他の方も書いておられますが、あの古典的名作に再び目を向けさせてくれたという点だけでも私はこの作品に感謝しています。だいぶ昔に、大阪の根本毅さんから初めて実演を見せてもらったとき(原案の方)は、すでにマジック歴数年でしたが、雷に打たれたような衝撃で、手がかりすらつかめず、いくらお金を積んででもその秘密を手にしたい!と熱望したものでした。この「インターセプト」はハンドリング等にいろいろと工夫があり、私はこの冊子の巻末に付記されている簡易的なバージョンを、さらに自分流にアレンジして使っています(簡易版でも効果が減じられることはありません)。最後の当て方も、冊子のままだとちょっとアクが強いので自分のキャラに合うように改変しました。もう少し工夫すれば、さらに自然に(妙な言い回しなどは一切なしに)演じることが可能です。
うまくやれば、観客の立場からは、何も質問らしきことをされていないのに、心に思っただけで手も触れていないカードをずばり当てられたという現象になります。これ以上の奇跡はないほどのインパクトの大きさです。冊子で読んだだけではナンノコッチャで終わってしまうかもしれないけれど、実際に演じられると腰を抜かすという作品です。いろいろと工夫してみたくなる作品です。私はこの作品(とその原案)にずっとほれ込んでいます。買って損はありません。