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フレンチドロップ 「週刊スペルバウンド 684号」 (2021.02.12 up)


フレンチドロップの竹本です。

先日テンヨーさんの『魔法のクレジットカード』で遊んでいました。
何となく500円玉から100円玉に変更してみたら、あら、やだ。心なしか指が軽やかに。
少し重力も利用し、良い感じに出るようになりました。

ギミックの動線を手のラインで隠しつつ重力も少し利用したい場合、右手にピンセットを持つとして、カードを持つ位置は
自分から見て左下側にした方がやりやすいと思います。そうすると座るよりも立った方がやりやすいような気も。気のせいかも知れませんが。
とりあえず座った状態でこれだけ綺麗に演じてるこの方は、素敵紳士だなと思う今日この頃です。

https://youtu.be/_eDqVbxxaew

どんな小さな隙間からでもお金をつまみ出せるピンセットって素敵やん。夢あるやん。

ピンセットつながりで試験管のスイッチというアイディアをご紹介してみます。理科つながりです。
これはポン太・ザ・スミスから教えてもらったものです。いま俄然、読む気になった方、私あなたのこと嫌いです。

話は飛びますが、私がマジックを始めた十数年前、タマリッツ様の評価は今ほど高くありませんでした。
あぁ、あのうるさいおじさんねとか言う人もいるくらいでした。今では信じられませんが。

そんな流れもあってか、私もその凄さには気がついていませんでした。
中でもタマリッツのスイッチというものがありますが、私はあれを生理的に受け付けられませんでした。
まだマジックが美しいもの。パフォーミングアートだと信じていた時代のことです。

道具がどちらのポケットに入っているか覚えてないなんて言わばトチっている訳じゃないですか。
パフォーミングアート言うて、あれ、どっちのポケットにあったっけ?
ってできひん。しかも下記書籍ではそのトチり方が細かく分析されています。

https://www.frenchdrop.com/detail?id=2013

正気かよ。と思った頃がありました。
何も分かっていない初心者時代の話ですからね。
今ではタマリッツのスイッチ、なんて素晴らしいんだと思っています。

とにかくそんな頃にタマリッツシルク用のシルクを販売しないといけないことになりました。
タマリッツシルクはブランクのシルクに、選ばれたカードがいつの間にか描かれているというやつです。

ちなみにここからはネタバレ要素が強くなります。タマリッツシルク未見の方は読まないでください。

困ったのは動画撮影です。手順に例のスイッチが入っているので、すごく嫌でした。
しかもライブならまだしも、観客なしの単独動画でアレ、どっちのポケットやっけ? ってすごく照れます。

ということで、代案を探しているときに試験管を使うことを思いついたのでした。
ブランクのシルクを筒状に丸めて試験管に入れ、ふたをしてテーブルに置いておく。
デックからカードを選んでもらったら、試験管のふたを開け、シルクを取り出す。
取り出したシルクには選ばれたカードが描かれているという流れです。

試験管を使うまでは良いものの、スイッチがうまくいかず、苦しんでいたのです。
そこに現れたのがポン太氏です。「ジェイ・サンキーの使えば良いんじゃない?」
一言で解決しました。

ジェイ・サンキーのアイディアで伝わりますでしょうか?
このあたりは詳細に書けないので、難しいですけど。
気になる方はお問い合わせください。

それはとにかくその日以来、試験管のスイッチは何かに使えると思い過ごしてきました。
空気に触れさせると一瞬でとか言いつつ、試験管の中身を変えたり、出現させたりは使えると思います。
他店様の作品ですが、試験管ベイビーなんてのもありましたし。あれ面白いですよね。

そんなところで新商品の紹介です。

新商品のご案内

■『アット・ザ・テーブル ジョアン・ミランダ』 by ジョアン・ミランダ


メカも駆使し、エンターテイメント性を創出してきたジョアン・ミランダの作品集です。
クラシックをただのクラシックとせず、現代に合った演出に作り変えてしまうのが素敵です。

今回もiPhoneを絡めたものや、ビル・イン・レモンのミランダ風改案など色々な素材で楽しませてくれます。
在庫が無くなればもう再入荷できないんですって。これは買っておくしかありません。

https://www.frenchdrop.com/detail?id=5633

■『サブ・ローザ』 by ジェイソン・イングランド


徹底的に混ぜられたデックから、特定のカードをトップやボトムにコントロールします。

日本語ではJ.N ヒリヤードのグレーターマジックなど絶版書籍くらいにしか記載がありません。
使っている人もあまり見かけず、このままだと消えてしまうんじゃないかというアイディアです。

完全に混ぜられたデックから、自由にカードコントロールができます。
ストリッパーのような注意点もなく、夢のギャフです。

要領を掴むまでが尋常じゃなく難しいので、みんながみんな使えるようになる訳ではありません。
それでも不思議さを追求する方はぜひチャレンジしてください。

ジェイソン・イングランドの解説だけでは本当に難しいので、フレンチドロップバー店長の武宮にデモンストレーションとコツを説明してもらいました。
それでも難しいですが、やるべきことのイメージはそれでつかめるはずです。
あとは練習あるのみです。

https://www.frenchdrop.com/detail?id=5506

■『ミステリー・ブック』 by マーク・オベロン


何?! この1冊でデックを使わず、カードマジックが数種類も演じられるだって?
しかも、しょうもないものじゃなく、カード・トゥーンのようなキャッチ―なものまで演じられてしかもこの価格?!
アリよりのアリですね。

https://www.frenchdrop.com/detail?id=5353

■『バニーランド・プレイング・カード』 by Hanson Chien Production Co.


テーマがウサギのレギュラーデックです。
これを最初に見たとき、何とも言えない可愛さに胸打たれました。

スプレッドする度すべて同じ表情の可愛いウサギに出会えます。
広げていてふと思ったのですが、これって途中1つだけ変顔のウサギがいたらウケますよね。
それが観客のカードというだけで、バーなどでは成立します。
あとそれでフォースはしやすくなるのか、しにくくなるのか。

いや、すいません。まったく関係ありません。
柔らかな雰囲気で演技するには、こういうのに頼ってみても良いのではないでしょうか。

https://www.frenchdrop.com/detail?id=5548

■『ラバーバンド・プレイング・カード』 by Hanson Chien Production Co.


テーマがラバーバンドのレギュラーデックです。
これを最初に見たとき、衝撃的に驚きました。

ほぼすべてのカードにラバーバンドに関するイラストが描かれています。

ラバーバンド愛!
ラバーバンド愛に溢れすぎているじゃありませんか。

絵札にラバーバンドマジックの第一人者をデザインするなど、浮世離れがすごいです。
ただよく見ますとフェイスに輪ゴムのラインが入ったカードが数パターンあります。
横一線であったり、斜めがけであったり。これはカードマジックと輪ゴムを絡めた演技に相当なインスピレーションを与えてくれる気がします。

https://www.frenchdrop.com/detail?id=5551

後書き


中国はいま春節らしいですね。
今日の19時半からは劉謙が中国のテレビ番組に出るそうですよ。
見れると良いですね。

それではまたごきげんよう。


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