カード、コイン、以外の対象として、この道具はとても優れています。
どこで演じても爆笑になります。別にデックケースでなくとも、タバコケース二つでも全く同様の現象が起こります。
参考動画と同様に、お客さんには、これから何をするんだろう?と思わせておけば、その後の現象でほとんど、大きな笑いが起きます。
なんか、こうかわいらしいですよね。爪楊枝がこんな感じで浮遊感があるってのも。
現象が起こった後にタネが消滅する、というのも大袈裟発言ではないですね。その通りです。しかも、お客さんの見ている前でリセットしても疑われません。と、私は思います。
レストラン等でおもむろにテーブルの爪楊枝を取って、とすれば、よりパーフェクトを目指す事にはなるでしょうが、この商品が驚愕のクオリティーなのでその「そこにあるものを使った感」は別に要らない気もします。「爪楊枝を使ってね、ちょっと~なんたらかんたら」って出してやっても大丈夫でしょう。
商品が届いて手にした瞬間に全身から冷や汗が噴き出ます。驚きます。その届いたものにメカニズムがあるとはとても思えません。
何より、演者リスクはほぼゼロ。観客からの懐疑もあっさりとおまじないの仕業に出来ます。
これを二つ使ったらまた別のおもしろい事が出来そうですね。
一般の人の飲み会なり会合なりでやると、注目を集めすぎてそのあとに、会話などを分散させるのが難しくなるかもしれません。
参考動画の華麗な演技を見て購入を決意。
一見したところYouTube動画の様な趣がありあます。どこの誰だか分からない人物が、これまた国も場所も分からない場所でコインマジックを始める。
このDVDはそういったYouTube動画と大きな境界を画しています。
初心者の人も見て楽しめると思います。私が初心者にも薦められると感じるポイントは「見て楽しい」。これに尽きます。見る側のポイントが技法の長短に限るならば、楽しさもなにも無いに違いない。でも、普通、初心者は技法の甲乙に重心は置かない。
いま、この技法を使って不思議を起こしています、すごいでしょ!という演者やDVDは増えています。しかし、そういった物はおすすめは出来ないと思うのです。
さて。
パフォーマンスは優れたものが多いと感じます。一部の演技を除けば、コイン家なら追跡は出来るでしょうがそこに深い意味は無いでしょう。
パフォーマンス部分はぱっと見はスライトオンリーに見えますが、ギャフの利用を一切躊躇していません。DVDを通じてギャフの優れた使い方を学ぶことが出来ます。
少々雑なムーブや動画用ムーブもありますが、押し並べてカッコいいものが多いのでメニューに追加したくなります。
理由は分かりませんが、しょっちゅうBlackBerryみたいな携帯を出現させます。しかもオチのところで。それで、携帯にズームしてって、よく見るとダイ・バーノンから電話がかかってきてる。それを怪訝な顔をして電話を切る。両手の平を上にして呆れた表情。これらのギャグらしきものの理解は困難ですが、許せる範囲でしょう。
基本的には、演技も解説もサイレントです。文字が表示されるのも作品タイトルと技法名のところだけです。昨今のDVDの、見る側主眼の潮流に乗っており、字幕が無くとも理解出来ます。
ただ、1つだけ苦情があります。全てではないですが、演技の途中にフラッシュみたいな映像エフェクトが入ることがあります。ちょっと、見辛くなると感じます。気にならない人は平気かもしれません。
あと余談ですが、メイキングとかのおまけ映像は、はしゃぎ過ぎですね。お客さん相手の場合は、巨乳の偽○ディー○ガみたいで、挙動も謎めいていて面白い。
手順探しの旅をしている最中の人には大変に適材のDVDです。
著作者に対するマジックとは無関係な部分への感想、場合によっては攻撃、そうしたものは一旦、地面に置きましょう。さもなくば、それは著しく不毛であるからです。
さて、本書。
コインマジックの本が刊行されたら前書きに必ず、「コインマジックの日本語書籍がほとんど存在しないのである」と鬼の首でも取ったかように書いてある事が多い。
当たり前である。こんな狭くて深い領域の書籍を作った所で売れないからである。
でも、それは日本の奇術の文化的な密度の優劣を語る指標とはならない。海外には芳醇で濃密な書籍と雑誌が山ほどある。それでいいのである。
本書が初学者向けではないことは、初学者がパラパラめくった段階で本人にも気付けるので心配ない。警告は不要である。でも、DVDがは面白いと思うのです。
この付録のDVDは、「ちょっと関係者が偶然集まってるとこで、わいわいやりながらギャラとかなしで台本もなしで気軽にちょっとやってもらったのを撮影しました!」という定義だと、思おう。でないと、息苦しい。
著作者の演技は、多くのレビューアーが書かれている通り、確かに、本書内部での高圧的なテンションとは裏腹に、大変ビビっている。その部分は読者は納得がいかないかもしれない。
あと、現状の潮流である、追われてもいないのに証明する必要はない、という正当で自然な理論に反している箇所が多いとも感じる。個々の演者は著名でありまた優秀なパフォーマーが多いが、古臭いものを古臭いまま演じていたりして、これまたコイン家の反感を買いそうだ。
でも、上記の定義付けでDVDを見れば、仏陀の如く平静でいられるから不思議だ。
マニアは多くを期待しない方が良い。
それでも、テクニカルタームを整理ている部分や刊行時点のコインマジック業界についての述懐などは、十二分に意義を見いだせる。そう思います。
名前の通り、全くのコイン初心者の方には面白い表現が沢山ありますので、楽しめると思います。「コインマジック事典」を通読していない様な方に、ですね。
しかし。
以下は、正直な感想ですし、インストラクションDVDはこうあって欲しいというユーザからの一般的な願望も含まれています。
DVD作品ですから、視聴するにあたっての正当な条件をみたすべき事は当然だと思います。ところが、作品通じて常に鳴っている強いホワイトノイズ。機材の操作音がカチャカチャカチャカチャずっと鳴っている。これは、ビデオカメラに備え付けのマイクをそのまま使っている事の証と言えましょう。
それらのノイジーな雑音はまず不快です。ヘッドフォンやイヤフォンで視聴する人にはより顕著であると思われます。
内容についてです。解説部分、ちゃんと台本ありますか?これもインストラクションDVDでよく感じることです。内容は決めてはいるものの、ダラダラと話がふらふらする解説。これも例に漏れません。
技法の解説でも、これまたインストラクションDVDが犯しがちな部分をこれも踏んでしまっています。全くの初心者の人が見ているであろう映像で、唐突に「コインをここに隠す」と言っても、有用性や技法のプライオリティが分からないと思うのです。
ミニマルなパフォーマンスを演じてから、そうやって使う、この位置からそこへ持っていく、という矢印だと私は思います。それによって初学者の自発的な思考と判断を促せるのです。
全編を通じて、理由ははかりかねるが挑戦的なニュアンス。マッスルパスを基本技法、という言説はやめて欲しい。こういった内容は、目眩がする程の個人的な意見なので、ここは参考までに。
初心者の方には、こういう手品もあるんだ、と知る手立てにはなると思います。
参考動画を観ただけで購入を決めました。演技部分だけを観て、欲する種類の物であった事に安堵しました。
福田庸太氏の初DVD。阪大の部は強力ですね。こんな方がいらっしゃるんですね。私は学生マジック擁護派です。よく学生マジックフェスティバルの批評が辛かったりする理由は、ある視点からは同意しますがそれは仕方がないことです。学生マジックにはその割合を引っ繰り返すほど才能が埋もれている訳です。
福田氏がそれをよく証明してくれている事も痛快ですね。学生には夢中に無心になれる時間がある。受業なんて行くわけ無い。部室かサークル棟か借りた教室で練習です。
さて、本題。
と言う前に前書きです。私はコインを中心に据えた世界でウロウロしています。隣の部屋の物音は聞こえるものの詳細は分かりません。
「コインズアキラズ」、「SICK」、「ステラ」、「モンスター」ときて「トリックサウルス」です。
正直に申し上げます。この大ボリュームにしてマニア納得の濃度とクオリティーの3枚組DVD。私、全てのExplanationを観ておりません。それには理由があります。
技法の手立てを知りたければ当然解説を見ます。そして、そこから練習へと向かいます。それは、ルーティーンを構成する単語の意味にあたる部分です。つまり、技法そのものはマジックではありません。技法は手段です。
解説を見てしまうと、もう観覧者には戻れません。観客としての目線を持つことは出来ません。出来たとしても初見のそれとは既に違う。それが如何に自然で如何に巧妙で、如何に・・・といったマクロ目線はもう持てません。
DVDを見る理由を言って下さい。
現代奇術の最新の技法を知りたいからですか?マニアの友達をビックリさせたいからですか?それとも誰にも見せないけど部屋で練習する為ですか?
何れも責められるような事ではないことは明らかのように見えます。それにしても。なんです。
このDVDは上記に挙げたDVDと同様、非常に優れたルーティーンが収められています。個々の技法については、専門家も唸るし「こんなことやっちゃうんだ」という新しい発見に満ちています。きちんとクラッシックが研究しつくされた先に、氏の才能と合流出来た結果が表現されています。
それに、「千鶴子のために」におけるパターや演技、キャラ作り、空気オペレーションに謙虚なギャグ、それらの具現化における、「ほらぁ~~!」の連呼。素敵です。氏がいっぺんに大好きになりました。お話がしてみたい。
コインのルーティーンでは、「ワンコインルーティン」と「スペルバウンド」、それから「スリーコイントリック」が面白いですね。
岩おこしについてだけ、我儘言わせて下さい。これは氏が解説でも「手慰みに・・」と言われてる通り、ドの付く素人でも10年くらい寝る前コインをいじってれば、偶発的に到達する、それを有益か否かと判断出来るかどうかは別として、着地できる場所でしょう。
氏の美麗かつ自然かつカッコいいコインの扱いとムーブの数々。うっとりします。しかしながら、その流麗な動きの背後にはとんでもない高難易度の技法が潜んでいます。
心配しないで下さい。難しい、と、出来るようになりたい、は後者の方がモチベーションに有利です。つまり、このDVDを初心者には勧めないまでも、中堅マニアなら習得はなんら難しいものではありません。FISMウィナー達のDVDに比べれば、の話ですね。
カード系に暗すぎて批評出来る才が欠如する為、詳しくは書けませんが、カードのルーティーンも楽しくとても不思議です。
2013年の日本の奇術レベルを確認しておきましょう。コインマン必携はおろか、クロースアップの研究家とパフォーマーは必ず見てください。そして、嫉妬してください。
このDVDは言うまでもなく最高峰の作品です。実は、再度注文したのです。近所のマジックをやっている高校生が留学するというのであげてしまったのです。彼はカードを主軸としていましたが、演技部分を見せたところ驚嘆していました。
この作品から得られるものは大変多いと思います。でも、よくあるインストラクションDVDのような見方ではしゃぶりつくすことは出来ないでしょう。その演目の習得が困難であっても、易しい技法に置き換えられるような示唆に富んでいます。
難易度を下げれば、不思議さの度合いが低下しそうだ、とコインマジシャンは恐れますが、そんな心配は無用です。ミスディレクションという強い味方がいるわけです。解説はサイレントですが、憂慮が要らないことは、他の方が書かれている通りです。
得られるものは以下のように、沢山あります。
[1] ディスプレイの方法
一枚のコインの見せ方。クリップ、ピンチ、レスト、などの保持のしかた。複数枚のディスプレイ。いかに自分が無配慮にコインを持っていたか、を思い知らされます。たった一枚のコインを左手から右手に渡すという動作にも、最大限の神経が使われていることを感じます。
[2] パームチェンジ
ある状態Aから状態Bへの移行。それを綺麗に行ないたいわけです。普段はあまり意識がなくとも、これらの技術は練習項目へ追加するべきでしょう。バック系からフロント系へ。ラムゼイサトルティからオーディナリーへ。ポン太さんの演技は、何かをした、と一切思わせないように行われています。
[3] ルーティンの組み方
コインマジックは技法の塊であることが多いですが、ポン太さんのルーティーンは高難易度ではありますが、セリフがないのに実に巧みなのです。手の動きにすごく表情があると言いましょうか。動きが「しゃべって」いるのです。それらも計算されたもので、ただ普通に動いている訳ではないことを知らされます。
そのままコピーして動画に収録してみることに意味が無いとは言いませんが、実際には喋る必要が出てくる場面が多いと思います。学校の休憩時間しかり、大学生のコンパしかり、社会人の飲み会しかり・・・。
ずーっと黙ったままワンコインルーティーンが出来ればいいのですが、乱暴なツッコミの応酬になるのが通例です。
本作品はギミックなしでスライトを主人公にしたものですが、少し挑戦的なニュアンスもあるように思います。バックファイアーマトリックスなどは、マニアでも追えないでしょうね。テーブル上で右手と左手が水面下で同時にいろいろやっているので、見ていても自然な動きにしか見えないのです。
次回のサークルのために、コピーして見せてやろう、っていう場面もあるでしょう。でも、この作品は手順をコピーするための演技ビデオではないんです。色々なものが抽出できるはずなんです。僕はここを一番強調したいです。
各作品の難易度、不思議度、などには触れません。最後にクレジットがあるんです。コイントリックに関する先人たちの名前がずらずらっとスクロールするんです。それを見ていると、ポン太さんもとても多くの勉強をして、現段階に至ったのだ、ということを思い知らされます。
観賞用でもいいでしょう。コンテストのためのコピー用でもいいでしょう。マニアの研究資料としてでもいいと思います。とにかく、絶対にオススメの作品です。
驚きましたね。これはとんでもなく素晴らしい本です。全てのマジシャン、パフォーマー、研究家の必須項目になることでしょう。DVDがあることで、ゆうきともさんの演技の流れや空気感をも体感できます。コインの作品について記述したいと思います。紛失していた『ワイズワークス2』の「デュオ」が収録されていることを知ったことでの購入でした。各作品の秀逸さについては他の方が書いてらっしゃる通りだと思います。
特にコイントリックを好むのですが、どのトリックも実に巧妙なのです。最も好きな「デュオ」が好きな理由は以下のとおりです。
・使用コイン枚数が少ない。
・難しい技法は一切使わない。
・なのに、すごく不思議。
・テンポもよく疲れないし分かりやすい。
実はこれらは、他のトリックにもほぼ当てはまります。カラの証明や実存の証明のために、高難易度の技法で処理されることがしばしばあるコインマジックですが、ゆうきさんの作品に関してはそういう視点は一切ありません。技法はミスディレクションについてくるものなんだな、って思わせてくれます。お客様との対話の大事さ、言葉と技法が心理面に働く重要さ。これらを再確認させてもらえます。
他におすすめのコイントリックは、「E・ZスペルII」、「スリー・コインズ・ルーティーン」、「2 Fly」、って全部か(笑)。カードをほとんどやらない僕でも、カードのトリックも不思議でしたね。しかも、見ていて楽しい!ゆうきさんの無理のないギャグがとても好感もてます。