んー。
このひとダブルリフト(以下DL)がそれほどうまくないような気がした。
いやいや、もちろん巧いんですが、1枚めくる動作と完璧に同じではないんです。ほとんどのマジシャンがそうなんですけども。それだけこの技法が難しいということなのかな。
自分の中では、DLのうまさでは、グレッグウィルソン:A級。百瀬師:S級、とランク付けされました。
だからといって、このDVDの価値がないわけではありません。
このDVDのいいところは、フェニックスエーセスが観れるところとリプレースメントのバリエーションが豊富なところだとおもいます。
93年ころ来日した際に例の手順を生で見て仰天しました。
現在、DVDシリーズを見て思うのは、意外に理にかなった、無理のない、自然な技法で構築されていたんだなあ。ということです。ミスディレクションもあるし、実は角度にも強いし。フォルスシャフル(とくにグリーンシャフル)、セパレーションテクニック、パーミング、カードショット。
決して個々の技法そのものは難易度の高いものではないと思いますし応用もききそうです。実際、わたしもある程度は何となくできるようになりました。
でも、たまに、レナートグリーン以外の人が、レーザーディールを模倣しているのをみるとき、技術的には、すごく上手にやっているにもかかわらず、オリジナルに比べてひどく見劣りする気がするんですよね。
なんでかな?
なるほど。頭いいなあ。ハンピンチェンムーブ・シャトルパス・マッスルパスなどと同じくらい画期的な技法ですね。是非マスターしたい!!と思いました。が・・・
むづかしいすぎる。まだ練習し始めて2週間くらいですが、いつ修得できるものやら。
でも、この技法、練習してるだけでも結構楽しいですよ。
お札のプロダクション、コインルーティン、グラスと煙、塩、火のついたろうそくの出現・・・。多くのマジシャンが彼を模倣したが、これらのトリックをカップスよりうまく演じた人はいない。(たぶん)
マジシャンが不思議な現象を起こす、のではなく、起こすつもりのなかった不思議を、観客と一緒にマジシャンも驚く。このような演出のスタイルはカップスの特徴。
私はこれまでこのDVD、何十回と見ました。
そして、その都度色あせることのない新鮮な感動を受けています。