エール大学出身の著者がアカデミックの立場でかつ、我々パフォーマーに向けて心の在り方やいかにエモーショナルな部分が創られているかを知見とともにわかりやすく縷説している。それを日本語で読めることで今初めて英語圏のプロからプレミア本と絶賛されていることの凄みを心底理解できた。
「マジック体験」の章はマジシャンのみならず、パフォーマーならば必読である。語られている自然現象に対するリスペクトとその形容の一つに「天の川は彼方にあるのもではない」というパートがあるが、著者、訳者ともに粒粒辛苦、マジックに尽力してきたパイオニアだからこそ可能にしている当該書籍の燦然と輝く表現の数々をハードカバーで読めたのは、この時代にマジックが好きな一人でよかったと改めてマジックを愛する喜びとなった。