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松田道弘の9作目。「ラストフライトともいうべき気分で書き上げた」というだけあって、これまでの集大成的な内容です。
著者はこれまでSICK(Simplicity:単純性、Improvement:改良、Clear:明快さ、Knockout:ノックアウト)をモットーに改案を出してきました。今作では、クラシックトリックの改案を通し、どのようにしてSICKなマジックへと改良していくのかにスポットを当てています。
技法やギャフを適材適所で使い、手続きをすっきりとさせています。現象はそのままで、演者にとって負担が少なくなるのは良い改案の証拠です。その他にも、改良のいきさつが紹介されています。
「改案」という名の「改悪」がはびこる昨今。この本で、「改案」とは何かを学んで下さい。
【収録内容】
第1章 アイディはコンビネーション
インポシブル・ロケーションのたくらみ
観客のカードをデックに戻しよく混ぜます。マジシャンは手がかりの全く無い不可能な状況で観客のカードを当てます。古典的な解決法と「囁くクイーン」の演出を紹介。
マローンのSHIPWRECKEDの改案
4枚のAを4つの山の下に置きますが、最後の山に見事に集まります。ダローの「Diamond Bar」にビル・マローンがお茶目な演出を付けた「SHIPWRECKED」。これはレイアウト部分を簡素化したものです。
第2章 ツイスティング・テーマにニュー・ツイストを
新版ロイヤルツイスト
ツイスト現象に予想外のクライマックス!『オリジナル・カード・マジック』で発表した「ニック・トロストのMAXI TWISTOの改案」の改良版です。4枚のAを観客に良く見せ、そのうち1枚を裏向きにします。すると、全てのカードが裏向きになります。実は5枚使っていると言いながら、5枚のカードを表向きに置いていくと、ロイヤル・ストレート・フラッシュになっています。
4枚のブランク・カードがAから6に変化する
表が真っ白な4枚のカードを見せます。そのうち1枚を裏向きにすると、全てのカードが裏向きになります。実は6枚使っていると言いながら、6枚のカードを表向きに置いていくと、A-2-3-4-5-6のカードになっています。
オーバーラップ・ツイスト
赤裏のカード4枚を観客に見せます。そのうちの1枚を抜き出し、表のKを見せます。そのカードを表向きのまま3枚のカードに乗せます。すると、全てのカードが表向きになり4枚のKが現れます。さらに、パケット全体をひっくり返すと、裏模様が全て違う色と柄になっています。
第3章 単純明快移動現象
クラシック・ツー・カードトランスポジション
ドクター・ダレーのラストトリックの改案を2種類紹介。
4-4-1の改案
カードケースの下に置いた4枚のAとデックにある観客のカード1枚が入れ替わります。
第4章 カニバル・カードの総括
インターレース・カニバルの進化
4枚のKの間に挟まっている3枚のカードが一瞬で消えるインターレース・サトルティの改案を2つ紹介。
レインボウ・カニバル完成版
これまで松田道広が発表してきたレインボウ・カニバルの不満点を解決した作品です。
第5章 クラシック・カード・トリックを考える
スライディーニのヘリコプター・カードの研究
観客のカードがマジシャンの手からテーブルに見えない飛行を繰り返します。スタンダード・クラシックにはならなかった理由も興味深い。
フランシス・カーライルのホーミング・カードを考える
観客のカードがマジシャンのポケットに何度か移動します。なぜこれが傑作クラシックトリックとなったのか、熱く解説しています。
裸が最高の変装だ
フランシス・カーライルによるホーミング・カードの改案。アウトラインを紹介。
第6章 ギャンブル・トリック
ポーカーディールのタリスマン
シンプルでスピーディーなポーカー・デモンストレーション。4枚のAをデックのトップに置き、シャッフルします。5人分の手札を配り、手元にあるマジシャンの手札を見ると、4枚のAがあります。この後に4Aを使ってトライアンフをしても良いです。
Quickieとしてのデビルズ・モンテ
売りネタのデビルズ・モンテを使った手順。ハンドリングもギミックも面白い。なお、ギミックは簡単に自作出来ます。
第7章 エースのパンテオンⅠ
最短距離のフォア・エース
長ったらしいフォア・エースを極限まで短くした手順です。怪しいカウントは要りません。
リピータブル・マクドナルドのたくらみ
マクドナルド・エーセスを2度続けて演じるトリック。4Aを出現するところから始まり、演技終了後にはリセットが完了している優れた手順です。
ヘンリー・クライストのフォア・エースを考える
4枚のAを1枚ずつばらばらにデックに差し込んでいきます。カードをコントロールするのは不可能に思える状況で、マジシャンは4枚のAを違ったやり方で取り出します。ロベルト・ジョビーの改案に少しアイデアを加えています。
第8章 エースのパンテオンⅡ
ブランク・カード・バックファイアー・キングス
K4枚とブランクカード12枚を使ったバックファイア。4枚のKでスローモーション・フォア・エース・アセンブリを演じます。マスターパケットに4枚のKが集合した後、突然元の3箇所のパケットに3枚のKが逆戻りします。ブランクカードを使う事で視覚的に現象がはっきりしました。
スローモーション・キング・アセンブリ
1987年に発表した「スローモーション・ジョーカー・アセンブリ」の進化版。4枚のKをテーブルの4箇所に1枚ずつ置きます。その上にブランクカードを3枚ずつ置きます。3箇所のパケットからKが消え、4番目のパケットにKが集合します。
第9章 REVERSED CARD
もうひとつのトライアンフ
2段仕立てのトライアンフ・ルーティン。裏向きのカードをファンにして観客に見せます。ファンを閉じ、トップカードを表向きにすると、全部のカードが表向きになります。今度は、デックを表と裏でバラバラに混ぜます。リボンスプレッドすると、全て表向きになっています。
ストリームラインド・チーク・トゥ・チーク
売りネタになっている「チーク・トゥ・チーク」の改案。観客にタネを推測されないように、ハンドリングを変えたものです。
第10章 マーローの遺産
マーロー/アスカニオのオイル・アンド・ウォーター
マーローの原案の第1段とアスカニオのクライマックスを合わせた作品。繰り返しは1度だけのシンプルな手順です。
オーバーラップ・コレクター
ギミックカードを1枚使いますが、ハンドリングがとてもすっきりとしたコレクターです。
デュプリケート・コレクター
タイトル通り、デュプリケートカードを使ったコレクターです。デュプリケートカードを使っているだけあって、すっきりとしたハンドリングです。