まずは、最近見たマジック・ショーの話から。9月14日は浅草九劇で渋谷駿の「幻想奇術空間シンビーボックス 黒いメルヒェン つむじ風街の月光楼」(\4,500)に行きました。前回の「マジックライブ2023オーバーラップ」とは違い、今回はプロの演出家が入ったことで、その点が格段に向上しました。目玉の4つ玉は、寺山修司の「たった一つの嫁入り道具の仏壇を義眼のうつるまで磨くなり」から着想を得た演目。他には「眠り姫」「不思議の国のアリス」「人魚姫」などをモチーフにした演技で、黒色すみれによる演奏と歌も雰囲気に合っていました。残念だったのは、演出はレベル・アップしましたが、マジックの部分は定番のものを演じているので、テーマに合わせられていないということです。関東で催しがあれば必ず見に行くようにしている推しのマジシャンなので、今後の成長に期待しましょう。
では本題に。一応、予告編を上げますが見るつもりの人は、予告編も見ない方がいいでしょう。Amazonプライムで見られます。
原題:The Sixth Sense
監督:M. Night Shyamalan
脚本:M. Night Shyamalan
出演:Bruce Willis(Malcolm Crowe), Haley Joel Osment(Cole Sear), Olivia Williams(Anna Crowe)
製作:ハリウッド・ピクチャーズ、他
配給:東宝東和
上映時間:107分
公開:1999年
製作国:アメリカ
この映画はトリックや伏線が凄いと言われていますが、ヒューマン・ドラマとしても良く出来ていると思います(因みに、人が映画や小説で感動するのは、罪悪感の解消だと岡田斗司夫が言っていました。誰しもが心の中に持っている罪悪感を映画なり物語が、それでいいと肯定してくれるから感動するのだそうです。ですので、罪悪感を感じたことのない幼児は感動しないとのことです)。同様のトリックであれば、それ以前にゾンビ映画でもありましたが、この映画が評価されているのは、単なるビックリ箱だけではないことによります。ホラー映画でもありますが、それがメインではないので、ちょっとでも怖いものは見られないという人以外にはお勧めします。
精神科医のマルコムが、みんなから阻害され、虐められている少年、コールのカウンセリングをするという話です。これ以上、ストーリーについては触れずに、マジック・シーンのみ解説します。38分、カウンセリングをするマルコムはコールの気を引こうと、いんちきコイン・マジックを見せます。コインを取り出し、左手に握ります。コインは右手に移り、ポケットに移り、再び、左手に戻ると言い、左手を開いてコインを見せます。コインズ・アクロスなどで「手から手へコインが移動しました。難しいのは、元の手に戻すことです」と言って、移動したことを見せずに最初にコインを持っていた手を開いてコインを見せるというギャグと同様です。その後、41分、コールがそれを真似て同級生に見せるシーンが出てきます。マルコムが演じるのを見た時はくだらないと言っていたのに、それを友達に見せると言うことは、コールがマルコムに少し心を開いたということを現しています。
見る場合のポイントを挙げておくと、注意するのは、赤い色の意味と気温です。
次回はオーソン・ウェルズがコイン・マジックを披露する「オーソン・ウェルズのフェイク」です。
以下は、今月のザ・シネマで放送されるお勧め映画です(手品は出てきません)。
「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」
トマトが襲ってくるという、くだらなすぎてカルト的な人気を誇るSF? 映画です。
「ラスト・シューティスト」
ジョン・ウェインが癌で余命いくばくもない中で出演した最後の名作。若い頃に出演した映画の映像も挿入し、西部劇スターとして生きてきたジョン・ウェインの姿がオーバー・ラップします。
10月4日 14時30分~ 「爆笑!!世界おもしろマジック PARTIII」 BSよしもと
10月5日 11時~ 「不思議?びっくり!爆笑 マジックパーティー」 BSよしもと
10月8日 10時~ 「不思議?びっくり!爆笑 マジックパーティー」再 BSよしもと