「マジックのゴール」と「ゴールへの道のり」を言葉で理解することで、自分の演技も他人の演技もより深く考えられるようになりました。
例えば次のような思考ができるようになりました。
・あの人の演技はここが良い点だから参考にしよう。
・あの人なここは改善が必要だな。自分ならどう工夫するかな?
・自分の演技が思うようにウケなかった原因は、〇〇が足りなかったか、あるいは△△が不自然だったことだな。
・この手順でミスディレクションを強めるなら、☓☓の方向から工夫してみるといいかも。
今まで“感覚”だったことが“思考”に変わったという手応えがあります。
他のマジシャンと会話をするときにも、より深い議論ができそうです。
理論的なことを原著であったり、翻訳本であっても理解することはなかなか難しいことです。この本では、著者の文献からの知識や実際に経験した(対談した?)内容を自然な日本語としてまとめてくれています。海外マジシャンのDVDで解説されていることも、「あっ、そうなんだ」と本で読むとしっくりくる部分もあります。お勧めです。
内容も難解ではなく一気に読めました。
マジックをより観客へ効果的に伝える理論が網羅されています。
クロースアップマジックについての内容も多いです。全てのマジシャンが自分の演技に活かせる部分があります。
今まで何気なく行っていた動作ひとつひとつやマジックの構成について今後はより気を配るようになると思います。
そういった意味ではマジックを始めたばかりの方よりマジックを長年やっている方の方が読んだ時に自分の演技を再考できるのでグッとくると思います。
何度でも読み返せるマジックの教科書的な本になりました。