今年は、6月27日(火)から7月1日(土)まで、フロリダ州マイアミで開催されました。ステージ・コンテスト予選は、朝8時から6時間かけて、30組が出演しました。また、その翌日のクロースアップ・コンテスト予選は、22名が朝8時から4時間かけて競われました。シニア部門もジュニア部門も含めて、上位得点の6組が、ファイナル6として決勝戦に出演し、それにより、各賞が決定されます。コンテストの結果や、その他の印象に残ったことを報告させて頂きます。 |
今年も、私の印象に残ったことを「キーポイント」として、最初に紹介させて頂きます。 |
1. | ステージ・コンテストに、日本から7名がチャレンジされました。 |
2. | ステージ・コンテストの1位は、日本のKyokoさんが獲得されました。 |
3. | 今年は、ステージのゴールド・メダルの受賞者は、ありませんでした。 |
4. | クロースアップ・コンテストの1位は、John Bornが獲得しました。 |
5. | 今年は、クロースアップのゴールド・カップの受賞者は、ありませんでした。 |
6. | ピープル・チョイスによる賞は、ステージもクロースアップも、2位受賞者が獲得していました。 |
7. | ステージの大きさは、昨年と異なり、ほど良い大きさです。 |
8. | コスチューム・チェンジが、今年もレクチャーされていました。 |
9. | マジックとジャグリングのコンビネーションが、昨年と同様、増えてきそうな気配がありました。 |
ニューヨークのJohn Bornが1位を獲得されました。彼は3年前には、2位を獲得しています。以前の演技では、コインとカードが中心で、うまさとスマートさを感じましたが、インパクトには欠けていました。今回は、最近、話題となっています "Any Card at Any Number"テーマの、彼の解決策の演技が評価されたものと思われます。他には、コインやポケット・リングを無難に演じていますが、特別な内容ではありません。 |
52枚のカードの中の好きなカード名と、1〜52の間の好きな数を指定させ、その枚数目より、客の指定カードを現す現象です。目の前にある一つのデックで、演者がそのデックに全く触れずに、この現象が起これば、不可能としか思えません。 |
ホンコンのM.C.Chowが、2位を獲得されました。そして、ピープル・チョイスによる賞も獲得しています。この賞は、決勝戦でもあるファイナル6を
観ている観客全員に用紙をわたし、もっとも良かった演技者名を記載させ、その投票結果により、一名だけ選出される賞です。昨年も、彼はこの賞を受賞しています。しかし、昨年は、2位すらも獲得出来ていません。 |
中国のRaymondもファイナル6に残りました。穴あきの赤コインと緑コインの出現と移動現象の後、大きな円形のジグソーパズルのピースが多数出現します。テーブルマットを裏向けると、英語でメッセージが書かれています。それに穴あきコインを数枚加えると、意味の分かるメッセージとなります。そして、そのマットを、もう一度表向けると、完成されたジグソーパズルの絵が現れます。チャーミングな女性の絵です。さらにこの後、スマートな演出を加えて終わります。 |
今回、ファイナル6に残った6人の内の5人は、誰が2位になってもよい状態でした。1位ではありません。今回は、特別に印象に残るようなチャレンジャーはいませんでした。また、ジュニアも数名チャレンジしていましたが、全体的に低調で、ファイナル6に選ばれる人はいませんでした。なお、選ばれた6人の内一人は、中国系のカナダ人で、二人は中国の人であったのが印象的でした。 |
1位は日本のKyokoさんが獲得されました。美容師の装いで、軽快な動きに、マニピュレーションとイリュージョンの要素も取り入れて、全体をモダンなタッチで見せていました。2位は、ジャグリングにマジック的要素をコミカルに取り入れて、全体をコメディータッチで見せていた、オハイオ州のDave Kaplinが獲得しました。 |
私の印象では、シニア部門において、上記記載の最初の4人は、誰が1位になっても不思議ではない実力を持っていました。ここでは、4人のすばらしい演技に対して、あえて、辛口に、気になった点を中心に報告することにします。 |
1. | コンテストに参加した日本の7名が、コンテスト全体のレベルを、いつもより引き上げていたと思われます。Kyoko、古山光、亜空亜シン、ジミー菊地、セオ・ダイスケ、前田真孝、西村峰龍(敬称略)の7名です。中でも、女性の活躍がすばらしく、Kyokoさんや古山光さんが、ファイナル6に選ばれました。なお、韓国の女性のRoByeong-Wookもファイナル6に選ばれています。結局、決勝戦の6名は、東洋の女性3名が選ばれたことになります。また、ユミさんが、日本からのゲストとして出演され、華麗な演技で観客を魅了されていました。 |
2. | ドイツのユンゲユンゲが、三夜、違ったアクトで演技されました。特に、二つの新アクトは、スタンディング・オベーションで絶賛されていました。 |
3. | ゲスト出演で、二人がハト出しの演技をされています。一人は、台湾のLu-Chen。もう一人は、最終日にサプライズ・ゲストとして出演された、デェイムス・ディメールです。二人とも、スタンディング・オベーションをうけていました。 |
4. | パントマイムやバラエティーにとんだ演技のArdan Jamesと、ジャグリングのCharlie Frye and Sherryは、いずれも、スタンディング・オベーションをうけていました。Ardan Jamesのすばらしさは分かっていましたが、Charlie Fryeの演技は初めて見ました。ジャグリングが超一流なだけでなく、意地の悪さを装ったアシスタントの女性Sherryとのやり取りが絶妙で、コメディータッチになっていました。 |
昨年のI.B.M.大会で印象に残ったことが、このことでした。そして、今年も同様なことを感じました。まず、ステージ・コンテスト2位で、ピープル・チョイスによる賞を獲得したDave Kaplinは、ジャグリングにマジックをうまく取り入れて、コミカルに演じていました。また、昨年、ジャグリングとマジックを融合させて、ジュニア部門1位となったFarrah Siegelは、今年、ゲストとして出演していました。 |
前回の報告でも書きましたが、2005年には、安田悠二氏による、コスチューム・チェンジのDVDが発売されました。そのすぐ後、2005年のI.B.M.大会において、フランスのバレリーが、安田氏とは違った内容のコスチューム・チェンジをレクチャーされました。さらに、2005年の夏に、男性のコスチューム・チェンジの本「クイック・チェンジ」が発売されています。 |
私にとって、I.B.M.大会の楽しみは、クロースアップ・コンテストを観ることです。今年は、それだけでなく、ステージ・コンテストも大いに楽しませてもらえた大会となりました。 |