
ここでもポール・カリーの傑作カードマジック2作品が収録。アル・ベイカーの作品と他9作品のメンタルマジックを解説。
収録作品:今から二分後、読心術、十三階段、観念は死なず、神々の土うらない、暗号Ⅰ、三度適中、集合的思考、三つのサイコロ、魔的魅力、謎の一頁、四万語
日用品を使ったマジックを紹介。今では珍しいマッチを使った作品が5つと充実しています。そのほかには、コップがハンカチをすり抜けたように見えるマジックなど。「ポー・シー・ローの呪術」と「貧者の蛇」は、かごの中から出てきたおもちゃの蛇が、客のカードを当てるというコメディタッチのマジックです。演技や仕掛けも良いため、レパートリーにしたいと思えるマジックです。これを高級に作ったものがコレクターワークショップより販売されていたこともあります。
「ハンドバックのお菓子」は楽しいサロンマジックです。観客のハンドバックを借りて、その中に小麦粉、卵、砂糖、牛乳等を入れたら、マッチに火をつけます。なんと、バックの中からカップケーキを取り出し、観客にプレゼントします。無傷のハンドバックを観客に返して演技を終えます。余談ですが、私(フレンチドロップ店主)は、ダローが観客の靴を使ってこのマジックをするのを見たことがあります。
収録作品:すりぬけ、背中あわせ、比類なきマッチ奇術。輸送術、カード釣り、見えない給仕人、パポ・リーゾ、マッチ箱のぬきとり
グラスの消失マジックや、フローティングハンカチなどサロンで手軽にできるものから、人体消失イリュージョンなど本格的なモノまで紹介されております。
収録作品:空中浮遊術、おばけビール、ヴーズーの魔法、うさぎの箱、コンボ、火と水、グラス消失、魔法使いの箱、魔法の筒、黒魔術、フーディーニの挑戦