クロースアップマジシャン必読の理論書が和訳されました。
アスカニオと言えばアスカニオスプレッドで有名ですが、マジック理論を確立したことでも高く評価されています。どこまでも深い彼の洞察は、タマリッツをはじめスペインのマジシャンに多大な影響を与えました。スペインが現在、クロースアップの最高峰と言われるのもアスカニオの功績が大きく、アスカニオは「スペインクロースアップマジックの父」とも呼ばれています。
アスカニオの死後、弟子のエチェベリはアスカニオに関する資料を可能な限り集め、思想やセオリーに関するものを一冊にまとめました。それが本書というわけです。スペインはもとより世界中で、マジックを学ぶ上で最も重要な本のひとつに挙げらています。
FISMチャンピオン、ヘルダー・ギマレスは、どうしたらそんなに素晴らしいマジックができるのかという問いに、1にも2にも3にもこの本を読めと答えています。
実はその質問をしたのが訳者の田代茂で、それを聞いて翻訳を決意したそうです。翻訳作業中、彼はほぼ毎日エチェベリとメール交換し、内容について確かめ合いました。おかげで原文に忠実で読みやすい日本語訳に仕上がっています。
高いと感じるかも知れませんが、トリックを100個覚えるよりも価値のあるものが得られます。マジックをやっていく上での土台を築いてくれる一冊です。
【推薦文】
本書は、クロースアップ・マジックを専門とされるアスカニオの緻密な理論が実にわかりやすく解説されています。しかしその内容は、かつて日本のプロ・マジシャンが弟子に述べ伝えてきた内容に相通ずるものがあると、私は感じました。ステージ、クロースアップを問わず、マジックの本質を学びたいと思われている全ての皆さんにとって、本書が間違いなく『必読書』であることは、この私が保証致します。
渚晴彦
アスカニオの和訳刊行は、その国のマジックの成熟度を意味します。大事業を成した田代茂氏に乾杯!
藤山新太郎
マジックをより不思議に、より劇的に見せる演じ方、構成方法とは? 個々のトリックを離れて全体を見渡す、マジックに関する本質的な構成原理をアスカニオが詳細に考察、解説した全マジシャン必読の基本図書。(タマリッツを始め、スペインのマジシャン達の考え方、そしてその情熱を垣間見ることが出来ます)。
二川滋夫
あの巧妙極まるスペインマジックは私の憧れです。その源流であるアスカニオが日本語で学べるようになるなんて、こんなにうれしい事はありません。アスカニオの緻密で鋭い考察は多くのマジシャンにクオリティをもたらしてきました。マジックを高めたいなら読むしかないでしょう。そして、タマリッツとの対談がたっぷり収録されているところもまたこの本の大きな魅力です。理論派のアスカニオと実践派のタマリッツ、二人の熱い議論はこの上なく示唆に富む内容になっています。座右の書にふさわしい一冊です。
ポン太 the スミス
トリックを知る機会は星の数ほどありますが、マジックをどのように高めていくのかについて知る機会はなかなかありません。『アスカニオのマジック』は私にとってまさにオアシス。トリックの解説が一つもないこの本に、千のトリックを超える価値を感じました。これはレパートリーを増やすための本ではなく、レパートリーの全てを、そして我々マジシャン自身を確実に高めるための本、究極の理論書です。
桂川新平
子供には魚を与えるのではなく魚を釣る方法を教えよ、と言います。自ら学び、自ら上達する。アスカニオのそんな姿勢が情熱的に語られる本書は、マジックとともに人生を歩む私達にとって、心強いガイドとなるでしょう。
大原正樹
今まで演技する上でもやもやしていた部分が、1ページめくるごとに徐々に晴れていく感覚です。早く読み終わりたいという感情と、ずっと読み続けたいという2つの感情が芽生えています。こんな気持ちはターベル・コース以来かも知れません。
野島伸幸
アスカニオ氏の思索は広範囲で、簡単に全てを理解できる
という本ではありません。これは、何度も読み返すべき本です。どのトピックも、示唆に富んでいて、それぞれに貴重な教えが含まれています。考えさせられ、自分のマジックを高めていく地道な作業を勇気づけてくれる言葉が、最初から最後までぎっしりです。
下村知行