第1巻、2巻が特に好きです。Chinese Money Misteryは、手を交差させるハンドリングを知らなかったので、余分なものを使っていないのにどうして最後の1枚まできれいに移動するのか、大変不思議でした。Super Easy Triumpも、バーノンのトライアンフしか知らなかったので、「うそっ」とつぶやいてしまいました。Purse Swindleでは、サムチップは親指にはめて使うものとばかり思っていましたし、ハンカチの押し込み方が独特で、自然に見えるので、きれいです。Cup and Ballのバニッシュはフェイクパスでなく、消えてしまいます。1番好きなのは、Ball to Silkで仕掛けのない普通のボールが投げ上げてつかんだ瞬間変化します。鮮やかです。3巻のStand-up flurryは普通のワンコインルーティンですが、最後のジャンボコインの現し方を他で見たことがありません。まるで扇が広がるようにして現れた様に見えました。私が知らないだけかもしれませんが、独特と感じられる技法や、アイデアがいくつもあって、みていて楽しいです。
コインの扱い方がやわらかくて、女性的といえるほどとてもきれいです。パームがきちんとできて、自然な手の形や態度をしていれば、コインは消えたように見えるのだなあと思い知らされました。13マトリクスのクライマックスは、カードを使ったコインマトリクスの手順なら、なんにでも応用できるでしょうし、どの手順も、体全体の動きや視線の使い方等、ミスディレクションのすばらしいお手本になると思います。
私の場合、結局、居酒屋などで、割り箸に黒丸を書いて、即席パドルを作ってやるのが一番うけたりします。これをグレードアップしようと思って購入しました。「サイズが小さいかな?」とも思いましたが、かえって扱いやすく、スティック間の移動や色の変化もでき、断然きれいです。ケースも使いやすく、上下どちらからでも差し込めるのでタネを隠したまま、楽にしまえます。ベロというか、ふたの部分も、視線を遮るので安心です。
ラストの宝石の代わりに赤いボールを出して無理矢理3ボールトリックに続けてますが、そんなことしなくても、宣伝文のように、肌身離さず携帯し、これ1つだけ演じれば、もうそれでよい気がします。
盛りだくさんの内容です。面白くてわかりやすいマジックが多く、手順がよく考えられていて、ミスディレクションが自然に効いていたりします。テクニックの使いどころや演出も大変参考になります(英語が聞き取れればもっとよいのですが)。1巻と2巻が特に好きですが、3巻もThe ring in the worldは強烈ですし、Capper/Silver transpositionはよくある方法なのですが、やり方がうまいので一瞬びっくりしてしまいました。各巻に解説されているサイドスチールの易しいやり方も、参考になります。ただ、道具が必要なマジックもあり、中には、入手しにくいと思われるものがあって、それが難点かもしれません。DVDになって値段が安くなっているので、文句なくお勧めです。
Card Openerは、変化、移動し、意外な結末までテンポよく進み、かっこよく、鮮やかです。これだけで、このDVDを買ってよかった、と思いました。難しいテクニックをハイスピードでさっとこなし、強引なほどのミスディレクションで驚かされます。Bang Up!の輪ゴムのかけ方は、知っていましたが、これでこんなにビジュアルなことができるんだとびっくりしました。もし、Card Under Boxのように、ケースの下にデックをロードできるなら、「アンビリーシャスカード」と組み合わせても…と思ったりもしました。
Transwitch が大変気に入りました。私は、自分の 3fly の手順の最後に Transwitch で両手を改めたようにして、two in the hand one in the poket に続けています。私はシェルを使った手順はやれませんが、シェル関連の技法にもいくつか勉強になる点がありました。マジックは、1手順だけしか解説されていませんが、コインマジックが好きな方には、この値段は安いと感じられるのではないかと思います。
Gypsy Vanishが目当てで購入しました。宣伝文から、隠し場所はあそこしか・・・と思っていましたが、4枚のコインは鮮やかに消えてしまい、びっくりしました。カードがひっくり返るMid Selectionはカメラがずっと手元を取っているので、秘密動作が丸見えですが、実際はきれいなマジックなんだろうなと想像でき、気に入って練習しています。これまで、方法やテクニックに凝るほうにばかり気をとられがちだったので、大変勉強になりました。