2009年に惜しまれつつも休刊となった季刊誌『ザ・マジック』。この雑誌の人気コラム「そもそもプロというものは」が一冊にまとまりました。1999年から10年にわたり執筆されてきた内容に加筆・訂正が大幅に入っての単行本化です。
マジックが即物的になり、芸能としてのマジックが衰退していく状況を危惧し始められた連載。その生涯を芸にかける著者が、現代マジシャンの多くが抱える問題を鋭くえぐります。
スジ山金太郎、コザワ光、キムコの3キャラが飲み食いしながらマジック談義するというスタイルで、シリアスなテーマを冗談交じりの軽妙なタッチでつづります。
かなり深くまで踏み込んだ芸論を楽しく読み進められるよう表現するところはさすがはエンターテイナーです。厳しい意見も多く、読み手にとっては耳の痛い話もあるかと思いますが、たくさんの気付きやヒントが得られる事は間違いありません。
一般的なマジックの本・DVDでは語られることのない舞台に立つための意識や心得。プロやセミプロの方、そしてそこを目指す方はもちろん必読です。演技と言うものを真剣に考える方すべてにお薦めします。
あなたのマジックがみるみる変わる実践演技理論
全てのプロマジシャンが知っておくべき演技と自分の作り方
僕は今も趣味ですが、19歳の時にプロマジシャンに憧れていました。しかし周りにそんな人いないからどんな世界なのか知りたくて、書店でこの本を手に取ったのです。全部読んでみて、とにかく厳しい世界だなーと思い知らされました。
この本のテーマは、プロマジシャンのあり方についてです。なので真剣にプロになりたいという方は参考になるかもしれません。
藤山先生は1990年代のマジック界を大きく危惧していました。芸能芸術を追求するマジック界が、タネ仕掛けを商品とするために、タネ仕掛けだけでマスターした気になっていて、お客さんや周囲の状況の見えない自称プロマジシャンがたくさん生まれてしまったということです。
昔は弟子入りして苦行するのが当たり前だったけど、いまは、皆ネットで商品を買い練習する人が殆どなんです。
ネットのおかげでマジックが世に広まったのは事実ですが、問題は、その中から現代をリードするプロがなかなか現れないということなんですね。
物語では、大卒のコワザ君がプロのスジ山さんに日々起こる問題(客にマジックを邪魔される、どうしたらウケるのか、芸とはそもそも何なのか、弟子入りするには、どうしたら稼げるのか)について相談します。
マジックで何か悩んでいる人は参考になるかもしれません。勿論、趣味でやってる人にもオススメです。
藤山先生が全国の眠れる仲間を呼び覚ますために書いた本です。すげー面白いですよ
これすっげーもんやで。マジシャンとして知っておくべきことや、マジックのおもろい話もいっっっぱいかいてあんのに・・・
まあ、読んでみたらわかるわ。ホンマにええもんやからな。
絶対伝わってないと思いますが、ほんとうに良いものです。何回も読み返してますが、何回も「藤山先生はすごいなぁ」とおもっています。絶対買うべし!!!!!
ストーリー形式で展開するので読み易いです。セオリーや「芸」への考え方は藤山先生の実践と経験に裏打ちされているので、読んでいてとても勉強になりました。ちなみに藤山先生は新潮社(新潮選書)から「手妻のはなし」という本も出しておられるのですが、個人的にはそちらの方が面白かったです。
プロマジシャンの・・・というよりはマジックを演じていくうえでの心得というか・・・
読んでおくとちょっとは心持が変わるよって感じですね。
ただ、本文の中で氏がジェイソン・ラティマー氏のFISMアクトを「あんなまな板みたいなクロースアップマットがあればだれでもできる」みたいな発言をされていたのが少し納得できませんでしたね。
自分の意見や理想を述べるのは勝手だと思いますが、ネタをしっかり考えたり、調べたりもせずにけなして、いかにも最近のFISMの審査はおかしいみたいな論調につなげるのはどうかと思いました。
少なくともその時代の世界1位を取っているわけですし。
マジシャン全体に言います。
買え!!
これほどの本はないですよ。
今ほとんどのマジシャンは種仕掛けとテクニックに頼り解説本にある通りに演じています。
そうなっては観客は飽きてしまします。
マジックは芸術芸能であり種仕掛けなんてまったく関係ないです。
種仕掛けが分かることは台本を読めたに過ぎません。
台本が読めるのと演技ができることはまったく次元が違います。
しかしこの本に答えは載っていません。
答えは人々それぞれ違います。
しかしこの本はそのヒントをくれるでしょう