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コラム

第26回 大海原を行く渡り鳥(2024.1/26 up)

昨年12月24日にマジックネットワーク7による第1回 MN7研究会「海外マジシャン来日記録の考察」が開催されました。次回、第2回MN7研究会「海外マジシャン来日記録から次世代へ」は4月21日に行われます。私は「日韓ワールドカップが日本のマジック界に与えた影響」と題して、講演を行いますので、ご興味ある方は是非。手品に詳しくない人でも理解できる内容を目指します(映画の話はしません)。

『大海原を行く渡り鳥』

大海原を行く渡り鳥

監督:斎藤武市
出演:小林旭(滝伸次), 浅丘ルリ子(坂井由紀), 藤村有弘(ツブテの竜)
配給:日活
上映時間:79分
公開:1961年

シリーズ第7作は長崎佐世保が舞台。日本初の国立公園である雲仙の観光を牛耳る組織と対決する話です。いつもの敵役の宍戸錠は最後の2作品には登場していません。10分、滝は父親を捜す女の子を連れて、父親のいるキャバレーへ。ツブテの竜という中国人と、ポーカーで指しで勝負をします(使われているデックはおもちゃのトランプみたいな柄です)。ツブテの竜はシャーリア・パスをします。滝は図のように右手でデックを持ち、デックの下半分を人差し指で左手に飛ばしますが、ここだけは本人がやっています。


大海原を行く渡り鳥2

その後、テーブルにリボン・スプレッドしてターンするのを縦と横で行います。ツブテの竜は手から手へのスプリングを2回します。滝は勝負に負けますが、最後に机をひっくり返し、机の裏に4枚のAが貼り付けてあることを暴露し、「なるほど、手品のネタはそいつかい」と言います。出て行く滝に対して、竜はツブテを投げますが、滝はギターで防ぎます。竜は「私のツブテを交わしたのはあなたが初めて」と言ったのに対し、「俺もおめえみてえな手品師に会ったのは初めてだぜ」と返します。渡り鳥シリーズには何度も賭けのシーンが出てきますが、不思議なのはいかさまをしても、やるじゃねえかという感じで、たいしておとがめを受けないことです。ここでいかさまをしたのは竜なのに、滝は金も取らず、ナイフを投げられても何もせずに出て行きます。


日本の開拓地を回り尽くしたので海外へ飛び出し、香港とバンコクが舞台のシリーズ第6作「波涛を越える渡り鳥」、シリーズ最終作「渡り鳥北へ帰る」では手品っぽいシーンは出てきません。

以下は、渡り鳥シリーズ第2弾「口笛が流れる港町」で小林旭と宍戸錠が上海ダイスで勝負するシーンです(本編では17分のところ)。

まだまだ小林旭シリーズは続きます。

参考文献

1) 栗田研:「映像の魔術 大海原を行く渡り鳥」『Four of a Kind Vol.9 No.2』(チェシャ猫商会, 2005) p.286


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