ベストセラーシリーズに2年ぶりの新作です。
良質で実用的なマジックが満載! というのは、もはやこのシリーズの常識。もちろん今作とて例外ではありません。さらに今回は、たいした準備なしに出来るトリックばかりです。面倒くさがり屋さんにも重宝するでしょう。多少のスライハンドは使いますが、安心の「ゆうきタッチ」で、ハンドリングの快適性を保証します。
ゆうきともの細かい「仕事」が楽しめる、通にもお薦めの作品集です。
ロープ・スルー・ボディ
2本のロープが1本になり、このロープがからだを通り抜けます。最後は2本に戻ってオシマイ。ギミック不要、リセット不要で、かなり気軽に演じられるロープのショート・ルーティンです。うまいハンドリングとうまいプレゼンテーションで、現象が見事に繋がります。
2 Fly II
『ゆうきとものクロースアップ・マジック』収録の「2 Fly」を銀貨と銅貨を使って行います。2種類使うことで各移動の説得力が強まります。続けて観客の手を借りてシルバー&カッパーに。10円と100円があればできるお手軽トリックです。ミスディレクションやサトルティを学ぶにもよい作品です。
フラッシュ・エーセス
「フラッシュ・バック」で使用された美しいシークエンスを即席トリックに仕立てた作品。
遺漏
意外性のあるオイル&ウォーターです。赤4枚・黒4枚からはじめ、赤3枚・黒3枚、赤2枚・黒2枚と、枚数を減らしながら効果を繰り返し、……すてきなオチで終わります。
パーフェクト・カップル
4枚のKと4枚のQからなる8枚のパケットを観客に手渡し、マジシャンに分からないように1枚選んでテーブルに出してもらいます。マジシャンも適当に1枚選びその上に重ねます。これを繰り返し4つのペアを作ります。で、見てみると全て同スートのK・Qペアになっています。
なかよし
いわゆるアンチ・オイル&ウォーターです。K4枚のパケットとQ4枚のパケットとをフェイス・トゥ・フェイスで向かい合わせて重ねます。次の瞬間、KとQは交互に交ざり合います。しかもスートごとにペアになっているのです。手続きにさりげなく意味を与えることで、ハンドリングの怪しさを消しています。このあたりはさすが。
ロイヤル・ナビ
3人の観客が選んだカードを当てます。3枚のカードはデックの中でバラバラに埋もれ、手がかりは全く無さそうに見えます。マジシャンが見ても「絶対無理だ」と思うでしょう。ここから見つけ出すのです。この原理はちょっとすごいですよ。
クワトロ ゆうきバージョン(演技のみ)
岸本道明の「クワトロ」をゆうきともが料理。
ゆうきともの傑作マジックが1冊にまとまりました。
このトリックで驚かない観客はいません。