カナダのマジシャン、ライアン・マリーのレクチャー・ノート。
観客にデックをシャッフルしてもらい、そこから表を見ることなくカードを数枚持ち上げてエースを見つけ出す……それを借りたデックでおこないます。ギャフ・カードやギャフ・デックではありません。完全なレギュラー・デックです。
本書で着目されている"とある原理"は古くから存在していたものですが、実用的ではないと一般には見過ごされてしまっているそうです。ライアン・マリーはその原理を独自に発見し、どうすれば実用的に適応できるかを研究しました。
原理の解説に加えて、それを応用した手順が7作品収録されています。難易度はとてつもなく高いですが、マジシャンを打ちのめす強力な作品ばかりです。
練習が好きなカーディシャンへ、スライハンドの極致を学んでください。
- X
- 発見
- ナチュラル・ロケーター
- カードのところでカットする
- ダイアゴナル・グリップ
- ストリップアウト
- 用語
- Y
- デックの準備にあたり
- カードを分離する
- 密かに回転させる
- デック全体でのローテーション
- Z
- 原理の適用
- シンプルなロケーションとして
- ブラインド・ロケーション
- Impossible Location
- 観客はデックの半分を取り、シャッフルしたあとカードを1枚選んで覚えます。そのカードを残りの半分に戻し、両パケットをシャッフルします。マジシャンはデックを返してもらい、選ばれたカードの名前を言い当て、すぐにそのカードのところでデックをカットしてみせます。
- Double Impossible Location
- 上記の手順のカードを2枚選んでもらうバージョンです。
- Lucky Poker Deal
- 観客は少数枚のカードの中から1枚選び、ラッキー・カードとして覚えます。そのカードをパケットに戻し、シャッフルします。マジシャンはパケットを返してもらったら、ポーカーの手札を4つ配ります。観客が選んだ手札は7が4枚となり、他のプレイヤーを簡単に打ち負かしてしまいます。さらに5枚目のカードがラッキーカードであることが分かります。
- Mirrored
- 観客がカードを1枚選んで覚えてデックに戻したあと、デックをちょうど半分に分けます。観客はそれそれをシャッフルし、選んだカードがある山を手に取り、マジシャンは残った山を手に取ります。マジシャンと観客は同時にランダムにカードを配っていき、それぞれの山に1枚だけ残るまで続けます。すると、観客の手元に残った1枚は観客の選んだカードであり、マジシャンの手元に残った1枚は観客の選んだカードのメイト・カードです。
- Multipul Selection
- 4枚のカードを選ばせてデックに戻してもらったら、観客にシャッフルしてもらいます。マジシャンはデックを返してもらい、半分ずつでかみ合わせ、そのまま箱に入れますが、半分が突き出た状態にします。箱を立てて軽く揺らすと、突き出たカードは沈み込んでいきますが、3枚のカードだけが突き出たまま残ります。その3枚が選ばれたカードであり、さらに3枚の値の合計が、最後のカードの場所を指し示しています。
- Ace Cutting
- 本書で紹介されている原理を利用した、マジシャン殺しのエース・カッティング。
- Epiphany
- マジシャンはデックを表裏ぐちゃぐちゃにシャッフルし、スプレッドして乱雑な状態であることをはっきりと見せます。それから、デックをカットしてエースを1枚ずつ取り出していきます。1・2枚目はマジシャンがおこない、3枚目は観客にやってもらいます。最後に、デックが表裏の混ざったものだったことに触れてから、ゆっくりと広げると、最後のエース以外のカードの向きが全て揃っているのです。
- エピローグ
- 付録 参考文献
- 人名対照表
- 訳者あとがき