この本ではそもそもマジックとは何なのかといったことから、不思議なマジックを作るには具体的にどういう要素が必要なのかという実践的なことまで幅広く取り上げられています。
そのため、マジックに関わる全ての人におすすめしたい本です。
その人のレベルや置かれている状況によって見るたびに新たな発見が得られるのではないでしょうか。
中でも冒頭の「マジシャンがマジックを恐れている」という指摘には、はっ!とさせられました。自分がマジックに対して感じていたモヤモヤを見事に言語化してくれています。
また、この本を読んで改めてマジックの素晴らしさを再確認することができました。マジックはアートであり、他のエンタメとも違うかけがえのないものなんだと、そんなことを再認識させてくれる本です。
それにしても、このような哲学書をよくぞ翻訳してくれたなあと思いました。
出版までに9年もかかったそうな。これまでの道のりは想像に難くありません。
この本を翻訳してくださった田代さんにも最大限の敬意を表します。