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コラム

第3回 007 消されたライセンス(2023.8/18 up)

終わってしまった話ですが、8月17日にBSよしもと(265ch)で「花王名人劇場 不思議?びっくり!爆笑 マジックパーティー」が放送されました。出演は、ちゃらんぽらん、笑パーティー、松旭斎広子、ナポレオンズ、由美かおる、ジャック武田、他。BSよしもとでは花王名人劇場の再放送をしています。この番組には国内のみならず、海外の有名マジシャンも出演しましたので、チェックしておくとよいでしょう。

BS日テレで毎週1本ずつ、007シリーズを放送しているので、こちらでも前回に引き続き007から。まずは予告編をご覧下さい。

『007 消されたライセンス』

007消されたライセンス


原題: Licence to Kill
監督: John Glen
製作: Albert R. Broccoli、他
原作: Ian Lancaster Fleming
出演: Timothy Peter Dalton (James Bond), Robert Davi (Franz Sanchez), Carey Lowell (Pam Bouvier), Anthony Starke(Truman-Lodge)
配給: ユナイテッド・アーティスツ
公開: 1989年
上映時間:133分
製作国: アメリカ・イギリス

ボンド・シリーズ第16作目で、ティモシー・ダルトンとしては2作目。コメディ要素の強かったロジャー・ムーアから演技重視のシリアル路線へ。メキシコが舞台で、敵は麻薬王サンチェス。題名は、友人夫妻の敵を討つため、ボンドは暴走し、上司Mに咎められ、じゃあ、辞めますと単独行動することから由来していますが、殺しのライセンス(原題のLicenceはイギリス英語なので、アメリカ英語だとLicenseになります)を持っていても好き勝手にやっていいわけではないのですね?いつも権限を逸脱し、私物や公共物を破壊しまくっており、今回の行動が特に問題になるほどでもないと思います(「殺しのライセンスを持っていても、交通違反は許されない」というQのセリフが第17作「007ゴールデンアイ」に出てきます)。又、ボンドの身勝手な行動が、他の、捜査している人達に迷惑を与え、死なせてしまいますが、それに苦悩するようなところも見受けられません。舞台が北中米と狭いので007の中でも特にストレートで分かりやすいストーリーですが、アクションは控えめ、中盤は地味な展開です。又、香港の麻薬取締官が忍者姿で出てきて空手のような振る舞いをするのは、元々がアジアを舞台にしていたのを、天安門事件のため中米に変更した名残だそうですが、違和感がありました。ここにしかアジア要素は出て来ないので、であれば、他のものに置き換えてしまった方が良かったです。秘密兵器の度合いも弱く、興行的にも振るいませんでした。

63分、サンチェスの財務顧問であるトゥルーマン・ロッジがサンチェスと麻薬の取引価格を話している最中に、1個のボールでロール・フラリッシュを意味も無くやっています。ストーリーとは全く関係無いので、恐らく、当人がそれが出来るからということで、その動作を入れたのでしょう。因みに、この人物のキャラクターは不自然で浮いた感じがします。下記動画は麻薬が入ったタンクローリーを追跡するクライマックス・シーンです。30秒ぐらいのところで乗用車の後部座席、画面左側にいるのがトゥルーマン・ロッジです。


8月31日にBS日テレで放送されるので、お暇な方はご覧下さい。U-NEXT、アマゾン・プライムなどでも見られます。

このコラムの1回目に今月放送される番組として「007ゴールデンアイ」を挙げましたが、同じピアース・ブロスナン主演の「007トゥモロー・ネバー・ダイ」の間違いでした(予想では9月7日21時から放送)。失礼しました。次週はこの映画を取り上げます。因みに、「ゴールデンアイ」は「消されたライセンス」の次に作られたものですが、オープニングから新ボンドは機敏な動きで、派手に打ち合ってざくざく殺し、危険な状況でもジョークを連発、地味だった前作とは全く違う、大きな転換期になった映画です。

参考文献

ナイト・ストーカーズ:『電撃!!スパイ映画の謎』(フットワーク出版社, 1996)

中山義久、松本しげる:『007&スパイ・ムービー大作戦!』(ビー・エヌ・エヌ, 1998)

Lee Pfeiffer, Philip Lisa:『究極の007大全集』(シンコーミュージック, 1996)

佐々木将太, 黒木武大:『pen+ 007完全読本』(CCCメディアハウス, 2021)

天野由衣子, 奥津英敏:『TJ MOOK 007ジェームス・ボンド All Missions』(宝島社, 2021)


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