1938年に出た奇術の百科事典的名著『Greater Magic』(J・N・ヒリアード)の未訳部その弐です。時代を越えて今なお輝きを放つ(知的遺産。奇術史の文脈と、現代における再構築の可能性とを照らし合わせながら読むにふさわしい1冊です。そうに違いない。
- 第28章 マインド・リーディング
- 悪魔の紙片リーディング(セオドア・アネマン)
- 紙片に誕生日や電話番号などを書いてもらったら、折りたたみ封筒に封をしてもらい燃やします。この状態で書かれた情報を読み取ります。
- ワン・アヘッド・システム
- ワン・アヘッドの秀逸な利用法1。
- 現代的なマインド・リーディング(ウィリアム・ヒューイット)
- ワン・アヘッドの秀逸な利用法2。
- 電話帳のブック・テスト(ジョン・マルホランド)
- 4人の観客がそれぞれ言った4桁の数字の合計が演者の思惑通り。
- ディクショナリー・トリック(J・N・ヒリアード)
- 用意した紙片と観客が書いた紙片の巧妙なスイッチ方法。
- 封印されたメッセージ(シド・ロレイン)
- 情報が書かれた紙片を封筒に封し、燃やします。この状態で読み取ります。センターティアじゃない。特別な準備不要。紙片のスイッチ不要。
- 魔法の吸取紙(シド・ロレイン)
- 万年筆で書いた質問文章に吸取紙を当てると、吸い取ったインクが勝手に質問の応えの文章・単語へと変化する。
- ジオマシーン(ウィリアム・H・マカフリー)
- 紙片に幾何学模様を描いてもらい、その紙を自分の手元に置いてもらいます。この状態で読み取ります。
- ビー玉の当て物(C・W・ジョーンズ)
- 巾着袋に入った12個のビー玉から、1つを選んでもらいます。演者はこれを見ていません。にもかかわらず、何色が選ばれたか当てます。
- 3枚の紙片(セオドア・アネマン)
- ワン・アヘッド。
- 魔法の足し算(ウィリアム・H・マカフリー)
- 3人の観客が書いた3桁の数字の合計が予言されています。
- 距離を隔てたマインド・リーディング(フランク・レーン)
- 別室にいる演者のアシスタントが、観客が単に触れただけのカードを当てます。
- 最高の即席マインド・リーディング・トリック
- 紙片に名前や数字を書いてもらい、折りたたんでから破いて燃やします。その状態で内容を当てます。
- 指先のマインド・リーディング(バート・グスタフソン)
- 見て覚えてもらった2枚のカードがデックから消え、演者のポケットからそれぞれ出て来ます。上手く演じれば、相当不思議です。
- カード記憶術(H・エイドリアン・スミス)
- シャッフルされたデックの並びを記憶する方法。ガチでやるやつです。
- ユニークなメンタル・プロブレム(H・エイドリアン・スミス)
- シャッフルされたデックから抜き出された4~5枚のカードを当てます。スタックを覚えいる前提です。
- 物のリストを記憶する
- カード記憶術を応用し、15個の物のリストを記憶する方法です。
- セットしたデックのための方法
- 素早く配っている間に、ストップがかかった場所のカードを当てるためのサトルティ。スートは無視して数字にフォーカスできるので若干楽になります。
- 第29章 魔方陣(ロイヤル・V・ヒース)
- 魔方陣についての基本
- 神秘的で不思議な力を持つとされている魔法陣について
- 3×3 魔方陣
- ルールに則した3×3 魔方陣の作り方。
- 5×5 魔方陣
- ルールに則した5×5 魔方陣の作り方。
- 8×8 魔方陣
- ルールに則した5×5 魔方陣の作り方。
- 6×6 魔方陣
- 一番難しいとされる6×6 魔方陣の作り方。
- 魔方陣の楽しみ方
- 誰かに任意の2桁の数字を言ってもらい、縦列、横列、斜め列の合計がどれも同じになるよう魔法陣を作ります。ルールに従えば、誰でも作れます。
- 誕生日魔方陣
- 相手の誕生年、誕生月、誕生日を利用した魔方陣の作り方です。
- 歴史的な魔方陣
- 版画の巨匠アルプレヒト・デューラーのメランコリアを利用した方陣。知的です。
- 数学的魔方陣
- 縦、横、斜めそれぞれの合計値が、観客の提案した数になる4×4の方陣の作り方です。指定してもらう数を途中で聞いても大丈夫。
- 興味深い珍品
- 縦、横、斜めだけでなく上下を逆さにしたときも合計値が一致する方陣。
- 第30章 新旧の奇術道具
- 挿絵付きで昔にあった手品道具が紹介されます。
- チャールズ・H・ラーソン・コレクション
- ニューヨークシティのチャールズ・ラーソンのコレクションをご紹介。
- 消える砲弾
- ボール・アンド・ベースのような容器にボールを置き、フタを開けると消えます。
- 魔法の潜望鏡
- 曲がりくねったパイプを覗くとその先にあるものが見えるようになっています。障害物越しに先にあるものを見れるとか。
- 魔法のやかん
- シルクからやかんが出現し、観客から言われた飲み物を注ぎます。
- シルク・スタンド
- ベルリンのコンラディ・ホルスターによるシルクの消失・出現に使用する道具です。
- ミステリアスな円盤
- 円盤が不可能な状況で、行って戻るの2回移動します。
- ミステリアスなケース
- このケースに入れた小さな物体は皆消えてしまいます。
- 無尽樽
- 空の樽の端を紙で覆い、蛇口を差し込んだら、飲み物が出て来ます。
- 紐と本
- ブックエンドとその間に挟まれた本にヒモを通します。ヒモの両端を観客が持った状態で本だけが抜け出します。
- 象牙のカード・ブロック
- 異なるカードのピップが描かれた12個のサイコロ。バラバラに箱に戻されますが、ひとりでに置き換わりカードの絵柄になります。
- マダガスカルの小屋
- ボールが箱の中で消え、小屋の任意の階から現れます。
- アンブレラ・テーブル
- ケーン→ シルクの変化が流行ったため、忘れ去られた道具。カバーを外すと、傘が広がり、ちょっとしたテーブルになります。
- デックがシルクに変化する
- フルのデックがシルクに変化します。
- 最新のブロックと紐
- ブロックの塊の両端からヒモを通し、ヒモの両端を持っていてもらいます。ブロックをハンカチで覆うと、ヒモから外れます。
- シルク・プロダクション・ボール
- 必要に応じて任意の色のシルクが取り出せるようになっています。
- シルク・プロダクション
- 2つの輪っかの間に紙を挟んで固定します。この紙の中央に手を突っ込むとなぜかシルクが現れます。
- カード・テーブル
- カードからシルク、さらに卵へと変化させられます。
- 最新のミラー・グラス
- グラスと鏡の両方に縦縞装飾がされたミラー・グラスです。
- シガレット・キャンドル
- 煙草プロダクション用の仕掛けがあるキャンドルです。想像上のタバコを口にくわえると本物になり、キャンドルの火でタバコに火をつけられます。
- 物質の貫通
- オキト考案。芸術品のような紙幣貫通。
- その他のコレクション
- ラーソン以外のコレクション品のご紹介。
- 訳者あとがき
- この巻の総括や次巻の内容が軽妙な文章でつづられます。