ジャンル | : | 書籍 / カード |
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シチュエーション | : | クロースアップ |
メーカー名 | : | 金沢文庫 |
シリーズ | : | フレンチドロップ図書室 |
マジシャン名 | : |
高木 重朗 サイ・エンドフィールド |
価格 | : | ¥ 10,000 |
紹介ツール | : |
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『サイ・エンドフィールドのカードマジック』
L・ギャンソン (著) 高木重朗 (訳)
出版年:1975年6月
発行者:金沢陽之助
発行所:金沢文庫
175ページ
本職は映画監督ながら、カードマジックに精通した故サイ・エンドフィールドのレパートリーから19作品が収録されております。
下記のイントロダクションを読んでいただければ、サイ・エンドフィールドを知らない人も興味が沸いてくるのではないでしょうか。
1975年に出版された本ですが、今見ても素晴らしいカードマジックの数々です。ポケットに通うカード、画鋲で止めるスリー・カード・モンテ、アンビシャスカード、スローモーション・4Aなどマニア好みな内容です。
作品だけでなく、解説も素晴らしい。高木重朗のわかりすい訳に加え、小野坂東によるイラスト。そして、マジックを細かく解説した後に、「手順のアウトライン」として要点が箇条書きでまとめられています。おかげで復習がしやすくなっております。
絶版本です。以前から探していた方、このページを見て気になった方は、お早目にどうぞ。
サイ・エンドフィールドのすぐれたカード奇術について本を書くことは、わたしにとって光栄であり、また大きな喜びでもある。彼はアメリカでもっとも 知識のある、すぐれたカード奇術家の1人といわれている。彼の方法は、このイギリスで何年もの間一流のカード奇術の専門家たちによって真価を認められ研究されてきた。かれはダイヴァーノン、チャーリー・ミラー、 ポール・カリー、フランシス・カーライルおよびその他の多くのアメリカのカード奇術家と親交があり、彼はその人たちとアイディアや理論を交換した。さらに、彼はいろいろな効果に対する観客の反応を知ることのできる鋭い能力によって、すばらしいテクニックを習得している。彼の行なうすべての動作は自然で、ついており、芸術的で少しも疑いを引き起さない。 また、かれは効果を最大にするために努力をし、方法をできるだけ簡単にしている。
3部に分けて出版される予定の本書は、サイエンドフィールドの演じたか リード奇術を解説したものである。秘密にしたところは少しもない。彼は、これらの奇術のすべてが、彼自身の創作したものだとは主張しないが、彼の技法と奇術とは、一般に行なわれているものと違っているものが相当あり、読者は彼の豊富な頭から湧き出した多くの新しいアイディアの価値がすぐおわかりになることであろう。
本書では、カード奇術を数多く解説しようとするものではない。しかし、解説した奇術は、どれもすべて第1級の奇術であり、見る人を十分に楽しませることができるものである。
君はまず、サイ・エンドフィールドに、この本を書くことを許してくれたことと、長時間辛抱強く細部にわたって演じて、説明してくれたこととに対して 感謝をささげたいと思う。また、読書のために、非常に理解の助けとなる写真 を撮ってくれたビル・エリスと,ケネス・プラットに、それから有益な助言を 与えてくれたピーター・ワーロックに、原稿の校正をしてくれたT. T. マクドナルドに、それから本書を出版できるようにしてくれたハリー・スタンレイと、ハリー・クラークに感謝したい。
ルイス・ギャンソン
「カード奇術を本格的に勉強したいのだが、よい洋書を知せてくれ」という質 間があるたびに、私は何冊かの文献をお教えしているが、そのなかに、必ずサイ・エンドフィールドの解説書を入れることにしている。
本書はこの "Cy Endfield's Entertaining Card Magic (Part1 Part3)" を訳したものである。これはカード奇術の研究家として有名な Cy Endfieldの奇 術を、奇術解説者として第1人者の Lewis Ganson が解説した名著である。
本書に解説してある奇術は、どれも傑作であり、技法の解説もくわしくしてあるので、カード奇術愛好家にとっては、よいテキストとなると思う。
この本の第1部は以前、私が訳し 「現代カード奇術」と題して発行されたが、長い間絶版となっており、再版を望まれたので、訳を訂正しここに、第2部・第3部を加えて全1巻として出すことにした。
各部は、 別々に発行されたので、記述に統一を欠く部分もあったが。 なるべくそのままにした。訳にあたっては、読みやすさよりなるべく原文に忠実にしようとしたため、訳文が生礎になってしまった。これは訳者の不才のいたすとこである。また誤訳もあると思う。読者のご指摘をお願いしたい。
本書の原テキストの第2部・第3部の写真は英国の GEN 誌に連載したもの からとったため、 非常に状態が悪く、見にくいので、 小野坂東氏をわずらわして、全部図にしていただいた。これによって、本訳書が原テキストよりすばらしいものとなった。 小野坂東氏に多大の感謝をささげる。
1975年 5月
高木重朗