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コラム

第21回 シェイド(2023.12/22 up)

「よしのギミック」という所謂、“第3の手”というギミックをご存じですよね?今回は新しい、よしのギミックの使い方の動画を紹介しましょう。

どうです?ハンガーだけでなく、剣を持たせることもできるのです!しっかりと挟めるようにした作りからして、この動画で使われているのはオリジナルのよしのギミックであるか、それから型を取ったコピー品であることは間違いないでしょう。では、本題へ。まずは予告編から。

『シェイド』

シェイド

原題:Shade
監督:Damian Nieman
製作:Chris Hammond、他
出演:Stuart Townsend(Vernon), Gabriel Byrne(Charlie Miller), Thandiwe "Thandie" Newton(Tiffany), Jamie Foxx(Larry Jennings), Sylvester Enzio Stallone(Dean "The Dean" Stevens), Hal Holbrook(Professor), Earl Nelson(Earl), Jason England(Card Player #2)
テクニカル・アドバイザー:Earl Nelson, Paul Wilson
配給:ディメンション・フィルムズ
公開:2003年
上映時間:95分
製作国:アメリカ

ギャンブラーたちが大金を得るために騙し合うという、コン・ゲームの映画です。冒頭、アタッシュ・ケースを開けると「The Expert at the Card Table」やバイシクル、タリホー、ビーなどの各種プレイング・カード、そしてホールド・アウトが入っているのが映ります。ティファニーはガソリンスタンドでトイレを借り、出てきたところで指輪を落としてしまいます。店員に大事な指輪なので見つけられたら1,000ドル払うと言い、車で去ります。直後、ホームレスが指輪を拾う姿を店員は目撃し、ホームレスに金を渡し、指輪を受け取ります。実はそのホームレスはティファニーとぐるのミラーで、いつまで待っていても指輪を取りに来ることはないのです。コラム第7回で紹介した「月なきみそらの天坊一座」でも似たような詐欺がありました。タイトル・バックで様々なカードによるギャンブル・テクニックが披露されます。下記映像では頭の部分 (ボトムから2~5枚目に4枚のAが表向きであり、その状態でカードを配っていき、ボトム・ディールで自分のところに表向きのAを配る) が切れています。

5枚のカードがロイヤル・ストレート・フラッシュに変化するのは、Zappedという売りネタです。私はジョン・コーネリアスが初来日した時に買いましたが、4,000~5,000円しました。今は1,000円ぐらいで買えます。

12分、カジノのブラック・ジャックのテーブルで、トラブルが起きて監視の目がそれた瞬間にデック・スイッチが行われます。男に女が寄り添い、女が右手で男の懐からデックを積み重ねたスタック(5デック?)をテーブルに出し、同時に男は右手でテーブルのスタックを取り上げて懐に仕舞います。ティファニーとミラーは、ディーラーをやっていたヴァーノンとギャンブラーであるジェニングスを仲間に引き入れます。14分、ヴァーノンは自分の腕を見せるために、4枚のAをデックにバラバラに入れ、リフル・シャッフルとランニング・カットを数回行った後、トップからAを出します。本人がやっており、かなり上手いです。23分、高級クラブでのポーカーのシーンでギャンブラーの一人として、テクニカル・アドバイザーのポール・ウィルソンがカメオ出演しています。

使っているカードは赤裏のタリホー。ヴァーノンがシャッフルし、仲間であるジェニングスがブレークのところでカットします。その後、ジェニングスのところに10のフォー・カードが来て、勝てると思って大金を賭けますが、相手はJのフォー・カードで、負けてしまいます。実はミラーやヴァーノンらがみんなでジェニングスを騙しており、それを示すために、37分、回想シーンでカットしながらのデック・スイッチが出てきます(実演しているのはポール・ウィルソン)。56分、車で坂を上りマジック・キャッスルに行きます。ヴァーノンは以前、そこに入り浸っていました。フクロウにオープン・セサミと言い、中へ入ります。本当のキャッスル内がかなり出てきます。57分、最後の対決相手のディーンは、ホテルの一室でカードの練習(赤裏のビー)やホールド・アウトの確認をします。58分、キャッスルでプロフェッサーの向かい、左に座っているのがジェイソン・イングランドで、右に座っているのはアール・ネルソンでシャーリア・パスをします。60分、その後、ヴァーノンはプロフェッサーとテーブルで話しますが、背後にはダイ・バーノンの、あの有名なデックと葉巻を手に持っている写真が飾られています。プロフェッサーはテーブルにあったハートKを手で隠し、持ち上げるとスペードAになっています。71分、ヴァーノンとディーンは「シンシナティキッド」でも登場したスタッド・ポーカーで勝負します。休憩時間にディーンがマークド・カードを使っていることに気がつき、次の勝負でヴァーノンはデック・スイッチを行います。そしてマークを別のマークにしておくことでディーンを欺き、勝とうとしますが、ディーンの方が上手で、負けてしまいますが...。

監督、脚本のダミアン・ニーマンはこれがデビュー作です。マジックキャッスルに出入りしていたそうで、その頃からの繋がりで撮影協力が得られたのかもしれません(ギャンブルの話なので舞台はラスベガスの方がよいはずですが、最初はラスベガス、その後、ロスに移るのはキャッスルを出したかったからでしょう)。その後、何か監督したかといった情報は得られませんでした。登場人物の名前にヴァーノン、チャーリー・ミラー、ラリー・ジェニングス、マックス・マリーニ、マルロー、スカーニ、プロフェッサーといった有名なマジシャンの名前を起用したのは、脚本も書いた当人の趣味でしょう。エンディングでは、Second Unit Directorとしてポール・ウィルソンの名が出ます。有名なスターを起用し、大風呂敷を広げていますが、冒頭の指輪を使ったケチな詐欺、偽のクラブのセットを組んでエキストラも雇って得られるのが8万ドルではスケールが小さく感じます。又、金を得るために臓器売買をしたり、騙された人がそれが原因で殺されてしまったりとスマートさに欠けるため、予想外の展開にやられた!と言った爽快感がありません。勝負シーンも緊張感が感じられず、どんでん返しもありきたりです。シルベスター・スタローンは伝説の賭博師という役回りですが、脳味噌まで筋肉、手先も器用な印象はないので、誰もがミスキャストだと思うでしょう。従って、この映画は、キャッスルやギャンブル・テクニックや有名なマジシャンがどこに出てくるかを探して楽しむのがよいでしょう。

「シェイド」のメイキング映像です。

次回も賭博のディーラーが主人公の映画「黄金の腕」です。

トピック

放送予定のマジック関係の番組です。

12月21日11時~ 「COOL JAPAN マジック」(再) NHK BS

12月25日0時~ 「超絶神業!マジックバトル 選 2022 師走の決戦」 NHK

12月25日1時13分~ 「超絶神業!マジックバトル 選 春の陣 完全版」 NHK

12月25日2時14分~ 「超絶神業!マジックバトル 選 冬の陣」 NHK

12月25日23時50分~ 「趣味どきっ!選 Mr.マリックの誰でもマジック」8回連続 NHK

1月5日13時30分~ 「天国から来たチャンピオン」 ムービープラス

1月21日10時~ 「リオブラボー」 ザ・シネマ


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