魅惑のトリックカード・マジック【フレンチドロップ図書室】
トリック・カードを使った手順を集めた作品集です。
トリック・カードは、技術的負担を軽減するためにあるのではありません(もちろんそう言う面もありますが)。むしろ、技術と組み合わせる事により、一段と威力が発揮される。と言う事がこの本を読めばわかります。レギュラー・カードだけでは決して出せない説得力、鮮やかさが、トリックカードを使う事により可能となるのです。トリック・カードを使うのに抵抗を感じる人も少なくありませんが、このギミックとテクニックの相乗効果を見逃すのは、あまりに惜しい話です。どの手順も申し分の無い完成度で、収録マジックの幾つかは、商品化されてもおかしくありません。ギミック・カードに伴う煩わしさに見合う価値は十分すぎる程あります。
この本では、手順以外に、トリック・カードを自作するための、カードを分離させる方法が詳しく説明されています。また、手順で用いるカードがすぐに用意できるように、シール(ページ下の写真を参照)も添付されています。至れり尽くせりです。
【収録マジック】
アワサカ/テンカイのカード・スタッブ
観客に1枚のカードを選んでもらいます。次に、2枚のAを表向きにデックに挿し込んで軽く混ぜ、どこにあるのかわからないにします。観客の選んだカードを観客自身の手によりデックの好きなところに差し込んでもらいます。デックを広げると2枚のAの間には1枚の裏向きのカードがあり、もちろんそれが観客の選んだカードです。
普通デックからツイスター・セット(ショッキング・ピンク)を
青裏の4枚のカードのうち1枚を表向きにすると、残りも全て表向きになります。表向きになったカードの裏を見ていくと全て赤裏に変化しています。このトリックを、レギュラーデックから、しかも観客の選んだ部分から、カードを抜き出して始める工夫がされています。
ユニバーサル・カメレオン
ジョーカーが触れ合うカードに合わせて、次々と姿を変える。ハートリングチェンジと言うこの上無くビジュアルなチェンジは見逃せない。
私のカラー・チェンジング・デック
青デックからクラブのA〜4を抜き出します。その4枚が1枚ずつ順番に裏向きになっていきます。4枚がまた表向きになったときに、1枚ずつひっくり返すと、4枚は赤裏に変わっています。そして、残ったデックも突然赤デックに変化します。
ワイルド・カードの原点にかえる
観客に1枚のカードを選んでもらいます。それとは異なるカードを8枚デックから抜き出しますが、それら全て観客の選んだカードへと変化してしまします。
サインド・カードのパケット・トリック仕立て
4枚のQと2枚のカードを使います。2枚のカードのうち1枚にサインをしてもらい、もう片方は表を見ずにテーブルに伏せておきます。サインしたカードがQの間に入れると消失してしまいます。テーブルのカードを見るとサインしたカードになっています。極めて説得力のあるサインドカードのバリエーションです。
サンドイッチ・フライト
赤裏のQを4枚テーブルに置きます。次に青裏のQ4枚を見せ、観客に1枚選んでもらいます。そのQが消えて赤裏のパケットの真ん中より現れます。ここまで見事なフライト現象はありません。
プログレッシブ・クイーンの最終版
4枚のQを一列に並べます。それらの上に3枚ずつカードを乗せます。左端のパケットを取り上げ、おまじないをかけるとQは消えてしまいます。隣のパケットを見るとQは2枚になっています。さらにそのパケットにおまじないをかけると、2枚のQはまたも消失します。消えた2枚は右隣に移って、このパケットはQ3枚の状態です。あろう事か、そこからもQが消失し、右端のパケットに4枚のQが集まります。無茶な現象に思いますが、現実的なハンドリングに仕上がっています。
その他全20手順を解説
全231ページ
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