クラシックの作品をレギュラーデックで演じているため、特別インパクトの強い作品ではありませんが、よくまとまっていると思います。
「3/4の談話」と「最後の訪問者」が特にいいです。3/4の談話はエースオープナーとして私は多用してます。この原理は大胆でありながら、一般の人はまず見破れません。簡単で効果のあるトリックで、初めて知った時感心しました。しかも誰でもすぐに演じられます。
最後の訪問者はレギュラーデックで準備もいらず演じられる移動現象です。簡単ではないですが、手順が合理的で説得力もあり、優れた作品です。
「リバウンド・クィーンズ」は面白いですし、解説を聞いた時は水面下でやっている仕事の細やかさに驚きました。ですがやや難しく、またクイーンが消える部分が説得力の弱いため、自分では演じてません。。
他の「スリーカード・トリック 2003」「荒川カルテット」もそこそこのウケをとるなら、なんとかなりますが、本当の魔法のように見せるには相当な修練が必要です。リバウンド・クィーンズを含め、この種の作品は、スピーディーに流れるように演じないと通じません。これをサラッと演じて、大きな反応が得られる人はすごいなと思います。トリックカードでもっとクリーンに、そして易しく演じられる作品が多い中、これらクラシックの実用性はなかなか難しい問題だと思います。
以上の理由で超おすすめではないですが、カード捌きの練習には最適で、良質な内容であることは間違いありません。