今回のワイズワークスは、カードが中心なので特殊なものがいらないのが良いところです。全てのマジックがレギュラーでできます。
☆ロープスルー・ボディー
一箇所だけ気になる箇所がありますが、全体的にあざやかです。演技が終わると自動的にリセットされる賢い手順です。
☆2FLYⅡ
ギミックコインを使わずに行う瞬間移動現象。コイン好きでなくても、ミスディレクションの勉強になるのではないかと思います。ちなみに、演技の前半部分はゆうきさんの「ライブ・ワークス2」のクロースアップ・ショーで演技されています。
☆フラッシュ・エーセス
フラッシュバックの裏面のカラーチェンジは無いですが、小品奇術にはちょうど良く面白いです。
☆遺漏Ⅱ
オチがあるオイルアンドウォーター。クリーンで面白いです。
☆パーフェクト・カップル
とてもフェアな、セルフワーキングトリック。演技では3人の観客にカードを渡していたのでダラダラした感じでしたが、一人のお客さん(男性なら女性に、女性なら男性に)相手に「相性テスト」的な演出でやればいいと思います。悪用しないように。
☆なかよし
かなりクリーンで、演技を見たときは驚きました。重ねた瞬間に混ざってしまいます。エド・マーローの「あの」カウントの使い方も賢いです。個人的にお気に入りです。
☆ロイヤル・ナビ
原理はバカバカしいくらい単純ですが、演技を見たときはとても不思議でした。ストップトリック風な演出にも感心しました。解説を見ればタイトルの意味もなんとなく分かります。たしかに、ロイヤルです。
☆おまけ クワトロ(ゆうきバージョン)
流れはフラッシュエーセスに近いですが、豪華なクライマックスが待っています。
どの作品も、カシコク解決しています。
アイディアが素晴らしいです。とても満足しました。
「アブ・ドリンク」は、古典的演出をアレンジして楽しいマジックになっています。
「サンセット・クライマー」は、ダローの「ライジング・クライマー」のバリエーションです。説得力のあるハンドリングになっています。
「サンドイッチ・トランスポⅡ」は、タイトルの通りサンドイッチしたカードが入れ替わる不可能設定になっています。リチャード・サンダースの作品を大幅に変更し、全く別の作品になっています。
「ブルー・プリディクションa」は、シンプルな予言現象です。無駄が無くクリーンです。
「カット・アップ」は、公明正大にお札をカッターで切ってしまいますがもちろん復活します。アイディアは素晴らしいのですが、私はこのマジックをあまりやってみようとは思いません。
「しんぱいしてくるでっく」は、2組のデックが織りなす不可能な共鳴現象です。ギミックを手作りする必要がありますが、あまり難しくはありません。素晴らしいです。
「マユ・マーブル」は、女性マジシャンの「マユ」さんが発見した10円玉とマーブルチョコの底板の関係をマジックに応用した作品です。日常品の使い方が、ストリートマジックの香りを醸し出しています。
そして、ヒロさんの解説も実に分かりやすく日本語ですので安心です。まさに「コンプリート」なDVDです。
52枚の中から何を決めてもらっても大丈夫なのがすごいです。しかし、カードがきれいにスプレッドできないのが欠点です。でも、インパクトはとても強いので気に入っています。値段もお手ごろなので、1つは持っておくべきだと思います。
とても素晴らしいDVDです。
19種類のルーティンはどれも良く考えられていてあまり難しくありません。解説も分かりやすく、BGMもお洒落です。マジックで食べていくならまず見るべきDVDです。ただデビッドの英語がフランス訛なので、少し聞き取りづらいのが欠点かと思います。2巻みたいに日本語字幕があれば大事なセオリーがもっと分かりやすかったと思います。