よく知られたクロースアップマジックを奇怪な演出を付けて演じています。
有名なジプシー・スレッドを宇宙の破壊と創造の神話に例えたり、ブックオブゴーストでは死者の霊が予言を残したり、
レトリビューションでは知人に呪いをかけたり、
どの演技も迫真で本当の魔法使いを目指しているのが分かります。
はるか昔マジックは本当の魔法として扱われていたと聞きます。マジックが娯楽になった現代でこの演出を試みたら、どう反応されるかは分かりませんが、不思議だけではない「何か」を伝えることが出来るかもしれません。
「何か」というのは、ドラマかもしれないし、誠実さ、愛情、恐怖、郷愁など様々あるが、「心の琴線に触れる事柄」ということです。
終盤ではホーンテッドデックの手順を解説しています。マジックを一つの表現方法として捉えたDVDです。でも他のマジックも解説して欲しかったなあ
数あるマジックの中でも、ビザー・マジックほど好き嫌いの分かれるものもありません。
「悪趣味だ」という人も居ますが、これほど雰囲気を作りこむことのできるマジックも無いと思います。
本DVDでは、ユージン・バーガー師がいくつかマジックを演じており、
いずれも呪いや魔術、精霊、神話などを題材にした演技となっています。
「グルメ」では穏やかな雰囲気でマジックをしていた師ですが、
本作では、人が変わったのかと思うような演出を見せてくれます。
こうした世界観に興味があり、自分でも取り入れてみたいと考えている、
「エンターテイナー」よりも「魔法使い」を目指す方が観るべき作品です。
(この両者の違いについては、是非DVDをご覧下さい)
最後に。
映像で一部、過激な表現が含まれていますので、
そういったものが極端に苦手な人は、避けた方がいいかもしれません。
マジックとわかっていながらも、気分が悪くなる恐れがありますので‥‥。