1968年、日本全国の72の奇術クラブの代表者が発起人となって、最も多くの奇術家に敬愛されている石田天海の名を冠し、年一回、優れたオリジナル作品を発表した奇術家を選び出し、その作品集を作ることを制定した。
これは、その二回目の受賞者、厚川昌男氏も作品の一部をまとめたものである。
1969年12月1日 石田天海賞委員会
- コーンを通り抜けるコーン
- 2つのコーン(三角形の紙コップ)を重ねた状態から、内側のコーンが底から貫通します。
- 宇宙人のダイス
- 演者は、宇宙人の星ではサイコロが正四面体をしているという話をして、宇宙人からもらったという正四面体のサイコロを取り出します。それでは正六面体よりも目の数が少ないはずですが、数えると、その四面体にはちゃんと1から6までの目があるのです!さらに宇宙人の見せてくれたイカサマをやると言い、サイコロをカップに入れて開けると、すべての目が5のイカサマサイコロに変化しています。
- 四面体よりシルク
- 真ん中に小さい穴があいた正三角形の板が1枚。表裏を改めたのち、それを組み立てて正四面体をつくります。この中から多くのシルクが出現します。
- サイコ
- 演者と観客は同じ数字のカードを5枚ずつ持っています。カードを混ぜたのち、先に演者が裏向きで1枚をテーブルの上に出し、そのあとに観客も裏向きで1枚出します。これを最後の1枚まで繰り返します。そして確認すると、観客は毎回演者が出したカードと同じ数字のカードを出していたことがわかります。
- スリー・クォーター・カード
- 2枚のダイヤのAの間に絵札を差し込み、ゆっくりと揃えますが、とたんに絵札はトップから現れます。
その絵札をテーブルの上に置きますが、観客が表向きにすると、いつの間にかAに変わっています。
2枚のAの間に、絵札を横向きに差し込みますが、息をかけると、絵札は横向きのままAを通り抜けてテーブルの上に落ちます。
- ロープとリング
- ロープの両端を観客に持ってもらった状態で、リングがロープに通ったり、外れたりします。
- アミダくじ
- どの線を選んでも、演者にアタリがきてしまうアミダくじ。
- シルクの中よりシルク
- こぶしの中でシルクに窪みをつくり、その窪みからシルクが出てきます。ジョークとして優秀です。
- 4枚のシルク
- 演者は4枚のシルクを取り出し、2枚ずつに分けて両端のテーブルに離しておきますが、片方のテーブルのシルクが、1枚ずつ見えない移動をおこない、もう一方のテーブルに集まってしまいます。
- 2つの筒と2枚のシルク
- 赤い筒と緑の筒。赤い筒には赤いシルクが、緑の筒には緑のシルクが入っていますが……それらが入れ替わります。
- カラー・ワンド
- 色の変化するマジック・ウォンドの作り方。
- 2枚のカードの隙間
- 2枚のジャンボカードの間から数多くのシルクが現れます。
- ジャンボ・ペネトレーション
- 3枚のジャンボカードとリボンを使った、カードとリボンの貫通現象。
- マジック・ワンド
- マジック・ウォンドの端の白い部分が突然消えてなくなり、演者の指先に現れます。それがシンブルのように指先から消えたり現れたりしているうちに、再びウォンドの端の戻ります。
今度はウォンドの両端から白い部分が消え、ウォンドはただの黒い棒になってしまいます。白い部分はまた指先に現れ、ウォンドに飛び移ったり、演者の足を通り抜けたりしたあと、最後は長いケーンに変化します。