フランスの鬼才マシュー・ビシュのDVDです。収録されているすべての現象に新鮮なイメージを受けます。難しいことは一切なし、それで数々の奇跡が起こります。
彼の現象は起こすのではなく、何かしていく過程で自然に起こるというものがほとんど、タネ臭さを全く感じません。手品手品しているものが嫌いな方にオススメです。
彼の鬼才ぶりを堪能させてくれる3つの現象がBONUSで収録されています。演技だけですが、価値あるものです。2006年FISMの発明部門で賞を受けた彼のアイディア、どうぞ楽しんでください。
ALU
演者はアルミホイルを取り出し、テーブルに広げます。そのままアルミホイルを丸めると、何かの形が・・・。破くと、デックが現れます。ぺしゃんこ状態の物からのプロダクションはインパクト大です。アルミを使うところが少し洒落てます。
PERRiER
ペリエのビンを効果的に使用した予言マジックです。ビンに予言が書かれた紙を丸めて入れ、観客に手渡します。演者はその間、床にカードをバラ撒き、混ぜます。観客に散らばったカードの上でビンを動かし、好きな所で止めてもらいます。そのまま、床にビンを下ろしてもらいます。もちろん、その下にはトランプが・・・、そのカードとビンの予言が一致します。いきなりトランプを出すのではなく、紙を出し、予言を書き、お洒落なビンにそれを入れ、徐々にその世界観に引き込んでから起こるカードマジックの奇跡。この効果は強烈です。
BURNT
マッチを使ったマジックです。引き出しを開けると、マッチがすべて燃え尽きてしまっています。それを閉じ、おまじない!引き出しを開けると、すべて新品に変わっています。
THE FORCE
二川滋夫が生み出した素晴らしいアイディアは、コインのみならず、カードの分野においても世界のマジシャン達を刺激しています。これは、氏の技法を有効利用した非常に優れたフォースと言えるでしょう。観客に好きなところにカードを差し込んでもらいます。その下がフォースカードになります。
HEAT
身近にあるもので、現象の効果を高めているところが素敵です。観客が自由に選んだカードが予言されています。炎とともに出てくる予言は神秘的です。
STRiKE iT
上記の「BURNT」に続けて演じると、効果的でしょう。マッチをすべて取り出し、観客に好きなマッチを5本選んでもらいます。それらのマッチはいくら擦っても火がつきません。ほかのマッチは火がつきます。ちょっと背筋がヒヤッとする現象です。
DOUBLE CLUB
全二段からなるサンドイッチ現象。1段目のサンドは一瞬の出来事です。デックに混ぜいれたはずの観客のカードが、デックの下に2枚のジョーカーを投げるだけで挟まれます。2段目が、これまた不思議。デックにジョーカーを重ねて差し込みます。間に何も挟まっていないことを示し、すぐリフル。デックを広げると選ばれたカードが挟まっています。瞬時に起こる不可能現象をテクニックではなく、アイディアで解決しています。
RE-POST iT
ポストイットをマットに数回ひっつけ、粘着力をなくします。それが、復活します。
TECHNiCOLOR
友達の名前と年齢を聞き、似顔絵を描いて見せるといい、ペンを取り出します。完成した絵を観客に見せると、微妙な反応です。その絵を破ると紙の中に、その友達の名前と年齢が書かれています。取り出したペンの色とは別の色で書かれているところがマジックのようですが、どうでしょうかこれは・・・。
LEVERAGE
演者は取り出したペンで、観客が選んだカードを見つけ出すのですが、演出がユニーク、そしてかなり不思議です。観客に選んでもらったカードをデックに混ぜいれます。観客は手渡されたパケットからカードを1枚抜き出し、テーブルに置きます。演者は、そのカードにペンを押し付け、そのまま持ち上げます。カードは持ち上がります。ちょっと不思議。今度は、2枚のカードを出させます。ペンを押し付けると、そのまま持ち上がります。次は4枚。持ち上がります。 その次は、すべてです。3分の1ほどあります。押し付けるとすべて持ち上がります。磁石としか考えれない現象ですが、違う。素晴らしい事です。最後に、テーブルに残しておいたカードにペンを押し付けます。数枚持ち上がります。観客にペンを渡し、中の予言を取り出してもらいます。その予言にはトップカードが選ばれたカードである書かれています。トップをひっくり返すと、もちろん当たっています。ペンは手渡し可能です。
FiCKLE
これは、昔からある原理を使ったカード当てです。デックをリフルし、カードを覗き見てもらいます。演者は、そのままブレイクを取らずにカードを弾ききってしまいます。その後、一瞬で選ばれたカードがデックからはじき出てきます。お洒落で不思議です。
THINNER
これは演技のみでも見れてよかったと思える数少ない現象だと思います。演者はデックからカードを取り出します。その瞬間、ケースがビジュアルにぺしゃんこになります。次に、取り出したカードが徐々にその数を減らし、薄くなっていきます。最高に不思議です。
STRETCHiNG(売りネタ)
ヘアバンドを引っ張って伸ばし、手を離します。しかしバンドは戻らずそのまま。おまじないをかけるとゆっくりと元に戻ります。時間をコントロールするという演出で演じています。
ERAZED(売りネタ)
観客にカードにサインしてもらいます。演者は、そのカードを一瞬で2枚にスライスしてしまいます。それをテープで止めて元に戻そうとしますが、困ったことに他のカードが真っ白になってしまいます。サインカードをみると、それも真っ白に・・・しかし、何故かサインはそのまま残ってしまいます。
