気軽にコメディタッチの脱出トリックが出来るサムカフ。多くのマジシャンに愛されクラシックになりつつあります。
サムカフとは親指にはめる手錠のこと。鍵を使わないと外せない代物です。マジシャンは観客にサムカフをきつく掛けてもらい、その上からハンカチをかぶせてもらいます。マジシャンは鍵を持っていないのに、観客が予想していないタイミングでサムカフを外しているのです。動画をご覧頂ければお分かりの通り、絶妙な間とセリフに観客は大爆笑です。
コンパクト、事前準備なし、即リセット、改め可能。これ1つあれば、いかなる状況でもウケをお約束します。
【追記】
アメリカの大人気マジック番組「Fool Us」でDaniel Kがサムカフを演じています。客受け抜群で、ペン&テラーも大絶賛。これを見たらやりたくなることでしょう。解説はございませんが、参考までにご覧ください。Youtubeで設定すれば、日本語字幕でご覧いただけます。演技は1分52秒ごろか始まります。
マジシャンはサムカフ(親指にかける手錠)を取り出します。観客にサムカフをかけ、指が抜けない事を確認してもらいます。サムカフを開けるには鍵を使うしかありません。今度は観客にお願いして、マジシャンの親指にサムカフをしっかりとかけてもらいます。それから、マジシャンの両手の上にハンカチを被せて貰います。マジシャンは魔法の杖があれば脱出することが出来るのだと言います。観客に魔法の杖を持ってるか尋ねますが、観客は持っていません。それならばと、マジシャンは自分の持っている魔法の杖を観客に渡します。マジシャンの両手はサムカフが掛けられているので、自由に動かせないはずです。観客はハンカチを取り、マジシャンの両手を見ますが、しっかりとサムカフがかかっています。最後はサムカフを外します。
拘束からの脱出するテーマは古くからあり、様々な拘束具がある中で指錠はもはやクラシックの感があります。自然に笑いが生まれますし、観客とやりとりしながら進行するためコミュニケーションツールとしても優れていると思います。
唯一、課題があるとすればオチでしょうか。
手順中に何度も外しているため、両親指が指錠から外れただけではクライマックスとしては弱い印象があります。そこは、指錠が消えるなりグラスプロダクションなり観客の予測がつかないオチを用意するのが望ましく、そこを考えるのがこのマジックの面白いところではないでしょうか。
紹介ムービーの様にカードを絡めてカードのサムカフにかかっているオチは面白いですし、ジョニオ師のマイエンディングスも大変参考になります。★5