カナダのマジシャン、ライアン・マリー。彼がSNSに投稿している動画は、一部のマニアの間で話題になりました。3つのパケットをファロ・シャッフルで1枚おきに並べたり、リフル・シャッフルで2枚ずつ交互に噛み合わせたり……正気の沙汰とは思えません。もちろん誉め言葉です。
そんなライアン・マリーのファロ・シャッフルに関するレクチャー・ノートです。通常、ファロ・シャッフルはカードを1枚ずつ交互に噛み合わせるものですが、この本では、カードを3枚目ごとや4枚目ごとに噛み合わせたり、2枚ずつ交互に噛み合わせたりする方法などが解説されています。
そんなのできっこない、と当店のスタッフ含めて誰もが思ったことでしょう。ですが解説のとおりにやると、アレ、意外と無理なわけでもない……となります。それでも激ムズなんですが、かすかな希望は見えます。あとはひたすら練習するのみです。
技法解説に加えて、それらを応用した手順が4作品収録されています。難易度の高さゆえに、マジシャン自身も演じていて楽しい作品です。
マニアもひっくり返る超絶技巧を習得したい方におすすめします。
- まえがき
- プロローグ ファロ・シャッフル
- 手にもっておこなう通常のファロ・シャッフルとテーブル・ファロ、及びファロ・シャッフルのもつ性質について解説。
- 第一章 ロプサイデッド・ウィーヴ
- ウィーヴ・イン・サーズ
- 1・2・1・2・1・2・・・・で噛み合わせるファロ・シャッフル。
- ウィーヴ・イン・フォース
- 1・3・1・3・1・3・・・・で噛み合わせるファロ・シャッフル。
- ビザー・ウィーヴ
- 1・1・1・2・1・1・1・2・・・・で噛み合わせる奇妙なファロ・シャッフル。
- 第二章 ダブル・ウィーヴ
- ダブル・ファロ
- 2枚ずつ交互に噛み合わせるファロ・シャッフル。
- ウィーヴ・カウント
- デックのボトムからカウントする速度を上げるアイデア。
- トリプル・ファロ、そしてその先
- ダブル・ファロの応用法について言及。
- ファシリテーテッド・ウィーヴ・イン・サーズ
- ウィーヴ・イン・サーズをより簡単におこなう方法。
- ダブル・ウィーヴ・イン・サーズ
- ファロ・シャフルを3枚ずつ、及び4枚ずつ交互に噛み合わせる方法。
- 第三章 関連技法及びその応用集
- セパレーション・イン・サーズ
- クリスチャン・イングブルムのアンチファロを1・2・1・2・1・2で分ける方法。
- Kシャッフル
- トリプル・ファロのより実用的な方法。
- パーフェクト・リフル・シャッフル
- パーフェクト・リフル・シャッフルについて言及。
- INVERTED RISING CARD
- カードを1枚選んでもらったら返してもらいシャッフルします。次にファロ・シャッフルをしますが、揃えずにそのまま箱に入れます。半分は箱の中で、もう半分は箱から突き出ています。やさしく箱を振ると、突き出たカードが箱の中へと沈んでいきますが、選ばれたカードだけが突き出た状態で残ります。
- ACE PRODACTION
- INVERTED RISING CARDの手順を応用したエース・プロダクション。
- STACKING
- 本書で解説されている技法をスタッキングに応用するアイデア。5枚目ごと、6枚目ごと、9枚目ごとにスタックする方法が解説されています。
- ULTRA MEMORIA
- 初めにデックからカードを1枚取り出し、誰にも表を見せずにカードの箱に入れておきます。3人の観客にカードを1枚ずつ覚えてもらい、シャッフルします。マジシャンはデックを広げてカードを記憶します。そして、1枚目のカードは名前を言ってもらい、それがトップから何枚目だったかを思い出して見つけます。2枚目のカードは、観客に名前を言ってもらわず、その観客をしばらく観察してから数字を言い、その枚数目から選ばれたカードが出てきます。そして、最後の観客に向かって同じことを試みますが、うまくいきません。そこで、最初に箱に入れたカードを取り出して見ると、それが選ばれたカードです。
- エピローグ
- 付録 参考文献
- 人名対照表
- 訳者あとがき