2001年7月4日より4日間、アメリカ・フロリダのディズニーワールド内にあるヒルトンホテルにてIBM大会が開催されました。今回、クロースアップコンテストは午前8時より12時までの4時間かけて、22人のコンテスタントにより競われました。そのうち、ジュニアは7名です。上位6組(アダルト3、ジュニア3)が最終日にファイナリストとして、ゴールドカップをめざして再演されましたので、その内容と順位結果を報告します。 |
Shawn Farquhar カナダ 1位 |
アンビシャス・カードとカップ&ボールを演じました。 |
Igor ニューヨーク 2位 |
小さな容器に入った液体「ドクター・エックス」を品物にかけると消すことが出来ます。コインにふりかけると消失し、さらにコインを出現させ、ジャンボコインに変化させた後、消失させます。カードの表に薬をつけると、ブランクカードになります。ライターが消えたり、客の指輪も消えてしまいます。卵がなぜか出現し、それも薬により消えます。小さな小銭入れより60センチ程の長い筆が出てきますが、それにより後半では薬を塗る操作を交えて行っていました。最後には、ビニール袋に入った薬品の詰め合わせ(または、今までに消失した品物が入っていたのか?)より取り出した品物の中から、消失したはずの客の指輪が現れて終ります。 |
Canki and Eddie Maxwell アルゼンチン |
二人が登場。一人はスペイン語を話すマジシャンで、もう一人は通訳です。最初のマジックはカメレオンシルク。通訳にもシルクを持たせて同様に行わせますが、勿論、マジシャンのシルクは色が変わり、通訳のシルクは変わりません。ところが、通訳のシルクをもう一度こぶしに入れさせて、マジシャンが半分引き出すと、半分だけ色が変わったシルクとなっています。次に白紙を示して、それを一瞬にして紙幣に変化させます。結構うけていました。通訳にも同様のことをさせますが、紙幣にはなりません。ところがそのすぐ後、この白紙が多数のペニーに変化し、テーブル上へぶちまけられるので観客にはバカうけします。 |
Winston Helling ニューオリンズ 1位 |
BGMにあわせて、4Aを1枚ずつテクニカルな方法によりデックから取り出したいました。そして、この4Aのそれぞれの下より1枚ずつコインが出現します。4枚のコインをタテ1列に並べ、左手で全体をカバーするたびに、横にふせておいた右手の下へ1枚ずつ移動します。その後、テーブルの上のコインが順次増えて15枚程度となり、最後に両手いっぱいにコインがあふれ出て、テーブル上がコインでいっぱいになって終ります。 |
Chase Curtis テキサス 2位 |
懐中電灯より単三電池3本を取り出しマジックが行われますが、最後に大きい電池(単一)に変化し、さらに消失します。その電池が空のはずの懐中電灯より現れます。次はカードマジックで、赤と青のデックを使い、客のカードが他のデックへ飛行する現象ですが、その時カードケースが消失してデックだけとなり、その中より取り出されます。最後の演目として、電池を使ったカップ&ボールが行われました。クライマックスは各カップよりカップいっぱいの大きさの特別な電池が現れるだけでなく、マットをめくると、火花と共に自動車用のバッテリーが出現します。 |
Matthew Grunwald カンザス・シティ |
鉛筆・消しゴム・クリップ・パンチ・絵の具といった文房具を使ったマジックで統一され、その物品を使ってうまく工夫した現象が行われていました。例えば、鉛筆でウォンドがわりにまじないをかけると消しゴムが消失し、鉛筆が消しゴム付き鉛筆に変わり、この鉛筆のキャップが消失した後再現し、鉛筆が短くなります。アイデアはそれぞれ面白く、次々と演じられていったのですが、小さな現象が続き、マジック全体の印象も弱いままで終わってしまったのが残念です。おしくも2位は逃しました。 |
2年前のIBM大会に参加したとき、クロースアップ・コンテストでは多くの人がカップ&ボールを行っていました。しかし、すべて個性のある異なったタイプだったのも印象的でした。ところが、今回は2人だけしか行っていませんでした。そして、この2人共入賞しています。カップ&ボールは同じタイプのものが重なると見ている方は疲れます。しかし、ないのも寂しいものです。今回の2人はラッキーだったのかもしれません。 |