以前から販売している「フォー・オブ・ア・カインド」シリーズに追加です。相変わらず厳選された作品がお楽しみ頂けます。
1冊につき4つの作品を紹介したレクチャーノートです。4つに絞ったからなのか、非常に高いクオリティが実現しています。ジャンルはクロースアップからステージまで様々。国内外、プロアマ問わず素晴らしいマジシャン達がアイディアを提供しています。
薄い冊子ですが実に刺激的です。本当に独創的なアイディア、それでいて完成度の高い作品が多いです。現象がまた魅力的なので、きっとやりたくなるはずです。簡単に出来る物は少ないですし、ちょっとした工作が必要な物もありますが、得られる効果を考えれば煩わしさなど吹き飛ぶでしょう。
「ティールームの映像の魔術師」と言うコーナーがあり、手品シーンが登場する映画を紹介しています。裏話などもあり、実に興味深いです。
Volume Seven No.3 ポール・カミンス ワンマン・イシュー
- 1. Cross Changed
- コイン・ボックスから4枚の銀貨を取り出します。左手に握った4枚が1枚ずつ、右手へと飛行します。
最後のコインが飛行した後、右手からは銀貨ではなく、4枚の銅貨が出てきます。コイン・ボックスを開けると、中には4枚の銀貨が入っています。
- 2. The Flutter Change
- 左手のスペルバウンドポジションにあるコイン。右手のひらが空であることを見せた状態で、おまじないをかけるとコインがチェンジします。
- 3. Penetrating Thoughts
- 4枚のコインが一度に手を貫通した後、続いてボックス本体、それから蓋が貫通します。
- 4. Knihc-A-Knihc
- チンカ・チンクからのバックファイアです。
Volume Eight No.4
- 1. 一目惚れの恋/ 二川 滋夫
- 結婚とは「雌に食い殺される牡のカマキリの物語」。そういうイメージにそって進むパケットトリックです。
- 2. Marriage Party/ 石山 貴浩
- 新郎新婦に聞きたい質問を無記名で書いてもらいます。折り畳まれた紙片をすべて袋の中に入れて混ぜた後、マジシャンは紙を指先に持っただけで、質問の内容と、更には誰が書いたかを当ててしまいます。
- 3. The Cat/ 栗田 研
- 予言の封筒を置いておきます。フェイスにすべて異なる猫の写真が描かれているトランプを使用します。デックのトップからカードを1枚配っていき、好きなところでストップと言ってもらいます。予言を見ると猫の名前はタマ。
この猫はタマという名前だと説明します。当然観客は納得しませんが、この猫の品種はMix(フェイスに印刷されている)で予言の裏にはMixと書かれています。
- 4. 古川令のミリオン・カード 上級編
- ディープ・バック・パームへの移行
Volume 10 No.2 ラファエル・ベネター ワンマン・イシュー2
- 1. パフォーミング・モード
- マジシャンの役割を演じているという、パフォーマンス中に演者が取っているモードがもたらす役割について。
- 2. Gods Coin Trick
- 消えたコインが、客の手の上、次にマジシャンの腕時計の下、ラストに観客の腕時計の下から現れます。
- 3. Not by Much
- Dai Vernonのトランスポジションの現象で、それを5段の手順に改良しました。デックのトップにある2枚の字札が上下入れ替わり、これが繰り返され、最後に2枚の絵札になります。
- 4. Rage Therapy
- 透明のグラスに緑色のシルクを丸めて入れ、赤色のシルクでグラスの口をカバーしたら、外れないよう輪ゴムで留めます。この状態で赤色のシルク全体を下に引いていくと、中央から緑色のシルクがゆっくりと出てきます。もちろんグラスは空になっており、シルクに穴も開いていません。
Volume 10 No.3 ラファエル・ベネター ワンマン・イシュー3
- 1. The Unambitious Magician
- 完全にマニア相手の練習曲のようなものです。様々にスライトを使用しますが、表の現象はすべてつじつまが合い、マジックが起こりません。
- 2. Marmalade Poker
- Paul HarrisのBiological Shuffleのバリエーションです。
- 3. マジック・モーメント
- マジックが起こる瞬間、マジック・モーメントに関する考察です。
- 4. The Venezuelan Tunnel
- デックをカットして、テント・バニッシュの形に持ち、手とパケットで作ったトンネルにカードを通すと、ひっくり返って出てきます。
Volume 19 No.2 マーク・デスーザ ワンマン・イシュー2
- 1. スポンジ・ボール
- パース・フレームからスポンジ・ボールを取り出し、ちぎって2個にします。
その後、スポンジ・ボールが演者の手から観客の手へ移動し、ツー・イン・ザ・ハンズ・ワン・イン・ザ・ポケットを挟み、最終的に演者の手から沢山のスポンジ・ボールが出てきます。
- 2. Dream On
- 青裏のカードから1枚のカードを選んでもらい、フェイスにサインをもらったらデックに戻します。財布から赤裏のカードを取り出し、そのカードのフェイスを見ると選ばれたカードで、観客のサインもあります。
- 3. Your Days Are Numbered
- 4. Fred KapsのCopper Silver Surpriseとそのバリエーション
- テーブルの左右にそれぞれ銅貨と銀貨を1枚ずつ置きます。両手を交差させた状態でコインを取り上げ、手を元に戻すことでコインを入れ替えて置きますが、場所を入れ替えたはずなのに、コインは入れ替わっていません。これがもう1度繰り返され、3回目には2枚ともが銅貨になり、更には2枚の銀貨になります。手の中でコインの音が鳴るので、観客は複数枚のコインを使用していると思います。両手を開くと、両手から2枚ずつのチャイニーズ・コインが出てきます。
Volume 20 No.2
- 1. 15カード・トリック(3311と332)
石田 隆信
- 15枚のカードの中から1枚目を目で見て選ばせた後、3つの山に配り分けて客のカードを当てるトリックです。昔からある原理を使いますが、単なるカード当てではなく、意外性のある当て方にしました。
- 2. アリスと手品
栗田 研
- ルイス・キャロルの世界を題材にしたマジックの紹介です。
- 3.モリのアサガオ
栗田 研
- いくつかの花の種と予言を紹介します。種の袋に掛かれた花の名前はすべて異なっています。
選ばれた花の裏に書かれている花言葉と予言が一致します。
Volume 21 No.1 マーク・デスーザ ワンマン・イシュー3
- 1. Kick Start Aces
- 4枚のAと12枚のカードで行うエース・アセンブリーで、3枚のAが1枚ずつ、リーダーのところに集まります。
- 2. カバー・チェンジ
- Johann HofzinserのTwirl Changeをヒントに作られてたカラー・チェンジです。
- 3. リンキングリング2018
- 3本のリングを使った3分間の演技です。
- 4. 3人の友人とのシリンダーとコイン
- 3枚のコインで行うシリンダー・アンド・コインです。
Volume 21 No.3
- 1. 藪晴夫の悟空の玉へのオマージュ
庄野 勝吉
- 藪晴夫のオリジナル手順と庄野 勝吉による変更点を合わせて紹介します。
まず藪晴夫手順です。3個の小さなカップと3個の玉を使います。
玉が1個ずつカップを貫通します。いわゆる悟空の玉ですが、ラストにカップから大量の玉が出てきます。
庄野手順です。悟空の玉の前にそれぞれのカップがカップを貫通します。
最後にカップから大量の玉が出て、更に2個のカップの口と口を合わせるとカップいっぱいに玉が増えます。各カップが空だと印象付ける工夫を施し、その上でラストのインパクトの強さをさらに高めました。
藪晴夫との貴重なエピソードも紹介されます。
- 2. イエローカード
栗田 研
- 青裏のデックの中に赤裏のカードが1枚あることを見せます。
客に自由に1枚のカードを言ってもらいますが、それが赤裏のカードです。
完全フリー・チョイスですが、ギミック作成に2種類の特殊デックが必要です。
- 編集後記
- 2023年秋に開催されたマジックイベントに参加された感想など。