ベンジャミン・アールのカードマジック作品集『Past Midnight』の日本語字幕版です。
2008年にリリースされたオリジナル版は、無名のマジシャンがリリースしたDVDにもかかわらず、その革新的内容で異例の好セールスを記録し、ベンジャミン・アールの名をマジック界に轟かせました。
待望の日本語字幕版は、3巻に分けてリリースされます。
1巻のテーマはコマーシャルです。発表だけの目的で作られた机上の作品ではなく、実際に演じるために生み出された実践的でウケの良い手順が収録されています。
彼の紡ぎだすテクニックとルーティンは、共通して経済的です。煩雑さのないスマートな解法は大きな財産となるでしょう。独創的で有用なアイディアに触発されてください。
- コレクター1、コレクター2
- ラリー・ジェニングスの「コレクター」をビジュアルにアレンジ。一瞬でエース4枚の間に観客のカードがはさまります。
- オープン・トライアンフ
- ダイ・バーノンの「トライアンフ」を、観客が自由に言った1枚で演じます。
- エース・アセンブリ
- 4箇所に置いたエースが、1箇所に集まります。
- シェード・オブ・ホフジンザー
- ホフジンザー・プロブレムを現代風に解決。非常にクリーンな解決法に感動するはず。
- プロフェシー・シフト
- 自由に分けたところのカードが偶然にも一致。3組のメイトカードが揃います。
- ソフト・スプレッド・プロダクション
- おまじないをかけると、観客の選んだカードと同じ数字のカードがデックをスプレッドするたびに1枚ずつ表向きになって現れます。広く応用できるアイディア。
- ストローク・チェンジ
- 指先でなでるだけで変化するカラーチェンジ。
- ポップ・オーバー・ムーブ
- カットしてカードを1枚飛び出させるテクニック。
- ルース・ダブルリフト
- 指先で行う新しいタイプのダブルリフト。
- ストリームライン・コントロール
- 何気ない動作で行う複数枚のカード・コントロール。
- サイド・ファロー・フォールス・シャフル
- ファロー・シャフルを使ったフォールス・シャフル。
- クリスバックグリーンホフ&シビル・ショー、コリバーゲン、アストン
- ベンジャミン・アールのオリジナルフラリッシュ3選。
- フル・スート・プロダクション
- 適当なマークを1つ選び、スピーディーにAからKまで取り出します。
2巻のテーマはギャンブリングです。実用的なギャンブリング・テクニックと不思議なギャンブリング・デモンストレーションが収録されています。
ギャンブリング・デモンストレーションは、ギャンブラーが使用する高度なイカサマテクニックを見せつけるものですが、ベンジャミン・アールは楽に済ませられるところはとことん楽に済ませます。
そこそこの技量でサラッと神業が見せられるので重宝します。細かいサトルティの積み重ねによって、嘘を真と信じこませるノウハウは、知らずにおくにはもったいないです。
彼のギャンブリング・デモンストレーションは、ただテクニックをひけらかすのではなく、メンタルエフェクトを取り入れるなどして工夫を凝らし、観客に不思議を提供するので、嫌味がなく楽しめます。
ギャンブリングに興味がない人にも見ていただきたい一本。他とは違った異色のギャンブリングから、多くを学んでください。
- サイコロジカル・テーブル・シャッフル
- 非常にシンプルなフォールス・リフル・シャフル。
- ブロークン・トンプソン・カット
- サトルティの効いたフォールス・カット。
- ミドル・スピン・カット
- デックの中央から任意のカードを打ち出すカード・ショット。
- ブラインドカット・テクニック
- アードネス・カットを元にした巧妙なフォールス・カット。
- 4Dディスカバリー
- カード・プロダクションとフォールス・カットの組み合わせ。
- プラックリー
- メンタルの要素を取り入れたポーカー・デモンストレーション。
- ソウ・バイ・ザ・ラグ
- チャド・ロングの「シャフリング・レッスン」を一般向けにアレンジ。
- リバーボート・ハーモニー
- サイ・ステビンスを応用したギャンブリング・デモンストレーション。
- ハウス・ルール
- ヒント無しで行う複数枚のカード当て。手順で使われているサトルティと複数のパケットに分けて行うフォールス・シャフルを解説。
- ボトム・ディール
- アードネス・ディールを元にした、自然なボトム・ディール。
- グレー・シャッフル
- 角度に強く自然なフォールス・リフル・シャフル。
- アードネス・プロダクションズ
- アードネス・カットを使ったプロダクション3種類。
- ワンハンド・シフト
- 片手で行う汎用性の高いシフト。
- ディスクレパンシー・スイッチ
- さりげない動作の中で行うパケットのスイッチ。
- パーム
- 片手で行う複数枚のボトム・パームや片手で行うセンター・スチールなど、便利なテクニックを解説。
3巻のテーマはサイコロジカルです。1巻2巻と指先のテクニックが目立ったベンジャミン・アールですが、観客の印象を操る心理テクニックも、それに負けていません。
動画をご覧ください。完全に相手の心を読み取っているようにみえませんか? ベンジャミン・アールは、この本物の超能力者にしかできないようなマインドリーディングを特殊な能力やギミックを使わずに可能にします。
彼が普通のマジシャンと違うのは、トリックで達成できる以上の不可能性を観客に認知させるところです。この巻では、心理学に精通する彼ならではのユニークなアプローチを見ることができます。他では学べない高度な印象操作は、マジックを本物の魔法に変えるものです。綿密なサイコロジカルテクニックを日本語でものにしてください。
- ラムジョロック
- 観客はカットした所のカードを覚えて、デックを何度も混ぜる。演者はその中からカードを探し当てる。
- スードゥ・ブレインウェーブ
- 観客にデックを渡して、覚えたカードをイメージしながらデックを広げてもらうと、観客のカードだけ中から表向きで出現する。
- メンタル・ボヤージュ
- 観客はデックを広げて1枚を覚える。演者はそのカードを当てるだけでなく、そこに至るまでの思考も読み取る。
- ソート・オブ・カード・イン・ポケット
- 観客が自由に言った1枚が、演者が最初にポケットに入れたカードと一致する。
- ルック・アウェイ・グリンプス
- 後ろを向いた状態で行う、非常に説得力のあるピークを3つ解説。
- SASフォース
- 無駄のない実用的なフォースを解説。
- イントゥイティブ・ポーカー
- ポーカーの手札を作るために、4枚はランダムにデックから取り、もう1枚は自由に想像してもらう。演者はこの5枚を当てていく。
- ツー・カード・トランスポ
- 10枚の中から1枚見て覚えてもらう。観客が見て覚えた1枚と演者が事前に抜いておいた1枚が入れ替わる。
- プレイング・ジ・オッズ
- 演者は一切デックに触れずして観客のカードが何枚目にあるかを言い当てる。さらに手札の役が何かも言い当てる。