マジックの理論をまとめた大作です。
著者の大野真央はマジックの理論研究では日本で並ぶ者がないほど熱心な研究家です。その活動は文献を読むだけに留まらず、タマリッツから直接学ぶためにスペインに渡ったり、ロベルト・ジョビーを訪ねてスイスへ行ったりと実に精力的です。
この本は大野真央がいままで学んだ理論をまとめ上げたものです。何よりもすばらしいのは網羅的であり体系的である点でしょう。どのような理論が存在し、どの領域をカバーするのか、それが一望できるわけです。広大な理論の世界を探索しようとする人にとって非常に心強い地図となります。
たくさんのトピックが扱われます。なかには腑に落ちない部分もあるでしょう。すべてを受け入れる必要はありませんし、無批判に受け入れられるべきでものでもありません。ぜひ熟考してください。考察を深め、理解が深まることが重要です。
マジックの理論の理解は、すなわちマジックの理解に他なりません。マジックの限界はマジックの理解度に規定されます。理論の理解がマジックを押し上げることはスペインを見ればあきらかでしょう。スペインは理論で先行している分、マジックで世界をリードしています。
実は本書も多分にスペイン的です。アスカニオの精神を受け継いでおり、その思想が色濃く出ています。もっとも、現代のマジック理論はアスカニオをベースに発展していっているところも多いので、ある種それも自然と言えるでしょう。スペイン派の考えは間違いなく重要である一方で、日本ではまだまだ浸透しておらず、その意味でもこの本は意義深いものになっています。
マジックの理論を学びたい方はもちろん必読ですが、マジックを向上させたい方もお読みください。数多くのヒントと出会えるはずです。
自費出版で部数に限りがありますのでお早めにお求めください。
10年に1冊の優良書。いま入手しておかないとぜったい後悔することでしょう
下村知行元テンヨー開発部・マジッククリエーター
あなたがこれまでに培った経験が一気に膨れ上がる。記憶の棚で埃をかぶっていた知識が目を覚ます。マジックを愛する者必読の一冊です。
桂川新平
その人が紡いだ言葉からその人の想いが伝わることの喜びを味わいたいから、私は本が好きなのだと思います。真央さんの深い知識と理知的な考察、そしてマジックへの熱い想いがのった言葉の数々は、私の心と頭に刺さりました。マジックの蘊奥を知って成長したい、すべての真摯なマジシャン必読の理論書です。
角矢幸繁
ザ・マジックの人気コラム「そもプロ」が待望の単行本化!
全てのプロマジシャンが知っておくべき演技と自分の作り方
あなたのマジックがみるみる変わる実践演技理論
「マジックのゴール」と「ゴールへの道のり」を言葉で理解することで、自分の演技も他人の演技もより深く考えられるようになりました。
例えば次のような思考ができるようになりました。
・あの人の演技はここが良い点だから参考にしよう。
・あの人なここは改善が必要だな。自分ならどう工夫するかな?
・自分の演技が思うようにウケなかった原因は、〇〇が足りなかったか、あるいは△△が不自然だったことだな。
・この手順でミスディレクションを強めるなら、☓☓の方向から工夫してみるといいかも。
今まで“感覚”だったことが“思考”に変わったという手応えがあります。
他のマジシャンと会話をするときにも、より深い議論ができそうです。
理論的なことを原著であったり、翻訳本であっても理解することはなかなか難しいことです。この本では、著者の文献からの知識や実際に経験した(対談した?)内容を自然な日本語としてまとめてくれています。海外マジシャンのDVDで解説されていることも、「あっ、そうなんだ」と本で読むとしっくりくる部分もあります。お勧めです。
内容も難解ではなく一気に読めました。
マジックをより観客へ効果的に伝える理論が網羅されています。
クロースアップマジックについての内容も多いです。全てのマジシャンが自分の演技に活かせる部分があります。
今まで何気なく行っていた動作ひとつひとつやマジックの構成について今後はより気を配るようになると思います。
そういった意味ではマジックを始めたばかりの方よりマジックを長年やっている方の方が読んだ時に自分の演技を再考できるのでグッとくると思います。
何度でも読み返せるマジックの教科書的な本になりました。