こんばんは。
暑さが日ごとに増していますが、#TONAME様はいかがお過ごしでしょうか。
当ショップもワタシの自宅もクーラーが古くて賞味期限切れになりそうで毎日恐怖の日々です。
さて本日はクラシック中のクラシック。
世界で最も古い奇術であると共に最も優れた奇術でもある「カップと玉」の話をしたいと思います。
紀元前2500年頃のエジプトのベニハッサンの洞窟の絵が「カップと玉」の演技をしているようだと
よく言われているのですが、今ではこれはパンのようなものを焼いている絵だと言われています。
紀元前二世紀頃の記述といわれているアルキプロンの「年代記」には彼が見世物小屋で見た「カップと玉」の奇術について書かれています。
ひとりの男がテーブルの上に皿を三枚置き、その下に小石をひとつづつ入れ、続いて三つの小石をひとつの皿の下に集めてみせた。
これを見たとき、驚きのあまり口もきけないほどだったと述べています。現代でも同じように見せられたら、口もきけない程驚かされると思います。
クラシックマジック「カップと玉」の奇術は原理的には今でも変わらない形で演じられており、最上級の現象なのです。
「カップと玉」。この奇術は優秀な奇術に必要なエッセンスがすべて備わっているのです。
まず現象が単純です。ボールがひとつのカップから別のカップに移動します。手に持っているボールがカップに移動します。そして最後にはボールはすべて消えてカップの下から大きな果物が現われます。あっという間のクライマックスです。
この奇術にはドラマのように起承転結があり、古典奇術としていつまでも残っていくのです。
今も昔も「カップと玉」では、演者は細い棒を持っていますが、今ではマジックウォンドと呼ばれてますが、昔はヤコブの棍棒と呼ばれていました。
棒自体には何の仕掛けもありませんが、奇術師の必需品である理由はふたつあり、ひとつはこの棒を振ると不思議な現象が起こる魔法の力を持った棒だと観客に思わせることと、もうひとつは棒を持つことによって手の中にボールを隠しもった手が不自然にみえないようにするという理由があるのです。
ところで何故「カップと玉」かと言うと、最近リード・マクリントックのカップ&ボールの手順を練習してるから……
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