メンタルエフェクト編成の天才、長谷和幸がお送りするクリエーション・シリーズの第3弾。今作も研ぎ澄まされた方法で、疑う余地のない不思議を見せてくれます。
発想の多様性・意外性には毎度ながら驚かされるでしょう。思いも寄らない手段や原理を使います。これが現象に完全に溶け込み、観る者に手がかりを与えません。マジシャンでもひっかかります。
今作にはブックテストが3題収録されており、それぞれ全く違うアプローチで、非常にスマートに解決しています。いずれもブックテストのニュースタンダードになり得る方法です。メンタル好きの方は見逃せません。もちろん他のトリックも秀逸。長谷和幸の魅力全開の1本です。
イフ・シックス・ワズ・ナイン
カードを1枚選んでもらいます。ハートの9です。デックに戻してまぜた後、「これですか?」とマジシャンがめくったのはハートの6。向きが逆だったと言いクルリとまわせばアラ不思議。ハートの9に変わります。ここで使われる長谷和幸オリジナルのカラー・チェンジは他に類を見ないほど鮮やかです。カーディシャン必見。
フラッシュ・ピーク
黒いアクリル板に挟んだ名刺を透視します。別目的で考案された藤原邦恭のギミックを、全く違ったエフェクトに利用。この発想の転換は見事です。
サルラック
はがき(またはペーパーナイフやしおり)を観客に手渡し、本の好きなところに差し込んでもらいます。そのページが予言されています。ノーギミックでの演技を可能にした素晴らしいアイディアに脱帽してください。
ブレーンストーム
マジシャンから見えないように好きなページから本を開いてもらいます。そしてそこに書かれている内容を言い当てます。パーフェクトなブックテスト。まさかと思うところにタネがあります。完全に盲点です。
プロスペローの本
2種類のマンガ本、1冊目(どちらでも可)の本でページ数を決め、もう片方の本からそのページにある絵を読みとります。巧妙なクラシックトリックに、巧妙な新原理を組み込み、非の打ち所ない作品に仕立てています
フラグメンタル
新聞紙または小冊子からページ数が書かれているコーナーをまとめて破り取ります。完全に観客の意志で、破片を絞り込んでいき、最終的に2片の残します。2つページ数を合計した数がズバリ予言されています。準備無しでできる即席セルフワーキングトリック。なんともきれいなメカニズムです。
メガフォース
観客にデックをよくまぜてもらい、さらに裏と表とでまぜてもらいます。ここで全く自由に数字を言ってもらいます。その枚数目にあるカードが、なんと向きまで合わせてズバリ予言されているのです。セット無しのレギュラーデックできます。賢さが際立つ作品です。