『Drawing Room Deceptions』の日本語版です。
ガイ様の創る1つ1つの作品が。紡ぎ出す1つ1つの文章が。選ぶ単語が。そのすべてを全世界が待ち望んでいた感動の作品集です。
Waving the Aces、Travellers、The Reformation、A Triumph Routine、The Cassandra Quandary。当時センセーショナルを巻き起こした傑作がどのように生まれたのか、方法論だけでなく、演技を補完する考えを交え、自らの言葉と挿絵を通じて丁寧に説明してくれています。その内容が日本語で読めるのです。
当時24歳にしてすでに大成していたガイ・ホリングワースのハイクオリティ作品集をお楽しみください。
「今年のニホンゴ手品ブックオブイヤーはわいのガイ様本やけどな!がはははー!」(翻訳者・富山談)。
B5変形サイズ
箔押し上製本
約320ページ
- 出版者の覚書
- 序文
- 飛ばさず読んだ方が良いです。
- 第一章
カードがひっくり返る、移動する、色毎に分かれる、
あるいは何らかの離れ業を演じることについて。
- Waving the Aces
- ダイ・ヴァーノンの"Twisting the Aces"の改案。レクチャービデオ、ロンドン・コレクションで話題となったもの。
- Waving the Aces II
- 上記のwaving the Acesのオリジナル手順です。
- Oil andWater
- オプティカル・アライメントを使用した説得力のある手順です。
- Cherchez la Femme
- オプティカル・アライメントをモンテ風に使用するアイディアです。
- The Hofzinser Problem (or so it has become known)
- オプティカル・アライメントを利用し、ツイスティング・ジ・エーセスにホフジンサー・エースプロブレムを取り入れたものです。
- OtherThoughts
- オプティカル・アライメントの他の使用法に関するアイディアです。
- 第二章
奇術につきものの難しさとビスポーク仕立ての利点について。
- The Penetration of Four Cards through a Jacket
- 4枚のAをデックの中にバラバラに入れ、デックごとポケットに入れます。このデックに触れずに、Aが1枚ずつポケットを貫通して出てきます。
最後のAはうまくいきません。逆にデック全体がポケットを貫通し、ポケットの中にAが1枚残っています。
- Travellers
- ノーチャンスにしか見えないトラベラーズです。ホリングワース・コレクションルーティンズで映像をご覧になれます。
- An Ambidextrous Interchange
- 別々の4つのポケットに入れたサイン入りの4枚のAが、手に残っているサイン入りの4枚のKと入れ替わります。それだけでなく、さらに手の中の4枚のAが消え、元々の場所であった4つのポケットから再び現れます。
- A “One Card” Routine
- 上述の“An Ambidextrous Interchange”に行っている手順です。タイトル通り1枚のカードがポケットから別のポケットへ。さらに、ポケットから別のポケットへ。さながら、ワンコインルーティンのように移動します。
- OtherThoughts
- ジャケットの利用がカードマジックにもたらす可能性について。
- 第三章
文房具、それから幸運の意義深さについて。
- The Control of Chosen Cards
- よく知られたある文房具をカードマジックに応用することで広がる可能性について。
- An Ace Assembly
- ディスプレイが極めてクリーンなバックファイアエースアセンブリです。
- The Homing Card
- 意外なメソッドで可能になるディセプティブなホーミング・カードです。
- Cannibal Cards
- 最後にどんでん返しのあるカニバル・カードです。
- OtherThoughts
- この文房具を他のカードマジックに活用するアイディアです。
- 幕間
様々な奇行を含む。
- シフト考
- フロート・パス。フロート・パスの逆回転パス。そこからの変種。の紹介です。
- コントロール手法とパーム手法
- オール・ラウンド・スクエア・アップでのパーム手法。パームしたいカードをデックから抜く出なく、デックがパームしたいカードから外れていくというのが面白いです。
- カード・スイッチ考
- 座った状態で1枚のカードをスイッチする方法。説得力があります。ラテラル・パームを用いた複数枚のパケット同士のスイッチです。
- フォールス・ディール考
- ボトム・ディール
- 考え方はボトムを押し出すのではなく、それ以外を引き戻すです。
- センター・ディール
- 必要なカードをアウトジョグさせた状態で行うものです。
- セカンド・ディール
- 本人が冗談以外では使おうと思わないという方法です。
- フォールス・シャッフル考
- ウォーターフォール・シャッフル型のフォールス・シャッフル。これが14歳の頃に考えられたものだということに驚きを隠せません。
- 第四章
数多の不正を織り交ぜながら。
- A Gambling Routine
- 4枚のAが取り出され、それが何度となく演者自身に配られます。最後にはシャッフルされたデックの並びがスート毎に数字順に完全に揃います。
- A More Light-Hearted Routine
- 徐々に不可能性を高めながら、Aをカットして出していきます。
- A “Call to the Colours” Routine
- ビル・サイモンの“Call to the Colours”のバリーエーションです。
- 第五章
『夜の来訪者』と彼の企みについての議論。
- A Destroyed and Reproduced Card
- サインカードを封筒に入れ燃やします。演技の最初から、別の観客に持ってもらっていた封をされた封筒を開けてもらいます。
1枚のカードが入っており、それがサインカードです。サインカードの複製に対する巧妙なアイディアです。
- A Card at Any Number
- 上記のアイディアをカード・アット・エニー・ナンバーに応用する方法です。
- A Card Stab
- 上記の方法をカード・スタッブに利用し、最後に目隠しをした観客が自分で自分のカードを見つけ出します。
- 第六章
幾つかの詰め合わせ: 箱を使うもの、独特なシャッフル、そしてトロイの陥落。
- Three Cards Under a Box
- カード・アンダー・ザ・ボックスです。だいぶ簡単な上に、場所をほとんど取りません。最小限、デックケースが置けるスペースがあればできます。
- A Triumph Routine
- スタンディングでできるトライアンフです。
- The Cassandra Quandary
- ショーのラストによく演じる予言マジックです。人を夢中にさせる物語があり、高い不可能性を持ちます。緊張感を生み出す演出も素晴らしいです。
- エピローグ
カードを破いて復元する一手法を論じつつ。
- The Reformation
- 名作リフォメーションの完全解説です。
- 後註
- 訳者あとがき