「おもちゃ箱」
子供の頃、ワクワクしながら覗きませんでしたか?
「とりっくBOX」という名は、そのワクワクする気持ちをマジックの本でも感じて欲しいという思いから付けられました。
この本はマジシャンらによる寄稿作品からなります。1990年代前半に発行されたのに、今見ても新鮮。オリジナリティーの高さに驚くことでしょう。あのアンダーグラウンドマジシャンの作品や、後に定番となった作品なども収録されています。編者の願い通り、とても魅力的な内容です。
知的好奇心を満たし、そして創作意欲を刺激する「とりっくBOX」。マニアには本当にオススメです。あなたもマジックの「おもちゃ箱」を覗いてみて下さい。
※残念ながら2、5、7巻は絶版となりました。残りの巻も在庫限りで再版はされません。
【トリックス・スタッフ特集】
- ■フェニックス・ビル - 赤沼敏夫
- お札の中央を白紙で覆い、2つに折って中央部よりナイフで突き刺します。ナイフがお札と白紙に突き刺さっているのを観客に確認してもらいます。ナイフを取り白紙をどけてみると、お札には傷ひとつないのです。
- ■飛行するクリップ - 新城奏一
- 2つ折りにした細長い紙のテープを示します。このテープは一方が長く、もう一方が短くなっています。このテープを巻いていき、長い方の端にクリップをとめます。それから、テープを広げると、いつの間にかクリップは短い方の端に移っています。
- ■THE DAKKAN(奪還) - 片倉雄一
- 荒井晋一の「フェイドアウトエーセス」のバリエーション。「4人の村人(A)を1人ずつ宇宙人(J)に洗脳されてゆき、最後の1人が洗脳されたふりをして実は仲間を助けだしてくる」というSF調のストーリーで演じる事もできます。
- ■エメラルドエーセス・プラス・アルファ - 川井義之
- マジシャンがデックをリフルし、観客にストップと言ってもらとそこからAが出てきます。これを4回繰り返し、4枚のAを揃えます。それから、Aをデックに戻し、観客に1枚のカードを選んでもらいます。観客のカードをデックに戻して広げると、5のカードが1枚だけ表を向いています。その次のカードから5枚配ると、見事観客のカードです。さらに、配った他の4枚のカードを見ると、全てAなのです。
- ■CHINESE SPELLBOUND - 中村和義
- ハーフダラーのギミックコインとレギュラーチャイニーズコインによるスペルバウンド。途中、手を改められるように工夫されています。最後はハーフダラーがジャンボコインに変化します。
- ■スリーウェイ・コイン・アセンブリー・アンド・リバース - 西口竜太
- 4枚のコインと2枚のカードでコインアセンブリーをします。4枚のコインが1カ所に集まり、それから、1枚ずつ元の場所に戻っていきます。
- ■THREE COINS ROUTINE - 渡部斉
- 3枚のコインが1枚ずつ消えてゆき、気が付くといつのまにか全てのコインが元に戻っています。
- ■スローモーション・カラーチェンジング・ウォンド - 南部信昭
- ウォンドのカラー・チェンジ。変化の途中を見せることができるのに、ウォンドは1本しか使いません。
【横浜マジカルグループ特集】
- ■河童 - 榊原茂
- ユーモラスなパケットトリック。河童のカードが甲羅のカードに変わり、その裏から甲羅を外して背中を洗っている河童の絵が現れます。
- ■ダーツホルダー - 植木將一
- 投げ花(ダーツ)を安全に保持し、出現がスムーズで処理の楽なホルダーです。
- ■ザ・転写 - 佐々木節夫
- ワイルドカードのバリエーション。1枚ずつカードが変化していくワイルドカードを、これは一度に変化させます。
- ■カップの出現と貫通 - 榊原茂
- よく改めた布の4隅をまとめて持ち、中からワイングラスを取り出します。さらに、布を改め4隅を持ち、その中にグラスを入れます。すると、布の底からグラスが突き抜けて出てきます。
- ■奇異 - 吉田靖
- 観客Aに掛けた手錠の鍵を観客Bが見事当てます。
- ■ESPプレディクト - 植木將一
- 封筒の中に6種類のESPが書かれた紙が入っています。観客に見えないダイスを振ってもらい、封筒から紙を取り出します。ダイスの目が示すマークが実は予言されていたのです。
【マジック・フォーラム特集】
- ■ユニバーサルコイン - 綿田 敏孝
- 「ユニバーサルコイン」と称する円盤を観客に示します。この円盤が銀貨、銅貨、チャイニーズコインの影響をうけ、それぞれのコインに変化します。
- ■OASHI! - 三好良
- 洒落たパケットトリック。白いカード3枚と、お札の絵が描かれたカード1枚があります。お札のカードを観客に渡し、残りのカードをテーブルに置きます。観客がカードを見ると、お札の絵が消えています。テーブルに置いたカードの真ん中がお札のカードになっています。さらに、その両脇のカードの絵が羽根に変わっています。
- ■Return of the T.T.Switch - 高橋俊彦
- 右手でカードの表を示し、裏向きにしてテーブルに置きます。これだけの動作でカードをすり替えます。
- ■タンバリンのネタ取り - 浅井精治
- タネのスチールに透明の捨てバックを使う方法。
- ■It's MINE - 藤原良雄
- マジシャンと観客で反射神経を競うという演出のカード当て。観客の選んだカードをデックに戻し混ぜます。そして、お札を出しテーブルに置きます。デックのトップからカードを表向きで1枚ずつ置いていくので、出てきたらどちらが早くお札を取れるかと言います。マジシャンはカードを置いていきますが、観客のカードが出てきません。予めテーブルに置いていたジョーカーの間からカードが出てき、マジシャンは観客より早くお札を取ります。
- ■ヒップ・トランスフォーメーション - 池田信彦
- 観客の選んだカードと予言が違いますが、予言の数字とマークがスローモーションのように観客の選んだカードに変化していきます。
- ■RING AND FOUR COINS - 小倉宏之
- 左手に握ったコインが1枚ずつ指輪をはめた右手に移ります。最後の1枚が飛び移った後に左手を見ると、なぜか右手にはまっていた指輪が握られています。
- ■シンパセティック・マインド - 松山光伸
- ギルブレス原理を応用したセルフワーキングマジック。表面に1文字ずつひらがなが書かれたカードを見せます。よく混ぜた後、観客とマジシャンはそれぞれ5枚ずつカードを選びます。そのカードを見てみると、観客のカードは「すきです!」となり、マジシャンのは「ぼくもです」となります。
- ■JAZZ INN - 栗田研
- 4枚のAと4枚のスポットカードを使ったエースアセンブリーの一種。最後は観客が予想していた所とは違う所にAが集まっています。
- ■1973~1978年のNYのマジック - 柳川幸重
- 当時のニューヨークのマジック事情について。デビッド・ロスやソル・ストーンと出会った時のエピソードもあります。
【荒井晋一特集】
- ■私の名刺
- ダブルフェイスの名刺を使った面白いパケットトリック。名刺に書いた○、△、☆、×のマークが消えたり出てきたりします。現象がシンプルで面白く、名刺交換の際にコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
- ■悪魔の名刺
- 観客が選んだESPマークが、マジシャンの名刺に見事予言されています。
- ■ワイルドカード
- 名刺に書き込んだマークが次々と写っていきます。観客には即席に見えるのが良いです。
- ■小切手
- 名刺の束から1枚の名刺を取り出し、その名刺にサインペンで¥10,000と書きます。その名刺を、残りの束の上に載せると、1万円札が出現します。名刺を見ると、先程書き込んだ¥10,000の文字が消えています。名刺とお金のナイスコンビネーション。確実に受けます。
- ■方向転換
- 2枚の名刺の向きが一瞬にして変わります。
- ■トランスポジション
- ハーフダラーと10円玉がイングリッシュペニーとクォーターに変化します。それから、観客にクォーターを握ってもらい、マジシャンはペニーを持ちます。ペニーを撫でるとクォーターに変わり、観客の手の中のコインは10円玉に変わります。
- ■フライングESP
- 観客のカードをデックに戻し、よく混ぜます。それから、ESPのマークが描かれたカードを取り出し、観客に好きなマークを選んでもらいます。観客が選んだマークが消え、デックの中の2枚のカードにうつってしまいます。さらに、その2枚のカードの間には観客のカードが挟まっています。
- ■選ばれた予言
- 観客が自由に選んだ封筒の中のESPとカードが予言と見事一致しています。
- ■星は何でも知っている
- 笑いと不思議さの両方を持った傑作。ESPのマークのカードから、観客が自由に選んだマークが思いもよらない方法で見事に予言されています。
- ■ESPアセンブリー
- 4枚のAと12枚のESPカードを使ったマニアックなフォーエース。エースが4枚集まった後で、ESPカードもそれぞれマークごとに集まってしまいます。