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フレンチドロップ 「週刊スペルバウンド 751号」 (2022.06.03 up)

こんばんは。
フレンチドロップの竹本です。

しないけど、ストリート・マジックをするなら何をするだろうと最近考えています。
やらしい話、ちょっとしたお駄賃的なものも欲しいので、そういうのも効率的に得られるような方向性です。
その方向性でいくと、1つ良いなと思うのが、ヒューマン・スロットマシーンです。

澤浩さんの真面目タイプのスロットマシーンではなく、ポール・スタッドハム/ paul studhamの不真面目タイプのものです。

「観客に飲み物買いたくない?」
「買いたい」
「じゃあ、小銭出して。実は僕、人型スロットマシーンなんです。仕組みお見せしますね」

(左手でスロットマシーンのハンドルを表現します)。

「小銭は僕の上着のポケットへ入れて、入れたら左手(ハンドル)を下に下げてね」

実際に左手(ハンドル)を下げてもらうと、演者の右手が動いて、ジャケットの中から、グラスに入ったウィスキーを取り出します。
ストリートでもウケそうじゃないですか。少なくとも誰も損しないし、むしろ嬉しいし。
他にも色々応用できそうで、この演出は覚えておこうと思った次第です。
最後に僕ならお金はちゃんと返しますけど、流れとしては紳士的に巻き上げやすい(表現の悪さ)状況ではあるなと思うのです。

って、今日はこんなどうても良い駄文を読んでいる場合じゃありませんよ。
良い商品をどさっと仕入れて来たんだから。

さっそくご紹介……とその前にコラム更新のお知らせです。


コラム更新のご案内

■石田コラム 第104回 「21カードトリックのタイトルの謎」


https://www.frenchdrop.com/column/?page=104

「21カードトリック」の名称について検証していく過程で、様々なバリエーションの特徴や
その利点が解説されます。相変わらず調査資料の量が怪物です。


■宮中コラム 第1回 「Around the Vernon」


https://www.frenchdrop.com/column/?page=miyanaka/001

本日から宮中桂煥さんのコラムが始まります。
記念すべき第1回は「Around the Vernon」と題しまして、主にティルトのクレジット周辺に関する考察です。
石田さんもこのテーマで研究されておりますので、2つのコラムを読み比べていただくと、より大きく詳しく理解できます。
バーノンとマーローの話、面白いですよ。


新商品のご案内

■書籍『ザ・スベンガリ 大阪奇術愛好会・IBM大阪リング 機関誌』 by 大阪奇術愛好会・IBM大阪リング


実際に参加させていただき、ここに収録されている作品のいくつかも生で見れました。
ここでは一番印象に残っているものだけを書かせてもらいます。福井哲也さんのリングとロープです。

観客がリングとロープをしっかり調べた後、ついたてをたて、ロープの両端だけが見えるようにします。
中央部分はついたてに隠れて観客からは見えません。ついたての中に調べてもらったリングを持っていき、何やらごそごそ(自分の中ではすぐだったイメージ)すると、リングがロープに通ってしまいます。リングに仕掛けは無いし、ロープも事前にけっこう入念に調べられているしで、驚きました。状況設定としてもそれでつながることはあり得ないという雰囲気が全面に出た上でのリンクなので、一層驚きました。
何でもターベル・コースの第7巻にヒントがあるそうです。
しかし、解説を読んでも本当にそんなことしていたのか疑ってしまいます。シンプルに大胆です。

これはこの機関誌にのっているほんのひとつのアイディア。
他にも勉強になるアイディアが散らばっていて2,200円。自分は買って満足でした。

https://www.frenchdrop.com/detail?id=5038

■コインマジック『ゾディダック』 by コレクターズ・ワークショップ


コレクターズ・ワークショップは自分にとって、シャネルより憧れのブランドです。
私、シャネルのバッグより、コレクターズのゾディダックが欲しいのという女性と結婚したいと本気で思っています。
いまだ現れませんし、現れることもありませんが。

しょうもない冗談はさておき、僕はメダルに12星座が刻印されていて、相手の星座に1つの宝石が埋め込まれている。
そのコンセプトからもうやられるのです。
それだけで良いのです。ロマンチック~。

https://www.frenchdrop.com/detail?id=6696

■日用品『サムライ/ ナイト・テンプラー』 by コレクターズ・ワークショップ

引き続きコレクターズの作品です。

不思議なマジックはたくさん見てきましたけど、こんな現象あり得ます?
台にしっかり固定した剣の中央に借りた指輪が突き刺さっているなんて。
しかも全体を布でカバーした状態ですよ。どうなってるんですか?

自分が演者なら最後にカバーを外した瞬間、ドヤ顔だけじゃなく叫びますよ。
どんなもんじゃー!って。軽く冗談を入れ、クールに演じ切るあたり、さすがはリッチ・ブロックです。

https://www.frenchdrop.com/detail?id=6699

後書き

大阪奇術愛好会の福井さんより貴重な情報が庄野宛に送られて来ましたので、メルマガ読者の皆様には庄野の見解とともにお裾分け致します。
以下は福井さんからいただいた文章です。


この方法は私が30年ほど前にフレンチドロップ(怪しげなショップの名前ではなく技法の名前)をもてあそんでいる時に思いついたものです。
結構多くのマジシャンに見せては来ましたが、名前はつけていません。フレンチドロップでは左手でコインを取りに行くところを、逆に右手から放り投げる(というか、若干放り上げる)といった技法です。原理的にはむしろ天海の“Drop Vanish” のカテゴリーに入るかもしれません。

昔、ヒロ・サカイ(ドクター・レオン)さんに ”Retention French Drop”だといってこれを見せたところ、「そんなおかしな名前より ”Fukui’s Toss Vanish” にしてはどうか」と言われたことがあります。ただ、私はコインマジックには詳しくなく、他の全ての技法に通じているわけではないので、敢えてその名前で人に見せたことはありません。

最近スマホ撮影に挑戦してみて、何とか合格レベルのものが取れたので、ごく一部の人達に添付で送りました。コインマジックの権威である庄野さんには見てもらうだけで十分と思っていましたが、この技法、一度スベンガリに書こうと考えたものの、その微妙なタイミングを文章で伝えるのはきわめて難しいのであきらめたことがあります。そういう意味では、むしろ映像で残してもらうのは有難いです。
ただし、気恥ずかしいので、できるだけ控えめな紹介をお願いします(笑)。


ということで、控え目のメールを頂きました。
リテンション・バニッシュの福井さん式のバリエーションで、デビッド・ロスのハンドリングとは全く違いますが、強い残像を残して、コインが消えてしまうものです。当店のサイトへ動画をアップしましたので、是非ご覧ください。

■”Retention French Drop/ Fukui’s Toss Vanish”
https://www.frenchdrop.com/special/?page=FukuisTossVanish

コインマジックの天才もっさんが、最近”THE TOSS VANISH”のタイトルで残像がきれいに残るバニッシュを発表しています。
当店でも販売させて頂いています。これはコインのみならず、ボールから人形(フィギュア)から、ビニールテープ等手に握れるものなら大概は残像を残したまま消えてしまうという優れた技法で、福井さんのトスバニッシュと考え方が同じように思います。


■『ザ・トス・バニッシュ by もっさん』
https://www.frenchdrop.com/detail?id=6685h


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