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コラム

第76回 フーディーニ&ドイルの怪事件ファイル 謎解きの作法 第1話 亡霊殺人(2025.1/17 up)

1月12日から始まったバカリズム脚本の「ホットスポット」で、角田晃広演じる高橋孝介が、自分は宇宙人だと証明するために10円玉を指先で曲げてみせます。

マジック・ショップで手で曲げられる1円玉を買い、引き出しに入れてあったことを思い出し、探してみたらボロボロになっていました。

では、本題に入りましょう。予告編から。

『フーディーニ&ドイルの怪事件ファイル 謎解きの作法 第1話 亡霊殺人』

フーディーニ&ドイルの怪事件ファイル

原題:Houdini & Doyle
監督:Stephen Hopkins
出演:Michael Weston(Harry Houdini), Stephen Mangan(Arthur Conan Doyle), Rebecca Liddiard(Adelaide Stratton), Tim McInnerny (Horace Merring)
Escape & Magic Consultants:Danny Hunt, Stephanie Clark
シーズン数:1
話数:10
製作:fox(アメリカ)、ITV(イギリス)、global(カナダ)
放送:2016年3月13日(イギリス)

2016年にイギリス、アメリカ、カナダで放送された探偵物のテレビ・ドラマで、第1シーズン(10話)で打ち切りになりました。

アメリカの奇術師ハリー・フーディーニとイギリスの作家であり医師のアーサー・コナン・ドイルが組んで、数々の奇妙な事件を解決していく1話完結型のドラマです。実在のコナン・ドイルは降霊術に傾倒しており(ドイルが心霊術に深くのめり込んだのは、実際には第一次世界大戦以降と言われています)、それに対して、フーディーニは前回紹介した「奇術師フーディーニ ~妖しき幻想~」で描かれたように、亡くなった母との交信を求め死後の世界を信じたいと思ってはいますが、奇術師としてのさがからか、インチキ霊媒師のトリックを次々と暴いていました。

舞台はドイルが「最後の事件」においてシャーロック・ホームズを殺し(その後、復活)、「大ボーア戦争」を出版した後の1901年のロンドンで、アメリカからは現実主義の脱出王、ハリー・フーディーニが巡業でやってきます。相反する2人は対立しあいながらも(何かにつけて賭けをします)、女性初のスコットランドヤード巡査であるアデレード・ストラットンと共に、心霊現象や宇宙人の仕業とされる怪事件を解決していくというのが、軸となるストーリーです。ドイルが医学的知識を用い、霊媒師にアドバイスを求めれば、フーディーニはあくまでホームズのように合理的に推理を進めます(パーティでは生きている母親が出て来ますので、まだ死後の世界には傾倒していません)。事件は解決されなければならないので、最後には一応、合理的な説明がされますが、適当に流された謎もあり、もやもやした感じが残ります。主役はフーディーニの方で、フーディーニの推理がだいたい正しいことで終わり、又、奇術のテクニックを使って、事件の糸口を掴むシーンも出て来ます。

第1話「亡霊殺人」 The Maggie's Redress

冒頭、未婚の母が働く“マグダレン洗濯所”でシスターが殺害され、事件の目撃者であるシスター ウィニーは洗濯場で働いていたルーシーを見たと証言します。ルーシーは殺害されたシスターに虐められており、恨みによる犯行に違いないと断言しますが、実はルーシーは6ヵ月も前に死んでいるのです。続いて、フーディーニのショーのシーンになり、水槽脱出を行います。舞台袖で事件の新聞を見たフーディーニはスコットランドヤードへ赴き、超常現象のアドバイザーとして来ていたドイルと会います。そして2人と、スコットランドヤードのアデレード・ストラットン巡査とで事件を捜査することになります。10分、被害者は鍵の掛かった部屋で殺されており、フーディーニはクリップで錠を開けてみせます。物語終盤44分、フーディーニの掌にコインがあり、手を握って開くと消えています(編集によるトリック)。それに合わせてドイルは、「人は都合のいいように物を見る」と言いますが、そのトリックは事件の説明になっていないように見えます。

多様性の時代ということで、黒人が主人公の話を白人が演じたりすると批判の対象となります(昔は「オルフェ」「黒いオルフェ」という映画があるように、いちいち気にしなくてもいいと思いますが?それに白人が主役の方が興業成績は奮うはずなのでしかたがないのでは?別の例で言うと、サッカーのワールドカップで男女の賞金を同じにすべきだと言ったって、女子の方の試合を見たがる人は圧倒的に少ないわけであって、人気を無視した賞金額にすると放映権料が上がって、地上波テレビでは放送できなくなり、結果的に更に見なくなってしまうわけです)。又、2000年以降の西部劇には黒人のガンマンが普通に出てくるようになり、このドラマでも黒人のシスターが出て来ますが、実際にはどの程度、そういう人がいたのでしょう?偏らないように、世界的に配給できるように、批判を浴びないようにという配慮でしょうが、逆にどこまで史実と異なる内容にしてよいものでしょうか?1900年前後は婦人参政権運動の時代で、女性の巡査が出て来てもいいのですが、それに関係する登場人物の描き方はいかにもステレオタイプで、面白みがありません。街中のロケや衣装、小道具はしっかりしており、日本のドラマと違ってお金がかかっているようには見えます。Amazonプライムをやっている人は、第1話だけ無料で見られるので試しにどうぞ(他は1話¥200~)。

2話以降も、不思議な事件が起きると2人+巡査で事件に取り組むことになります。まだまだフーディーニ関係の作品は続きます。


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