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コラム

第47回 スリ(2024.6/21 up)

先週は小倉に行ってきました。福岡県出身の有名な漫画家には北条司、松本零士などがいます。福岡をアピールするために、小倉駅前には漫画ミュージアムというものがあり、作家の企画展が行われたり、7万冊の漫画が11時から19時まで480円で読み放題です。空いた時間があったので、行ってきました。マジックが出てくる漫画というものはあるにはありますが、映画に比べると多くはありません。マジックとは本来、ビジュアルで動きのあるものなので、止まった絵では表現しにくいのが理由でしょう(同様に例えば、音楽をテーマにした漫画は音が出ないため、歌詞でメロディを感じさせなければならないので難しいです)。数は少ないですが、マジシャンを主人公にしたものがいくつかあります。高階良子の「マジシャン」は、ラスベガスで活躍していた若き天才マジシャン、葵昌吾とマジックショップを営む榊原由貴が色々な事件を解決する探偵物です。


スリ

続編である「新マジシャン」は読んだことが無かったので、漫画ミュージアムでパラパラと読みました。第1話「妖女の笑い」ではマジシャンが実名で登場します(歌って踊れるアイドル・マジシャン瞳ナナ、マーカ・テンドウ)。話の中でショーに出演しているマジシャンとして出てくるだけで、ストーリーには絡みません。以下のサイトの試し読みで見ることができます。因みに、書籍の方ではマーカ・テンドウでしたが、電子書籍の方はマーカ・テンドーと正しい名前になっています。電子化にあたり、訂正されたのでしょう。

前作の「マジシャン」の方は、以下のサイトで第1話を終わりまで読めます。

漫画としての出来は中程度ですが、マジシャンが殺されたり、ミスディレクションがトリックに絡むなど、マジックに関係したストーリーなので、手品を趣味とする方なら読んでみてもいいと思います。

では本題に。まずは予告編から。

『スリ』


スリ

監督:黒木和雄
脚本:真辺克彦, 堤泰之, 黒木和雄
出演:出演:原田芳雄(海藤正彦), 風吹ジュン(松浦鈴子), 真野きりな(里村レイ), 柏原収史(布部一樹), 石橋蓮司(矢尾板徹), 北見マキ(マジシャン)
スリ技術指導:北見マキ
配給:アートポート
公開:2000年11月4日
上映時間:112分

アル中のスリと、彼を取り巻く男女の哀しくもおかしい人間模様を描いたドラマ。2000年度キネマ旬報誌ベストテン第7位、主演男優賞及び助演男優賞受賞、芸術文化振興基金助成作品。

昔は腕の立つスリだった海藤正彦も今ではアル中で右手が利かなくなり、同居人の里村レイの世話になっています。ある日、海藤の愛人、芳江の息子である布部一樹が弟子入りを志願してきます。酒を断ち、布部に技を伝授することで、自らもカンバックを図る海藤は以前のような勘を取り戻していきますが...。

14分、布部が路上で3カードモンテをやるシーンがあります。使っているのは赤裏のバイシクル・ライダー・バックのスペードQと2枚のブランク・フェイス・カードです。モンテ・スローをカードを折り曲げずに行なっています。その後、列車内で、里村が痴漢に触らせてその隙に財布をスルところを布部は目撃します。46分、布部と里村が話すシーンで、布部はコイン・ロールをしています。以下は、布部が海藤に弟子にしてほしいと願い出るシーンです。

52分、海藤は布部にスリのやり方を指導します。まず、右手の親指で薬指を押さえ、人差し指と中指、手の甲を真っ直ぐに伸ばします。手を曲げると、相手の体に触れてしまうからです。人差し指と中指だけを動かし、蟹挟みで財布を挟みます。ターゲットと向かい合わせで立ち、左手で持った新聞で相手の視線を遮りながら(専門用語で“幕”と言います)、相手の背広の右側の襟に左小指を引っかけて、手前に引くことで懐を開き、右手で財布を抜き取り、新聞に挟みながら新聞を2つに折りにします。動きとしてなかなか理にかなっており、マジックのレクチャーのようです。新聞の代わりに、腕に掛けたコートや腕組みをすることでも視線を遮ることができます。第43回で紹介した「スリ」でも出てきた、右手で取った財布を落として左手で裾のところで受ける方法。後ろから近づき、ズボンの後ろポケットから抜く場合、抜き取ると感触で気づかれるので、財布を指で摘まんだら抜き取る右手は動かさずに、相手の背中を押して前へ行かせることで、気づかれずに財布を取ることができます。「黄金の指」と同様、マネキンに鈴を付けて練習します。

87分、海藤は断酒の会の松浦と一緒に浅草へ寄席を見に行きますが、そこでは北見マキが出演しています。バニシング・ケーンで花に変える、白紙を5枚の千円札に変える、コインの出し消しから、コイン・プロダクション。コインを扱うのを見て、海藤はスリがしたくて手がうずうずします。

最後はちょっと中途半端な終わり方で、それはそれでもいいのですが、映画全体として何が言いたいのか伝わってきませんでした。出来としては中の上というところでしょうか。まだまだスリの映画は続きます。

トピック

6月20日 17時20分~ 「わらたまドッカーン」 NHK Eテレ

6月25日 19時~ 「出川一茂ホラン 不思議の会 3時間SP」 テレビ朝日


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