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マジック界の直木賞こと厚川昌男賞。
優れたマジッククリエーターを集めてコンテストを行い、優勝者にはこの賞が贈られます。審査委員は厚川昌男。無論、コンテスタントにはオリジナリティーの高い作品が要求されます。1989年から不定期で開催され、その栄えある賞を手にしたマジシャンらは現在もマジック界の第一線で活躍されています。
1997年、第10回厚川昌男賞を記念し、第1回から第8回までの受賞された8人の作品集が作られました。どの作品もオリジナリティー、演出が素晴らしく魅力的です。さらに、この本にしか収録されていない作品も多く、マニアは押さえておくべき1冊といえます。
前田知洋、ヒロ・サカイら日本を代表するマジシャンの作品をとくとご堪能下さい。
【収録内容】
①坂井 弘幸 (ヒロ・サカイ)
The Voluneer Swindler
切れ目のある五千円札と財布の中の普通の一万円札とが目の前で入れ替わります。
Hair Band Mystery
ヘアバンドをマジシャンの親指に二重に巻きつけます。観客にヘアバンドを引っ張ってもらいますが、親指から抜くことはできません。しかし、マジシャンがおまじないをかけると、ヘアバンドはするりと親指から抜けます。
A Transiernt Love Story
お目当ての女性に演じるシチュエーション別マジック。センターティア、花束の出現、カードマジック、指輪のマジックなどなど。
②前田 知洋
ZODEA
マジシャンは12枚の西洋占星術の星座の名前が書かれたカードと、折りたたまれた予言を示します。星座のカードを良く切り混ぜ、観客に1枚のカードを選んでもらいます。予言を開いてみると、様々な記号が書いてあり、そのひとつが赤いインクで示されています。マジシャンはその記号こそが観客の選んだ星座のシンボルであることを説明します。観客はどの記号がどの星座に対応しているのか知らないため、マジシャンがでまかせを言っていると思っています。そこでマジシャンが予言を折りなおすと、そこには観客の選んだ星座の名前が現れます。
re-Psychle
観客に1枚のカードを選んでもらいます。マジシャンは空のケースに万年筆を入れ、右手にケースを持ちます。すると、万年筆が独りでに動き出し、まるで文字を書いているようです。ペンを取り出してケースの中を見ると、先ほどまで何も書かれていないケースの内側に観客の選んだカードがかかれています。
The Angel of Hypthesis
マジシャンは2枚の名刺サイズのカードを示します。それぞれにフォークの絵とスプーンの絵が描かれています。観客がどちらかを選び、マジシャンがその絵をこすると、描かれている絵が曲がります。そして残りのもう1枚の絵も観客の手の中で曲がります。
③谷 英樹
エレベーターイリュージョン
観客に1枚のカードを選んでもらい、覚えてもらったらデックに戻し、ケースの中に入れます。マジシャンはスリットの入った2枚の白いカードを取り出します。2枚を揃えると、スリットを通して向こうが見えます。これをカードケースにあてがい、おまじないをかけると、裏向きのカードがケースから上に抜け出て2枚のスリットカードの間に入っていくのが見えます。スリットカード全体をひっくり返すと、間に挟まっているカードは観客のカードのようです。表向きの状態でおまじないをかけると、2枚のスリットカードの間から表向きのカードが下にあるカードケースの中に入っていくのが見えます。カードケースからデックを取り出し、裏向きにスプレッドすると中ほどで観客のカードだけが表を向いています。
バニシングマリッジリング
左手に握った指輪が消えます。マジシャンは空中に見えない何かを見つけ、それを掴むように左手を握ります。左手を開けてみると、指輪が現れています。
実録プレゼントマジック
誕生日プレゼント、クリスマスプレゼントを渡す時にぴったりなマジック。演出のみの紹介となっております。
④石田 隆信
パーティカルジョイント4A
4枚のAをファンに広げ、観客に好きなAを言ってもらいます。そのAだけがひっくり返ると告げ、ファンを閉じ、左手を閉じます。右手でトップカードの一端をつまみ、左手を放します。すると、カードは裏向きで縦に数珠繋ぎになってしまい、観客の選んだカードAだけが表を向いてしまいます。一風変わったカードマジックです。
E.T.ロープ
ロープの中央に10cmほどの輪を作ります。輪の交差している部分を観客に親指と中指で持ってもらいます。演者の人差し指に輪を入れ、たれ下がったロープに絡ませます。観客がロープを放すと、ロープは演者の指に絡まります。もう一度同じことを行いますが、今度は観客にロープを離してもらう前に、あの「E.T」のシーンのように演者の人差し指と、観客の人差し指の指先どうしをくっつけ、ロープを放してもらいます。すると、ロープは指をすり抜けるように床に落下します。
デートTimeカード
マジシャンは観客によく混ざっているデックを観客に示します。観客に1枚のカードを選んでもらい、そのカードをマジシャンに見えないように持っていてもらいます。 マジシャンはデックのトップから、テーブルに1枚ずつ時計の文字盤を作るように12枚のカードを並べます。ここで、マジシャンは観客に現在時刻を聞きます。その時刻のカード2枚を開けると、見事観客のカードを示しています。
⑤藤原 邦恭
札裂き
観客に借りた紙幣で1本の割り箸をくるみます。左手に紙幣、右手に割り箸を持ち、強く横に引っ張ります。すると、紙幣を引き裂く「バシッ!」という音とともに、割り箸はくるんだ紙幣から外れます。紙幣におまじないをかけ、ゆっくり広げると…、裂かれた紙幣は見事復元しています。
ワリバシトリック
カードマジックの「ピアノトリック」に割り箸を使ったバリエーション。封筒に入れた割り箸がもう1つの封筒に移動します。
マドラーの行方
マジシャンはマドラーで紙切れに穴を開けようとします。勢いよくマドラーを紙切れに押しつけると、「バシッ!」という音が…。右手をゆっくりと退けてみると、紙切れに穴は開いておらず、マドラーは消えています。
⑥岸本 道明
マインドスケッチブック
マジシャンはスケッチブックを取り出し、マジックペンで2枚の画用紙にそれぞれ3つの○を描きます。演者は1枚目の画用紙に予言を○の中に1つづつ書きます。観客はマジシャンの質問に対する答えを2枚目の画用紙の中の○の中にそれぞれ書きます。演者の予言と観客の答えを見ると、全てが見事に的中してしまいます。
ラバーバンドペネトレーション
マジシャンは2本の輪ゴムを両手の親指と人差し指に掛け、クロスさせて輪ゴムが抜けないようにします。しかし、輪ゴムはするりと抜けてしまいます。マイケル・アマーのハンドリングとは違います。
血液型占い
売りネタにもなっているカードマジック。マジシャンは血液型の描いてある4枚のカードを封筒の中に仕舞ってあると観客に説明します。1人の観客に好きな血液型を言ってもらいます。封筒の中にあるカードをとりだすと観客の言った血液型のカードだけ表を向いており、そのカードを裏返すと、裏の色も違っています。
⑦片山 一美 (カズ・カタヤマ)
カードを当てるシルク
観客に1枚のカードを選ばせ、サインしてもらってデックに戻します。紙袋の中を改め、デックを入れます。先端にゼムクリップをつけたシルクを取り出し、紙袋の中に入れますが、一端を袋の口から出しておきます。紙袋の口を髪ばさみで止め、観客に袋をよく振ってもらい、袋の中のカードをまぜてもらいます。紙袋を開け、観客にシルクを取り出してもらいます。すると、シルクの先端のゼムクリップに1枚のカードがはさまっています。そのカードが先ほど観客が選んでサインしたカードです。
ガムガムパンチ
ガムの包み紙で作ったコインが一瞬にして本物のコインに変わります。
赤裏と青裏の水と油
赤裏のデックから赤いカード2枚、青裏のデックから黒いカード2枚を取り出します。カードを表向きにして、赤マークのカードと黒マークのカードを交互を混ぜます。しかし、赤いカードと黒いカードはきれいに分かれてしまいます。次にカードを裏向きにして、赤裏のカードと青裏のカードを交互に混ぜます。再び赤裏のカードと青裏のカードはきれいにわかれてしまいます。突然、4枚のカードが赤マークのカードになってしまいます。さらに、カードの裏を見ると、全てのカードが青裏になっています。しかし、次の瞬間には元通りの赤裏の赤マークのカード2枚と青裏の黒マークのカード2枚に戻ります。
⑧守屋 一郎 (からくりドール)
カエサルの栞
カエサルの栞と呼ばれる栞に貼ってある1枚の木の葉が透明な板をスッと…貫通し、そして再び透明な板を貫通して栞に戻る。テレビ番組でも演じられてました。
お札クルクル
観客からお札を1枚借ります。ポケットから1枚の紙を取り出し、その紙を円錐上に巻いて右手に持ちます。その巻いた円錐上の上に観客から借りたお札を乗せます。すると、お札がゆっくりと円錐の上で回ります。糸あるいは磁石など余計なものは一切使いません。
ロマンスの神様
占いの演出を取り入れたセルフワーキングマジック。4つに分けたパケットのトップからは観客の誕生月の数字が出てきます。
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