このマジックの基本原理自体はかなり古くから知られているもの。
古い原理を新たなマジックに適用する、というのは昔からよく行われてきたことで、それがマジックの進化にもつながることになる。ただ、そのためには単純な原理の踏襲・繰り返しではなく、「巧妙さ」、「現象の新奇さ」、「手順としての完成度の高さ」などで味付けされているということが必要。
このマジックは、敢えて紙素材を用いることで、そのフレキシブルな性状と特殊な形状(ヘキサゴン)を生かした巧妙な検め方を可能としている。そのおかげでカラーチェンジやカラートランスポジションもきわめてイリュージョン性の強いものとなっており、十分に新しいマジックに仕上がっていると思う。
「タネを知って、より興味が増した」というマジックに久々に出会いました。人間の脳の働きを再認識させられるマジックですね。
マジシャンにはそんな人はいないと思いますが、もしタネを知って失望するようなら、その人はまだマジックの世界の奥深さがわかっていないということになります。
自分がそうでないことを確かめるためにも、是非買ってみることをお奨めします。