『アリオス』の川畑洋平によるカード作品およびマジック理論です。
『アリオス』では美しいカードさばきがフォーカスされましたが、今作は活字の特性を活かし、よりコンセプトに重点を置いた内容になっています。
5つのカード作品では、創作における意図や狙いが明示されており、トリックの本質に迫れます。もちろん、5作品はそれぞれカードトリックとして良作です。
理論では魔法の質感を高めるための考えが書かれています。マジックのジャンルを問わず、表現の参考になるでしょう。
興味深い1冊です。上質なトリックと美学をお楽しみください。
美しい作品と次世代の理論が詰まったレクチャーノートです。
作品の難易度は高くありません。それなのに魅力的な現象を引き起こします。実践向きと言えるでしょう。
創作意図が明瞭に解説されており、理論と実践を同時に学べるのも特徴です。
理論は簡単な言葉で語られていてわかりやすいです。ハッとさせられる内容ばかりで、次世代のスタンダードとなる気がします。
新しい商品をたくさん買っても自分のマジックを面白いと思えなくなっていた私にとって、その理由と解決方法を教えてくれました。
自分の憧れているマジックは、なにがどう魅力的なのか考える良いきっかけになると思います。
・手順について
この本に掲載されている作品は彼の「実験」の結果です。
彼は新しい発想を見つけ、それを具現化するため様々な実験をして、作品に落とし込みます。それゆえに、彼の作品には一つ一つ意図があり、綺麗な手順に仕上がっています。
それに、彼が実験していくなかで発見したアイディアや他分野からマジックに応用した考え方もコメント欄で触れており、読み物としても楽しめると思います。
しかし、注意しなければならないのが、彼の作品は癖の強い代物なので、彼の真似をしてそのまま演じてしまうとすっとんきょうになってしまうのでご注意ください(笑)
個人的オススメ作品➡️Symphony,Etoile,Waltz
・理論について
ここに書かれている理論はマジックに対する考え方を大きく左右する可能性があります。彼が大事にしてきた研究テーマ「カードマジックにおけるディスプレイ」や「見えない道具の扱い方」などマジックを不思議にリアリティーのあるものとして演じる手掛かりが書かれています。
そして、「マジカルジェスチャー」の章は奥原優さんの理論を交え、非常に読みごたえのある章になっています。
⬆️(ホントにオススメなので要チェックです!!!!)
マジックをより不思議に演じてみたい方には凄くオススメします。長文失礼しました。