ディングルの手順のネックであった、手渡しが出来ない、という点とメカニカルリバースが(心理的にも技術的にも)難しい、という点を見事に解決しています。
カウントの動作そのものは、ディングルの方が統一されていて、覚えやすいです。
しかしながら、バノンの方は最初の大胆なリバース(とも呼べないリバース)や、エキストラカードの処理、裏をバラバラにする事でビジュアル性を上げつつも負担を減らすという策略……これらが実に巧みで、全体として見るとバノンの方が演じやすいかな、と。
推薦文を書かれている豪華な顔ぶれと、その内容を見ていただければもはや何もいう事はないでしょう。
1つ言うとすれば値段ですか。正直、この値段は高すぎると私も感じました。しかし、買ってみればそんな事はない。8000円の元は十分に取れる内容です。
どうか、騙されたと思って買ってみてください。
高校生マジシャンとしてTV出演していたホウカコウ氏の師匠である天才マジシャン、佐藤喜義さん。リセットのバリエーション、ステラをはじめとして、天才的な構成のパケットトリックを数多く考案されているのがこの方です。
そんな佐藤さんのパケットトリックの1つがこのパトリシア。ビジュアルな現象の数々を手軽に引き起こすことが出来ます。ハンドリングに一切の無理や無駄は存在せず、これもまた天才的な構成で、素晴らしいの一言に尽きます。
これは素晴らしいです。いまだに色あせぬことなき賢い手順の数々。余計なテクニックは使わずに、最大限の現象を起こす手順構成は壮絶の一言に尽きます。
いくつかピックアップして書きます。
Directed Verdict
いわゆる「スペクテイターカットジエーセス」です。ですが、これはカットした後、観客にそれぞれのトップカードをめくらせることが出来ますので、かなりフェアに見えるでしょう。セットをつくり上げるのが少々面倒くさいですがそれでも価値の作品に仕上がっています。
Play It Straight
彼の名前を一躍有名にしたセルフワーキングのトライアンフ。向きがそろうカードを12枚と多めにする事でフェアさを達成した名アイディアです。
Strangers' Gallery
これは未だにディーラーズアイテムとして販売されています。予言、カラーチェンジ、カラーチェンジングデックの一連の流れは大変美しいものです。最初の予言を抜き出す際と、フォースの際に、デックを全て青裏に見せる巧みなサトルティーが使われているのですが、この手法は大変便利だと思いました。
Tatto You
フレンチさんの商品紹介では裏の色が変わるとかかれてありますが、観客には「自分のサインが予言の方に移動する」という奇現象が起こったように見え(実際そのように見せるトリックです)、その衝撃は大変なものです。サイン入り予言カードは観客にそのままあげられますし、やさしく出来て、これは1番気に入りましたね。実際、バノン自身も「My favorite trick」と、言っています。
とてもよく出来ています。ポケットに入れておけば、ほぼ即席で出来るので気に入っています。ちょっと高級感の漂う物の雰囲気もいいですし、最後に手渡しが出来るのも優れている点の1つでしょう。
ですが、これに3600円も払えるかというと微妙です。2600円でしたら買う価値のある作品だと思いますがこの値段は高い気が……
これは、素晴らしいです。
とんでもないネタでした。鏡の前でやってみても、不思議です。このメソッドを知れるだけでも商品の価値があります。それが即戦力となるぐらい易しくて、これだけ使いやすければ文句のつけようがありません。それぐらい素晴らしい。
そして私がここで最もすすめる要因はこの値段です。テンヨー製品全般に言えることですが信じられないぐらいコストパフォーマンスがいいのです。1000円でこのトリックが手に入るというのですからこれはもう買うしかないでしょう。
アルティメイト3カードモンテ、Bウェーブ、ワイルドカード、新幹線、今思い出せるのはこのくらいですが、これらが全て実演できるセットです(新幹線は解説無いけど)。
まともに買おうとすると、これだけで4000円はいくと思うのですが、そこに様々なギャフカードルーティンがついてこの値段!!
素晴らしい値段です。荒木さんの本を彷彿とさせます(笑
ラベル氏の解説も、ややザックリとはしていますが丁寧でマニアには十分でしょう。
前の方も書いていますが、ギャフカードだけを目当てに買っても十分に元がとれると思います。
これは素晴らしいです。技法の解説の部分はマニアでも知らないものが結構あるかと思います。たとえば、ルセロ氏がTVでやっていたサンドイッチで使っていたのはコスキースイッチというのか……よし、調べてみよう。的な使い方ができます。
収録されている作品もなかなか秀逸な作品ばかりです。
そして、文章でマジックを学ぶときには必ず出てくる「こんなムーブ本当に出来んのかよ…」という嘆きに答えるためのCD-ROM!
何よりもこの値段が素晴らしいです。