ステージ・マジック用具を扱う店は、クロース・アップ・マジック用具を扱う店に比べて何倍も売り上げがあると、あるショップの方が言っていました。まあちょっと考えて、ゾンビ・ボールやリンキング・リングなど、ステージ用の道具は1万円は越えるものが多く、高齢の社会人マジック・クラブの方であれば買えます(因みに、意外に高くつくものはビリヤード・ボールです。ルーカス・ボールを使うと、1個\4,000近くしますので、9つ出しでもやろうものならそれだけで¥36,000、カラーチェンジも入れると¥50,000はかかります)。それに対して、クロース・アップ・マジックだと、レギュラー・デックとコインが5枚あれば1時間でも見せることができるので(見る人にとっては拷問ですが...)、若者はお金を使ってくれません。しかし、時代は変わりました。メンタル・マジック用の電子メカ内蔵の道具は、何万円とします。パケット・マジックでもひとつ\5,000の時代がやって来ました。更に、入門用の易しいギミック・カード、5個セットで$125。
ビギナーに$125というのは手が出にくいですよね?いずれにせよ庄野隊長!単価が上がってきているので、クロース・アップ・マジック専門店の将来は明るいですよ。多分...。
予告編から。
監督:劇団ひとり
脚本:橋部敦子、劇団ひとり
原作:劇団ひとり
出演:大泉洋(轟晴夫), 柴咲コウ(花村悦子), 劇団ひとり(轟正太郎), 中村 のぶきち(小石至誠), 風間杜夫(雷門ホール支配人)
マジック指導:魔耶一星
主題歌:Mr.Children「放たれる」
製作:「青天の霹靂」製作委員会
配給:東宝
公開:2014年5月24日
上映時間:96分
劇団ひとりが荒木町のマジック・バー(八時のこと?)でフローティング・ローズを見て感動して書いた小説の映画化で、マジシャンが主役なので、手品シーン満載です。
マジック・バーで働く轟晴夫は35歳になっても売れず、後輩に追い抜かされるしまつ。冒頭、リフル・シャッフルをする手のアップから始まります。自分の境遇をぼやきながら右手にデックを持ち、左手に投げる時にトップとボトムを右手に残し、それらを表向きにしてダイヤのAとKであることを示します。片手でダローのホット・ショット・カットの簡略版を行ってダイヤのAを飛ばして、右手で取ります。手から手へスプリング、テーブルにリボン・スプレッドして、ターンして取り上げます。バック・パームから1枚出しでダイヤのAとダイヤのKを取り出します。右手にダイヤのK、左手にダイヤのAを持ち、スペードの7とスペードの6に変えます。デックのボトムのスペードの7をアードネス・カラーチェンジでハートの4に変えます。ハートの4をテーブルに置き、両手でカバーしてスペードの2に変えます。
アパートの机の上には、デックのケース、ジャンボ・カード、シルクハット、ロープ、スポンジ・ボール、ダイス、ジャンボ・コイン、スプーン、サム・チップ、グラス、カップ&ボール、札のくす玉、バラ、シルク、万国旗、ゾンビ・ボール、リンキング・リング、書籍(「ターベル・コース第1巻」「Card Tricks」「魅惑のトリック・カード」「クロース・アップ・マジック講座」「トランプ奇術と演技」「奇術と催眠術」「カード・マジック入門」「コイン・マジック事典」「The Close-up Magic Book」など)が置かれています。轟はカレーを食べながら、テレビでおネェマジシャンのサワダがスプーン曲げをするのを見ています。「くだらねえ」と言ってテレビを切り、スプーンを曲げ、元に戻し、最後は首の部分が捻れた状態にして、それでカレーを食べます。
浅草のマジック・バー、のぶきちの店内には映画「ヨーロッパの夜」のポスターが貼られています。店長ののぶきちがジャケットを頭から被って、ナポレオンズのあったま・ぐるぐるをひとりで演じます(パルト小石は本名で出ています)。のぶきちの名刺入れから、名刺がライジングしてきます。店に来たテレビのプロデューサーに、轟はマジックを見せることになります。500円玉をグラスの底から中へ貫通させます。このハンドリングにはエキストラ・コインが必要で、左手でポケットからコインを取り出す時、右手もポケットに入れてエキストラをパームしてきているようですが、演じるところはカットが切り替わっているので、わざわざパームして取ってくる必要はありません。正直に撮っています。因みに、バーの同僚として柄本佑がちょい役で出ています。
警察からホームレスの父親が死んだとの連絡が届き、住んでいた河川敷を見に行ったところ、雷に撃たれて1973年にタイム・スリップしてしまいます。20分、テトラパックの牛乳を階段に座って飲みながら、この時代では使えない500円玉でコイン・ロールをし、左手に握って消し、左肘から出します。それを見ていた子供(のぶきち)に雷門ホールのことを教えてもらいます。
23分、ホールの支配人に手品師なら何か見せろと言われ、右手に10円玉を握り、開くと小銭が沢山出てきます。「他には?」と言われ、そこにあったスプーンでスプーン曲げをします。右掌にスプーンを伏せておき、曲がっていくように見せ、最後に折ります。支配人は非常に驚き、悦子という女性を助手に舞台でスプーン曲げを行うことになります。37分、具合の悪い悦子に変わって、警察にチンを引き取りに行くと、チンが10円玉でコイン・ロールをし、左手に握って消し、左肘から出すのを見て、チンは父親の正太郎で、悦子は自分を捨てて出て行った母親であることを知ります。46分、悦子が赤ん坊(晴夫)を身籠ったため、晴夫は正太郎と組んでぺぺとチンというインド人と中国人の異国人コンビで舞台に立ち、人気を博します。チェンジング・バッグから鳩を出し、ロープの首抜けをします。
52分、2人はテレビ進出を考え、「輝け!!スター大合戦」の第1次オーディションに出ます。会場では腹話術師が出ています。ペペとチンはコイン・ロールをしながら出番を待ちます。舞台ではロープの首抜けを演じ、好評を博します。悦子は安産祈願に行った神社で倒れて病院へ運ばれ、出産したら命が危ないと医者に言われます。轟は正太郎から悦子が死ぬかもしれないことを聞き、自分を捨てて出て行ったのではないことを知り、堕ろすように説得しますが、悦子の決意は変わりません。轟は神社で歩きながらコイン・ロールをしていて落としてしまい、悦子が書いた絵馬を見つけます。ペペとチンのコンビは解消し、正太郎はラブ・ホテルの清掃員になります。轟はのぶきちに、ダブル・ターン・ノーバーで、へのへのもへじが書かれたスペードの2を示し、裏向きにしてトップ・カードをデックの中程に入れてもトップに上がってくるアンビシャス・カードを見せます。年が明け、史実ではユリ・ゲラーが1974年2月25日にテレビ出演します。81分、悦子は出産で苦しむ最中に、最終オーディションには轟がひとりで舞台に立ちます。ケーンに火を着けフラッシュ・ペーパーを燃やし、袖から鳩を投げます。
手袋を脱いで鳩を出し、分裂させて2羽にします。バニシング・バード・ゲージ、衣装チェンジ(衣装が変化前と後がどちらも黒なので、差が分かりにくいです)、フラッシュ・ペーパーを燃やしてシガレットを取り出し、火を着けたシガレットをハンカチのくぼみに押し込んでサム・チップで消します。2本のリンキング・リング、パスパス・ボトルで、最終的にボトルを6本に増やします。最後はフローティング・ローズで、紙で作ったバラが体の周りを浮遊し、床に落ちて、再び浮遊し、燃やして本物のバラにします。そこで雷が鳴り、轟は消えて舞台にはバラだけが残ります。そして現世に戻りますが...。
手品シーンは全て本人がやっているそうで、実際にそう見え、かなり上手いです。又、カメラの死角を利用して不思議に見せています。マジックも沢山出てきますし、映画の出来としても悪くありませんので、お勧めします。
舞台挨拶。このイリュージョンは劇中には出てきません。
タイミング良く、第55、56回で紹介した「いぬ」「007カジノロワイヤル」が放送されます。
9月2日 7時~ 「トリック’03」①~④ テレ朝チャンネル2
9月3日 7時~ 「トリック’03」⑤~⑧ テレ朝チャンネル2
9月4日 7時~ 「トリック’03」⑨~⑩ テレ朝チャンネル2
9月5日 20時40分~ 「007消されたライセンス」 スターチャンネル
9月6日 6時~ 「いぬ」 スターチャンネル
9月7日 12時~ 「探偵!ナイトスクープ」 TVK
9月9日 7時~ 「007カジノロワイヤル」(2006版) スターチャンネル
9月14日 17時~ 「TRICK劇場版」 WOWOプラス
9月14日 19時15分~ 「TRICK劇場版2」 WOWOプラス
9月14日 21時15分~ 「TRICK劇場版 霊能力者バトルロワイヤル」 WOWOプラス
9月14日 23時30分~ 「TRICK劇場版 ラストステージ」 WOWOプラス
9月22日 14時10分~ 「007消されたライセンス」 スターチャンネル
9月24日 0時10分~ 「007カジノロワイヤル」(2006版) スターチャンネル
9月24日 4時45分~ 「スティング」 スターチャンネル
9月25日 10時~ 「トリック’02」① テレ朝チャンネル2
9月25日 18時10分~ 「007消されたライセンス」 スターチャンネル
9月26日 7時~ 「トリック」②~⑤ テレ朝チャンネル2
9月27日 7時~ 「トリック」⑥~⑨ テレ朝チャンネル2
9月30日 9時00分~ 「007消されたライセンス」 スターチャンネル
9月30日 20時45分~ 「TRICK劇場版」 WOWOプラス
9月30日 23時00分~ 「TRICK劇場版2」 WOWOプラス
10月1日 1時~ 「TRICK劇場版 霊能力者バトルロワイヤル」 WOWOプラス
10月1日 3時15分~ 「TRICK劇場版 ラストステージ」 WOWOプラス
10月3日 7時15分~ 「いぬ」 スターチャンネル
10月19日 9時20分~ 「007消されたライセンス」 スターチャンネル
10月27日 3時~ 「いぬ」 スターチャンネル
次回も大泉洋主演の「恋は雨上がりのように」です。