世界に通用するカードマジックの作り方。
23歳でカードマジックの世界一に輝いたヘルダー・ギマラエスが、自身の創作術を公開します。本書には、彼がどのようにトリックを作り上げているのかが、150ページに渡り、詳細に記されています。
オリジナルマジックの発想法から、シナリオの構成、舞台の配置、観客のケアまで、マジックを生み出してから、それを効果的に演じ上げるまでの包括的なノウハウが詰め込まれています。テーマは高度なものが多いですが、60のイラストと5つのトリックを通して、具体的に解説されるので、とてもわかりやすくなっています。
トリックの収録数は少なめですが、ただやり方だけを載せた軽薄なレシピ本と違って、実りある重厚な内容となっています。今後のマジックを何倍にも高められる有益な知識を吸収し、世界に飛躍する足がかりとしてください。カードマジックを題材としていますが、カーディシャン以外にも有用な内容となっています。
現象と手法の分析
マジックの分析方法を紹介。観客が何を見てどう考えるかを論理的に判断し、それを制作に活かせるようになります。
クロースアップにおける空間の使い方
与えられた空間を有効に使う方法を紹介。ずっと座って演技するだけではなく、空間を広く使って、演技を有利に進められるようになります。
スリー・アクト構造
マジックに三幕構成を取り入れることのすばらしさを力説。現象をドラマティックに仕上げられるようになります。
インバージョン・システム
ユニークなマジックの発想法を紹介。一から現象を生み出す際のひとつの指針にすることができます。
ポジショニング・システム
配置の重要性について。何をどこに配置するのが良いかを考えられるようになります。
弱点を補完する
組み合わせて演じることで、弱点を補完できるトリックを紹介。弱みを減らす考え方ができるようになります。
不完全な終了状態を活かす
それ単体ではエンドクリーンで終われないトリックを次に繋げて活かす手法をいくつか紹介。弱みを強みに変えられるようになります。
条件から構成する
不思議な現象を生み出すテクニックを紹介。縛りから不可能性の高いトリックを生み出せるようになります。
カード、サイン、グラス
パケットが2つあり、それぞれが別々の観客の手に持たれたグラスの中に入っています。サインされたカード2枚が、互いのパケットを移動します。
スリーカード&ボックス
カードを3枚選んでもらいます。1枚はカード・ケースの下に移動し、2枚目はケースをくるんでいるセロファンの中に移動します。サインされた3枚目は、折りたたまれた状態でケースの中から出てきます。
スリー・プログレッシブ・チョイス
観客に3枚のカードを別々の方法で選んでもらいます(1枚目はランダムに、2枚目は自分の意志で、3枚目は頭に思い浮かべてもらって)。3枚を別々の方法で当てますが、最後には残りのカードがすべて真っ白になってしまいます。
エース&グラス
まったく別々の場所にあるにもかかわらず、黒いエース2枚と赤いエース2枚が入れ替わります。変化は一瞬であり、非常にビジュアルです。
カード、数字、マッチ
カードを引いてもらい、好きな数字を言ってもらいます。完全にクリーンな状態の中で、言われた枚数目からそのカードが出てきます。